中央アルプス北部 胸突ノ頭

胸突ノ頭

 

 

 お盆休みは半分を会社で仕事、半分が休みになり、休み前半は温泉沢ノ頭をやり、中2日の休憩を取って最終日は雨の予報なので土曜日日帰りで山に出かけることにした。2日しか休んでいないのであまりに過激な山では体力が持たない可能性があり、適度な山を考えたが中ア将棊頭山近くの胸突ノ頭を選んだ。ここは桂木場から簡単に往復できるし、近くに登り残しの山がないので1日かけられるし、日帰りにはちょうどいいだろう。

桂木場登山口

信大コース登山口

 

 高速代節約で諏訪南ICで降りて(茅野で花火大会をやっていたが渋滞はなかった)杖突峠を越えて伊那に入り、わかりにくい道を桂木場向けて走る予定だったが伊那市街地で工事中で曲がれない場所があり、結局は広域農道に出て前回曲がったのと同じ場所から入った。キャンプ場の案内標識に従って細かく曲がるが基本的には上に登っていけばいい。オートキャンプで賑わうキャンプ場を過ぎれば道が細くなって寂しくなり桂木場登山口に到着、しかし信大コースを使うともっと上まで車で上がれるのでそのまま林道を直進し、ダートに変わってだだっ広くなった駐車場に車を止めた。桂木場の駐車場よりかなり広く、あまり知られていない登山口なので西駒山荘管理人の車しか置いてなかった。もうちょっと上に登山口があるがスペースが狭く、下手に置くと後からやってくる車が転回できないし、大して労力節約にならないので下の駐車場でいいだろう。日中木陰になりそうな場所に車を止め、酒を飲んで寝た。

 目覚ましをかけたが音に気づかす(しかも5分間隔で3回鳴ったはず)、1時間寝坊して日の出直前に目覚め、急いで飯を食って出発した。あまり遅い時間だとくそ暑くて苦労するに違いないから。ここは2年前の秋に歩いているのでルートは分かっており安心だ。本当の車道終点からしっかりした登山道が始まり、巨大砂防ダム右岸の階段を上がって堰堤を越えて階段を使って沢沿いに降りてからは以前の登山道を歩く。沢を渡るところで顔を洗いタオルを濡らして暑さ対策の準備。今回は念のためうちわまで持ってきたが、早朝で気温は低く未だ出万はない。空はどこまでも青く、夏山というより秋の空の気配が濃い。

 左岸沿いの道を歩くと信州大学農学部演習林に入り、無人の管理棟を左上に見る。道はあちらこちらで分岐するが案内標識があってそれに従えばいい。以前は文字が消えた標識が多かったが、その後誰かマジックで書いたようで安心だ。まあ高いところを目指して歩けばいいし、脇道に入っても上に行けるようだ。演習林なので観察用の道が縦横無尽に走っているらしい。木の種類を示す表示もある。最近刈り払いされた形跡があるが体に触れる笹が皆無というところまでではなく、半ズボンで登るとちょっといやらしい。でもこれくらいなら露で濡れていてもスパッツがあれば問題ないくらいだ。

 沢を離れはっきりした尾根を登っていくと望学台という視界が開けた場所に出てなおも登る。ここからは尾根を巻くように緩やかに登り、シラビ平管理棟(避難小屋)に出る。前回同様非常にきれいな小屋でストーブ完備、宴会にちょうどいい。水は目の前に出ているし、ここが涸れても沢は近い。ここから尾根に上がり、一気に標高を上げて桂木場からの縦走路と合流、この先は体に触れる笹はなく快適に歩ける。最高最低温度計が設置してあり、今の気温は15℃前後だった。

 西風が尾根を吹き抜け涼しく、うちわの出番はいまだにないので手に持ったまま歩き続けた。今日は荷物が軽いのでほとんど汗をかくこともなく、楽々と高度を上げる。弘法石、津島神社と通過するが2年前の記憶が無いなぁ。行者岩への旧分岐点は良く覚えており、ここは廃道で藪との格闘になってしまうのは前回の経験で分かっているのでパス、もう胸突ノ頭は目の前で50mしかない。いったん南に巻いて新しく開かれた行者岩分岐を北上、ようや森林限界に出て視界が開け、ガスをまとった木曽駒が近く、木曽御嶽も剣ヶ峰はガスの中だった。やや西風が強いので稜線だけガスってしまうようだ。基本的には快晴で上空は青空が広がっていた。

胸突ノ頭から見た将棊頭山

 胸突ノ頭は登山道は山頂西を巻いているので適当に藪を漕がなければならないが、直下はハイマツからシラビソ樹林に切り替わるので、ハイマツが無くなってから登山道を外れて歩けば楽である。山頂はハイマツなのでちょっとだけ格闘を要するがほんの僅かで寝たハイマツに変わるので問題なし、すぐに山頂に到着した。ハイマツに覆われ標識はないが最高地点に間違いない。行者岩は目の前、将棊頭山も近く、南ア北部以外は隠れて見えないので帰りに将棊頭山に立ち寄ることにする。

 今回はピコ6のスピーカから音が出なくなる故障が発覚したので6mは持ってこなかったのでVX-5で運用、ワッチしてサブチャンで聞こえないのでCQを出すと松本市内からお声がかかった。これで3回目とのことで、山ランメンバーとも何度もつながってQSO相手部門では2枚目の賞状が送られてきたと言うから40回を越えているはずだ。丁重にお礼を言った。

 ワッチするとすぐ下のチャンネルでは7K1CVP/塩見岳東の北俣岳が出ていた。また、下新川郡で3エリアの山ランメンバーとQSOしている相手局も聞こえた。この頃、6mではJG1MIT/赤石岳や7M3LKF/木曽駒がいたようだが・・・。写真撮影のため将棊頭山に登るため撤収した。

将棊頭山山頂と木曽駒

将棊頭山から見た南ア

 

 縦走路から稜線コースに入って直接山頂を目指した。風がやや強いが登りにはいい強制風冷で心地いい。森林限界の尾根で巨大花崗岩とハイマツを絡みながら高度を上げ、標識がある将棊頭山山頂に到着した。眼下には西駒山荘、木曽駒はガスに隠れたままだったが、待っているとガスが晴れて無事写真を撮影できた。麦草岳へのゴツゴツした稜線を歩いたことが懐かしい。宝剣岳は鋭い岩峰に見える。今日も賑わっているだろうなぁ。北アルプスは雲に隠れて全く見えないが、八ヶ岳は編笠山から蓼科山まで全部見え、南アも鋸岳から深南部は中ノ尾根山まで見えていた。逆光気味なのであまりいい光線状態ではなかったが、中アはいつ来ても南アの展望台だ。塩見岳もよく見えており、今頃CVP鈴木さんはあの辺りを歩いているのだろうか。

 写真を撮影し飯も喰ったので下山開始、その直後首にかけていたタオルがないことに気づき、胸突ノ頭で紛失したのが判明して空身で登り直しハイマツの入口で発見、10分程度のロスで済んだ。下る人、降りる人を少しだけ見かけるがロープウェイの人数とは段違いで静かな山だった。信大コースに入りシラビ平で水を飲んで下っていると、砂防ダム近くの沢で若者のグループが上がってきた。たぶんジモティーだろう。ダムを乗り越え車道に出ると車が1台駐車、広い駐車場には5,6台止まっていた。信大コースも意外と知られているようだ。前回来たときは他には誰もいなかったが。

 沢に入って濡れタオルで汗をぬぐい、着替えて東京に向かった。お盆の帰省ラッシュで中央道は混むかと思ったら空いていたので須玉から乗った。

 

 

所要時間

 5:13駐車場-6:09望学台-6:25シラベ平管理小屋-6:46縦走路に合流-7:06 6合目-7:19津島神社-7:37胸突ノ頭の標識-7:40行者岩分岐-7:45胸突ノ頭着-8:24胸突ノ頭発-8:27登山道に出る-8:45将棊頭山着-9:17将棊頭山発-9:30行者岩分岐-9:34胸突ノ頭直下でタオル発見-9:37縦走路-9:49津島神社-10:05信大コース分岐-10:17シラベ平管理小屋-10:26望学台-10:58林道-11:01駐車場