甲府盆地北部 棚山、兜山 2005年12月31日

 


 塩ノ山から下山後、当然のように塩山温泉に入る。宏池荘という宿に公衆浴場が併設されており、以前使ったことがあるのでそこへ向かう。塩山温泉は狭い範囲なので歩いていける距離であるが。駐車場が狭くタイミングが悪いと満車で入れないが今回はOKであった。裏口のような場所から入ると左手の部屋にオヤジがいて\400であった。浴槽は宿泊者とは完全に別で外来者専用である。以前来たときよりずっと立派になっていたので最近改修したらしい。風邪気味なので長く入って良く暖まった。

 さて、翌日は棚山から兜山を歩く予定であるが、問題はどこから登るかである。地形図を見ると永昌院から夕狩沢上部に向かって林道が描かれているのでこれを使ってみよう。ただし、どこまで車が入れるかは不明なので、最初から林道歩きかもしれない。この林道を伝わって市界尾根にとりついてまずは棚山に登り、夕狩沢をU字型に回って兜山に登り、兜山北斜面を適当に下って登りで使った林道に戻る算段だ。これだと周遊コースで登山道のない尾根だろうから楽しめそうだ。

 永昌院までの道はえらく急坂で、凍結したらスタッドレスでも登れないのではないかと思えるくらいだ。お寺の駐車場に入ったが、目的の林道は目の前にあったが車止めで、駐車場から進入できないようになっていた。下部を見るとお寺の手前から左に分岐する細い道があり、林道はそこに続いていたので車を突っ込んだ。道幅が細くすぐにダートになるが普通車でも問題なく走れる程度だったので行けるところまで行ってみようとしたが、標高510mの下り坂でわき水が路上を流れテカテカに凍っていてノーマルタイアでは下れても登れないではないか。チェーンを巻いてもいいのだが、この先どこまで車で入れるのかも分からないので潔く諦めて車を戻し、手近な駐車余地に止めた。明日はここから歩きだ。

ここで車を諦める

途中までいい道
普通車はここまで その先は強烈です

 

 翌朝、朝飯を食って出発、今日は朝から快晴だ。明け方に強風が吹いたが今は収まっているので日中も大丈夫だろう。林道は凍結区間が終わるとしばらくはコンクリート舗装の快適な道が続く。凍っていなければ普通車でも問題ないだろう。しかしそれも標高560m地点までで、Uターンできる程度の広場から先は表土が流され河原のように石ころだらけになった路面で、たとえ車高の高い車でも突っ込むのは勇気がいる状態になってしまった。完全に廃林道っぽいが、これでもタイア痕があるのだから恐ろしい。たとえジムニーに乗っていても並の神経ではこんなところは走れないだろう。揺れや振動が凄いだろうし車がかわいそうである。

ここから斜面を登り始める 市界尾根に到着

 

 上部になると少しまともになるが、市界尾根に近づくと林道の両側に檜が植えられてもう林道としては見捨てられている模様だった。僅かに下り坂になると目的の尾根は間近で、尾根突端まで行くと少しだけ標高を損するのでその前に尾根に取り付いた。落葉樹林で下草はなく快適に歩け、尾根に乗ると左半分は檜の植林帯だった。尾根直上は細い灌木が邪魔であるが今は葉を落としているので藪漕ぎではない。あとはこの尾根を延々と登り続ければ棚山に到達するはずだ。

草に囲まれたイノシシの死骸

 途中、草が円形にまとまっている場所があり、いったい何だ?と見てみるとその中心にはイノシシの死骸があった。イノシシは関東の山の中では滅多に見ることがないが(六甲では日光の猿並みに数が多いし人慣れしているが)、死体はもっと見る機会がないだろう。まだ小さいので子供のようだった。冬の間は腐敗せずこのままだろうが、気温が上がる春になれば土に帰るだろう。それともその前に動物に喰われてしまうだろうか。



東尾根に出ると明瞭な登山道がある 棚山山頂

 

 やがて左側から尾根が合流すると踏跡らしき筋と目印も合流したが、どこか別の尾根にルートがあるのだろうか。ま、大した藪はないのでどの尾根を登っても大差ないだろう。赤ペイントまで現れて賑やかになったが踏跡は薄い。1104mピーク直下で大きな尾根に合流すると、そっちには立派な登山道がついていて案内標識も多数現れた。地形図には道が書かれていないが、これだけ顕著な道と言うことは良く歩かれているはずで、ネットで調べればどこから登ってくるのか分かるだろう。あとはなだらかな尾根を素直に歩くだけで棚山山頂に到着した。

 この界隈のマイナーな山だから展望の期待はしていなかったが、案の定樹林に囲まれて市界はなかった。木の隙間から僅かに南アジャイアンツの白い姿が見えており、甲斐駒から白峰三山、そして荒川、赤石、聖も白かった。年末年始に入山する人は少なからずいるだろう。今日は好天だが明日から崩れるとの予報だけど大丈夫かな。

棚山から見る白峰三山 棚山を西に下る
1160mピークトラバース入口 入口はいいのだが・・・・

 

 少々休憩と無線をやってから兜山に向かう。なんとこの先は手持ちの地形図(塩山)からはみ出しているので詳細な地形が分からないが、樹林の隙間から見える風景とGPSでどうにかなるだろう。踏跡は最初から期待していない。棚山を下って登山道どおり市界尾根を進み、1160mピーク手前で左手にトラバースする踏跡の入口を発見、ベニア板の標識があるのだが文字が書かれた表面層が剥離しており何が書かれていたのかわからない。まあ、でも兜山への尾根へ移るのにはこのピークを巻けば楽をできるので利用させてもらうことにする。人間の踏跡なのか獣道なのか判断に迷う程度のグレードであったが、尾根に取り付く直下では完全に獣道へと細くなっていたから、元々あった獣道を踏跡として利用しているようだった。ただ、ここから兜山へ向かう人はあまりいなので踏跡が薄いままといったところだろうか。

兜山へと市界尾根を歩く とちゅうから見た棚山

 

 無事に兜山への尾根に乗ったが、やはり踏跡はなく灌木を避けながらの歩きだった。ただ、こちらには頻繁に境界標識があるのでいい目印になる。しかし地図無しで気楽に歩けるほどの密度で付いているわけではないので、930mピークでは東に進んで尾根が消失して木の隙間から周囲を見渡して右手に尾根があるのを発見、トラバースしながら正しい尾根に乗った。地図なしでこの1カ所の間違えだけだったのでまあまあいい線いってるか。

 900m鞍部では意外にも明瞭な登山道が南から登ってきて標識も完備されていた。なんと兜山は山梨百名山であり、地図まで置かれた標識なのだ。南や東から登る道はあるようだが北の林道へ出る道は書かれていないが、適当に歩けばいいや。登りに使った林道はこのすぐ右手まで来ているはずだが、よ〜く実ながら歩いたがそれらしきものは見あたらなかった。もう完全な廃林道で自然にとけ込んでしまったのかもしれない。

900m鞍部で兜山登山道と合流 夕狩沢コース分岐
兜山山頂 兜山南側展望台から見た御坂方面

 

 本日初めての人とすれ違い、990mピークを越えて下っていくと左手に夕狩沢コース分岐があった。帰りはこの道を途中まで利用するか。そこから水平に歩くと山のてっぺんというより肩の部分で山梨百名山の標柱があった。ここも樹林に覆われて視界はないが、展望台まで南に3分との標識があったのでそっちに行ってみると斜面の南側が伐採されて日当たりがいい場所にベンチが設置されていた。残念ながら南ア方向は木が茂ったままで見えないが、休憩はこっちの方がいいだろう。ジモティーの先客が1人いたのでいろいろと話をした。その先客も去ったのでこちらも下山開始。

夕狩沢コースを下る コースを外れたが踏跡があった
廃林道終点に出た

 

 夕狩沢分岐まで戻り下り始めると、やはり北東方向に下っていき、このままいくと林道に出るのに夕狩沢から登り直さなくてはならないようなので、少し下ってから左に進路を変えると作業道らしきものに遭遇、このままいいコースに導いてくれればいいなと考えつつ歩くと、やがてなだらかな谷で消えてしまった。しょうがない、また適当に下ろうと木の隙間を下るとなんと廃林道があるではないか! 登ってきた廃林道につながっているかどうか分からないが、地形と照らし合わせながら歩けばおおよそどの辺を歩いているか推測できるだろう。林道には手製の標識もかかっており、どの程度歩く人がいるのかはわからないが利用者は皆無というわけではないらしい。

意外にも棚山、兜山の標識が こんな標識もあった。意外に使われてるコースか?
林道から夕狩沢コースへの分岐 夕狩沢コース

 

 廃林道はうまい具合に夕狩沢を右回りに巻くようになだらかに下り、やがて夕狩沢に沿って下り始めた。もしかしたらこの林道は夕狩沢沿いに下る別の林道で、もしかしたらこれが夕狩沢コースなのか?と疑いたくなる展開だったが、なんと僅かに登りになったところで右手に夕狩沢コースが分岐し、林道進行方向には永昌院の案内看板が。おっと、そのちょっと手前では北側に林道が分岐し、それを示して棚山と書かれていた。私が市界尾根を登っている途中で出会った踏跡はこれの続きなのだろう。そして夕狩沢分岐点が市界尾根末端だった。あとは一度歩いた区間なので淡々と歩いて車に戻った。


 

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