北海道 日高北部 ペケレベツ岳 2009年7月5日


 前日は幌尻岳〜北戸蔦別岳の周遊を日帰りで行ったので疲労が抜けず、今日は軽い山にしたいと考えた。ガイドブックを見て近場で未踏の軽い山を探したところ、ペケレベツ岳を発見した。ここは日勝峠付近で国道脇から登ることができ、登山口の標高が高いので労力削減できる。

駐車場(登山道から見る) 登山口

 旧穂別で温泉に入り、国道274号線を十勝方面にひた走る。日勝峠付近はガスがかかって視界が極端に悪く慎重に運転、登山口の標識が見当たらず何度か往復してからガイドブックを開き、除雪基地横にあることを知ってからやっと登山口を発見できた。十勝から日高に向かう側にあり、除雪基地より僅かに登ったところに駐車スペースがあった。北海道ではいつものパターンのように登山口には入林届もあった。天気は下界は晴れているのだが稜線は雲の中に隠れていた。

 歩きだしていきなり笹が被った道になり、朝露に濡れて最初からびしょ濡れになってしまう。しかたないので新品のゴアのズボンを履いて歩きだすが、新品ゴアの最初の出番が笹の中では1発で撥水性が失われるなぁ。ちゃんと道はあるので藪漕ぎではないが、最後に笹を刈り払ってから何年も経過しているだろう。ガイドブックの写真はきれいに刈り払われた写真だったので安心していたのだが・・・・。

最初から笹の被った道 樹林帯は笹が薄まる
なぜか除雪スコップ 開けた場所は笹が濃い

 登山口付近の笹が最も濃くて背が高いが、樹林に入るとっずっと薄くなって歩きやすくなる。この後も樹林が開けて日当たりがいい場所は笹が濃く、樹林が濃い所は笹が薄くて道がはっきりして歩きやすかった。国道を下に見ながら緩やかな尾根を登っていくと、なぜか木の幹に除雪シャベルが残置されていた。まさか登山道を除雪するわけではかなろうに。一部で大きな露岩があり、近くの久山岳を思い起こす風景だと思っていたら久山岳と同じように「母の胎内」と書かれた標識があったが、さすがに「父の胎内」は無かった。露岩といっても周囲は高い樹林に覆われているので展望は無い。

こんないい道の区間は短い 露岩地帯(母の胎内)
立ったハイマツが混じり始める ダケカンバが目立ってくる

 ところどころに現れる明るい笹原を突っ切りつつ標高を上げていくとダケカンバが目立つようになり立ったハイマツも混じってくる。一応、登山道にはみ出たハイマツを刈り払った跡もあり、笹よりは障害にならないのはありがたい。1343m峰はてっぺんが小さな広場となり山頂っぽいがまだ山頂ではない。ここまで標高が上がると完全にガスの中で、強い西風が吹き荒れていた。稜線はハイマツが濃く、濃いガスが当たって濡れていて、これから歩く稜線は雨が降っているのとなんら変わりがなさそうだ。ここでゴアの上着を着用する。

1343m峰 稜線を南下する
山頂方面はガスの中 稜線を巻くところは開けている

 稜線は風が強いかと思ったが、濃いハイマツのおかげで直接風に晒されることは無かったし、稜線真上ではなく東に巻いてルートが付けられた区間もあって風よけに都合がよかった。巻き道区間は樹林が開けて明るい場所が多かったが、今までの尾根と同様にそんな場所は笹がはびこり、笹の上を踏みつけて歩くような場所もあった。尾根上に戻って樹林帯に入ると笹が消えて歩きやすくなる区間もあるが、やっぱり濡れた笹がはみ出してゴソゴソかき分けながら進む区間も混じる。

まだ笹が出てくる 標高が上がると立ったハイマツ。でも道はある

 鞍部に達して登りにかかるがガスって先が見えないのでどれくらいの距離を歩けばいいのかわからないのがもどかしい。ペケレベツ岳付近は地形図を持っていないので地形から読むこともできず、黙々と歩くだけだ。傾斜がある登りが終わって緩やかになったので山頂かと思いきや、再び登りが出てきた。高度が上がると徐々にハイマツの割合が増し、森林限界の様相が濃くなってくる。やがてハイマツの海に変貌して森林限界を突破したが、標高がイマイチ高くないので立ったハイマツの海だった。まあ、今日のような強風時は助かるが。

ハイマツのトンネルになると山頂は近い ペケレベツ岳山頂

 ハイマツの切り開きの道を緩やかに登り、霧の中から広場が現れると標柱が立っておりペケレベツ岳山頂に到着した。半分立ったハイマツだが身長よりちょっと低い高さなので晴れていればそこそこ展望がありそうだが、今は全く見えない。刈り払いはここで終わっており、この先はハイマツの海が広がっているので、この先の稜線を歩くには残雪期しかないだろう。稜線上で道があるのは1343m峰から山頂までの僅かな区間だけだ。この天気では山頂でのんびりする意味がないので、少しだけ休憩して下山を開始した。

 もういい時間なので誰か登ってくるかと思ったが登山口まで誰とも会わなかったが、登山口に戻って着替えや車内整理をしていると1台の車がやってきて、単独行の男性が小さなザックを背負って笹の登山道に入っていった。稜線を見上げるといつの間にかガスから抜け出しており、これから登れば稜線の藪は乾いていて展望も楽しめるかもしれない。まあ、これも運だからしょうがない。

 まだレンタカーを返却するまで時間があるので、後日のために札内ダム奥のゲートを偵察、県外ナンバーの車も止まっておりカムエクへアタックしている登山者がいるようだ。時間調整で昼寝していると登山者が戻ってきたので話を聞くと、日帰りで出発したのだが三又から先で赤テープを負ったのだが道を失って藪に突入し、時間切れで戻ってきたとのこと。中には間違ったテープがあるのは想定内で、やはり自分で読図しながら進まないといけないらしい。さて、今度の木曜からの休みでここに来ることができるだろうか。それは天気次第であろう。


所要時間
登山口−1:23−1343m峰−0:42−ペケレベツ岳−1:15−登山口



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