北側から見た奥三ツ頭

赤岳分岐から見たギボシ

 

 

 今週は風変わりな進路で足の遅い台風10号の影響で延々と影響を受け続け、週末もあまりよろしくない予報だった。台風は通常とは反対に西に進んで関東から離れる方向だが、台風東側は南風になるので湿った風が吹き込んで雲が発生し不安定な天候で、下界でも晴れていると思ったら急にもの凄い土砂降りになったりとめまぐるしく変わった。山は確実に強風+ガスで雨にも降られただろうから金曜日は仕事、土曜日は休養し、午後から出かけることにした。予報だと日曜日には回復するとのことだが、それは下界の話で稜線上はたぶんガスだろうな。

 日帰りなので遠くにはいけないので先週に引き続いて八ヶ岳とし、南部の奥三ツ頭、ギボシを狙った。奥三ツ頭は三ツ頭と権現岳の中間にあるピークで、ギボシは権現岳のすぐ西側のピークだ。両方とも権現岳を歩いたときに通っているはずだが無線はやっていないので登り直しだ。観音平から周遊ルートが組めるのでちょうどいい。

 真っ暗になる直前に観音平駐車場に入ったがガスと強風の中だった。日中はこれよりも天気が悪かったのだろうが車が20台くらい置いてあるので今頃は山小屋の中だろう。意外に多いな。明日も人が来るのだろうか、駐車場の端に車を入れ、酒を飲んで寝た。

 翌朝3時半に起床すると上空は曇りらしく星は見えないが、駐車場はガスの中ではなかった。風があるのは覚悟の上だからいいが、稜線に出てびしょ濡れになるようなガスだと困るなぁ。朝飯を食って真っ暗な中を出発、風が強くて傘は使えないと判断して置いていったが、結果的に樹林では充分使えたのだった。

 まずは三ッ頭のルートへ乗るために下り気味に東へ向かい、涸れた沢を渡ってなおも東に歩く。最初に編笠山方向に登って帰りにこのルートを歩いてもいいが、最後に登りになるのは精神上疲れるので左回りにしたのだ。これならフィニッシュは駐車場まで下りである。

 八ヶ岳神社との十字路を左に曲がっていよいよ本格的な登りが始まるが予想以上に傾斜が緩く、道があっているのか不安になるくらいだ。あまり酷くはないが両側から笹がはみ出し、濃いガスで濡れているのでロングスパッツを付ける。樹林はガスが葉で水滴になって降り注ぎ、雨が降っているのと全く変わりが無く、これなら傘を持ってくれば良かったと後悔するも遅い。ゴアを着れば汗で濡れるし、どっちも同じだとそのまま歩き通した。本当に雨が降っているのではないかと心配したが、開けた場所では雨は落ちてこなかったので森林限界を超えればこの状況から脱出できそうだ。ただ、これだけ濃いガスだと直接触れると濡れそうだけど。

 木戸口と書かれた看板を通過、ここはちょっとした肩になっているが目立たない場所だ。登り続けると割と広く開けた砂礫地があり「ヘリポート」と書いてあった。小屋からはずいぶん離れているので本当にここがヘリポートなのかわからない。再び水滴のしたたり落ちる樹林に入り登り続けるとようやく森林限界を超えてハイマツ帯が出現すればすぐに三ツ頭山頂だった。でも濃いガスで何も見えず、以前の記憶も霞がかかったように思い出せない。山頂の写真だけ撮影して先を急ぐ。

奥三頭山頂

 ガスで濡れるかと思ったら意外に薄くてゴアは不要で助かった。樹林帯の中よりもよほど濡れなくて気持ちいい。GPSを起動して奥三ツ頭の距離を見ると300m弱しかなく、ガスの向こう側すぐ近くに山頂があるらしい。緩やかな下りが終わると登りに変わり、かわいらしい小さな赤い鳥居の祠がある山頂に到着した。登山道は僅かに山頂を巻いているがそれこそ1,2mなので簡単に山頂に登れる。

 森林限界を超えているので強い南風が直接吹き付け、Tシャツのままでは寒いのでシャツとゴアを着た。ガスは薄くなってきたようで時々切れて南アや権現岳方面が姿を現すようになり、回復傾向のようだ。南アで雲層から顔を出しているのは薬師岳、観音岳、北岳、甲斐駒、仙丈ヶ岳だけなので雲海の高さはかなりらしい。中アは主稜線のほとんどが姿を現しているようだが南がどこまで見えているかは同定しなかった。富士山も上の方だけ出ていた。

 強風でDPを上げるのもやっかいだったが、岩を利用してどうにかポールを支えることに成功、でも風でアンテナが勝手に回ってしまうのはやむを得ない。バリコンを交換したばかりのピコ6でワッチすると以前のバリコンによる緩やかなfズレは無くなったが、ちょっとした震動による周波数飛びがあるようだ。50.200以上の水晶でも発生しているのでVXO回路のどこかがおかしいらしい。バリコン交換の際に見て以上は確認できなかったがまたバラして点検しなければ。JH9UJB/1大泉村がいたのでコールするとすかさず奥積さんに捕獲された。ギボシは約1時間後と伝えておく。

 

権現岳山頂から見た白馬三山

 徐々にカスが晴れる時間が長くなり、権現岳から下ってくる人の姿も見えるようになり、天気はこのまま晴れが期待できそうだ。アンテナを畳んでギボシ向けて出発。権現岳への登りは一気に高度を稼ぎ、三ツ頭の尾根がだんだん低くなり岩っぽくなって高山の雰囲気が出てくる。この尾根は岩稜帯で険しいので尾根通しではなく西側を巻いて上部に出ると権現岳の岩峰が目の前に現れる。権現岳は既登山だがせっかくなので山頂に上がり写真撮影、北アは白馬岳〜前穂までずらっと見えており、北アも晴天のようだ。赤岳との鞍部からガスがわき上がり、赤岳は半分姿を隠したまま。ギボシはもう目の前だ。

 小さな権現小屋は権現岳とギボシの鞍部にあり、ギボシの登りは山頂手前で登山道は左に巻いて下っていくのでそのまま岩稜の尾根を直登するとすぐに山頂だった。観音様か何かの小さな石像があり硬貨がお供えされていたので立ち寄る人がいるらしい。見晴らしは言うことなしで北側は阿弥陀岳の稜線と鞍部から硫黄岳、横岳が姿を見せ、先週歩いたばかりのコースが丸見えで、印象深い小同心の岩場も見えた。眼下には青年小屋と編笠山のなだらかな姿。

ギボシ山頂

ギボシから見た八ヶ岳核心部

 強風下でアンテナ保持に苦労するが石像の助けを借りて自立させ、すぐに奥積さんから声がかかった。台風の影響か西方面の移動局はほとんどいないとのことで、こちらでワッチしても聞こえなかった。無線はすぐに終わりにして赤岳のいい写真が撮れないかとガスが切れる瞬間を待ったがあまり期待に添った写真がとれずじまいだった。

 帰りの渋滞もあるので早めに下山を開始したら、ちょうどいいタイミングと言っていいのか稜線もガスり始め、これから登ってくる人は視界が得られるだろうか心配だ。これが一時的なのかずっと続くのかわからないが、私が稜線上にいる間は晴れていて助かった。続々と登ってくる人とすれ違い、樹林帯に入ると青年小屋に到着、テント撤収中のパーティーがいたがだいぶのんびりだなぁ、今日は下るだけなのだろう。私も下るだけだが。

 編笠山は既登山なので巻道に入り、湿って滑りやすい石を飛び移ったりシラビソの林間を歩いたりしながらグングン下った。こっちは三ツ頭の尾根と違って道は広くて笹もなく足下が濡れる心配はなくスパッツは暑いだけなので脱いで手にぶら下げて歩いた。下る人の姿も見られるが登ってくる人の方が圧倒的に多く、おそらく編笠山日帰りだろうな。押手川分岐で編笠山に直接登るルートと合流、なおも下ると「雲海」と呼ばれる樹林が切れて視界が開けた展望地を通過、観音平に近づくと遊歩道が分岐してちょっとわかりにくいが一番太い踏跡を辿っていると無事駐車場に出た。今朝と違って車でいっぱいで、小学校の林間学校だろうか、20人前後のガキがまさに出発するところで賑やかだった。

 

 人が多いので小さくなって着替えを済ませ、小学校の送迎車に駐車場所を譲って下界に向かった。観音平は曇って涼しかったが下界は晴れて暑かった。