文中の人名、語句の説明 2009年11月版

 本HPの記録を読む上で知っておくと便利な人名、語句の説明です。全部を網羅しているわけではないのですが、主要なものは入れたつもりです。

登場人物の説明

武内さん(KUMO氏とも言う)
 さいたま市(旧大宮市)在住で、仲間内では「怪人」と呼ばれる登山の達人。藪山のスペシャリストで、道がない笹の海を夜間歩けるずば抜けたルートファインディング能力を持つ。ほとんど寝ないで2日間歩き続けるのだから人間業ではない←だから怪人。最長記録は残雪期2日間で赤石岳、聖岳の縦走か。年末年始の白峰三山単独縦走も経験している。地形図記載の2400m以上の山は全て登り終わっていることからも、岩場の登攀能力を含めてどれくらいの実力の持ち主か分かるであろう。たぶん今は日本山名事典記載の2000m以上の全ての山に挑戦していると思う。2000m峰の登山数は私よりも上で、目標クリアの核心となる北ア硫黄尾根や剣岳北方稜線上の全2000m峰を登頂済みなので、数年あれば完登できると思う。数年前までは個人的つながりがあったが今は無い。

DJF氏
 たぶん高崎市在住。ディスクジョッキーのDJとは無関係。武内さんの後継者と目される人物で、武内さん同様寝ないで歩く特性がある。藪山のスペシャリストで雪山の経験も豊富とこれまた武内さんに並ぶ。山スキーをやっているところは武内さんを上回るか。最近はクライミングにも足を突っ込んでおり、オールラウンダー。私より年齢はちょっとだけ上だが山岳界ではまだ若い部類に入るような。2000m峰の登山数は私よりもやや少ないが、今のペースが続くとそのうち追い越されそう。彼とは個人的つながりがないとまでは言わないが、ここ数年はメールのやり取り等の連絡はしていない。よって先に相手が登った山でもお互いに公開したHPの情報以上のものは相手からもらっておらず、完全に独立して活動している。

南川さん
 山頂渉猟の著者。地面識は無い。形図記載+αの2000m峰を全て登った、たぶん日本初の人。マイカーを持たず、ほぼ公共交通機関だけでこんなことをやり遂げるのだから恐ろしい。

柏の小川さん
 その名のとおり千葉県柏市在住の小川さん。面識は無い。私が知る限り、南川さんの次に地形図記載+αの2000m峰を全て登った人。+αの部分については南川さんの解釈とは違っているかもしれない。超マイナーな2000m峰で「柏 小川」の赤布を何度も見た。

巻き巻きの君(群馬の重鎮)
 群馬県安中市在住の山屋さん。主に群馬県内の山を歩いており、藪山への登頂も多い。たぶん群馬県内の山については一番情報が得られると思う。以前は巨漢だったが(その当時の姿を見たことあり)今は痩せてスマートになったとの話。YAMA ROOM(下記参照)の常連さんだった。

赤地さん(猫爺)
 まだ東京都旧保谷市(現西東京市)に住んでいるかなぁ? 全国各地の山を渡り歩いており、藪山への登頂もかなり多い。国内どころか海外へトレッキングにも出向いている。定年退職してけっこう月日が経っているので、愛車のデリカを駆って今日もどこかほっつき歩いているかもしれない。YAMA ROOMの常連さんだった。猫大好き人間で、昔は現地からロシア産の猫をもらってきて自宅で飼っていた。ユーモアたっぷりの人で「怪人」や「巻き巻きの君」の命名者だったと思う。他にも「葦余話(足弱)の君」なんてのもあったなぁ。巻き巻きの君とはいい凸凹コンビ。

わたぼうさん

 リンク先の一つに「自然の中で遊びたい!」があるが、そこの開設者。山行回数は多いとは言えないが、南ア付近の武内級の山にいくつも登っており結構な藪山派らしい。いくつかの山については記録を参考にさせてもらった。私やDJF氏とは少し違った視点で記録が書かれており、私やDJFが登って記事が書かれているけどわたぼうさんが登っている山については、わたぼうさんの記事も読むことをお勧めします。


語句の説明

山名事典
 正式名称は日本山名事典。三省堂が出版した日本の山名について書かれた事典である。その前身として「コンサイス山名事典」があったがずいぶん前に廃刊となっていた。2.5万図地形図に山として記載されたものは山名事典に全て記載されており、地形図には記載されていない山も数多く記載されている。全山の緯度経度が記載されているが、これは著者が紙の地形図から定規を使って自らの手で算出したものであり、記載された山は全て地元自治体に読み方等を問い合わせており、ネットで拾ったデータの孫引きは無く、データの正確性は非常に高い(間違いが皆無ではないかもしれないが)。

無線(アマチュア無線)

 アマチュア無線技士(1〜4級)の国家資格を持ち、国に無線局開局申請を行い受理された人だけがやっていい遊びで、ワイヤレスマイクや無線LAN等の免許不要な弱い電波だけでなく1級(最大1000W)〜4級(最大20W)に応じた強さの電波が出せる。ただし、アマチュア無線に使ってよい周波数帯は決められており、山の上では主に144MHz帯、430MHz帯が使われている。電話のように特定の相手と交信するのではなく「聞いている人は誰でもいいので交信して下さい」とのスタンスが一般的。同じ趣味を持った人同士ではあるが知らない人とのコミュニケーションを楽しむことができ、昔は「趣味の王様」と呼ばれ高校や大学等のサークル活動も活発であったが、今となってはコミュニケーションの点ではインターネットに遠く及ばず、アマチュア無線を新たに始める人は激減し、高齢化が進んでいる。10年後には登山界よりも高齢化が進んでいるだろう。市場は先細りで無線機メーカーや雑誌は衰退の一途を辿っている。

 以前は学生時代にアマチュア無線を始め、自分で無線機や周辺機器を作ったりしていた人がメーカに就職し、日本の通信分野(主にハードウェア)の技術力を担っていたのだが、今は学生時代からアナログ高周波回路の設計や製作の経験がある人材は皆無に近く、将来の日本の技術力低下が心配される。

 おまけ情報。登場人物の中にアルファベット3文字の人物がいるが(例えばDJF氏)、これはアマチュア無線界での名前に相当する「コールサイン」の後ろ3文字(サフィックス)を示している。アマチュア無線のコールサインの構成は、プリフィックス(3文字)+サフィックス(主に3文字)で、プリフィックスの頭2文字は国別に決められており、日本はたぶんJA〜JS、7J〜7Nだったと思う。コールサインは全世界の無線局に個別に与えられ、重複することはない。ちなみにラジオやテレビの放送局にもコールサインがあり、プリフィックスの頭2文字はアマチュア無線と同じである。

ルートファインディング
 登山道が無い場所で正しいルートを探し出すこと。もっと正確に言えば道が無くても目的の尾根を正確に追い続けること。これができる人は「ルートファインディング能力が高い」と言われる。藪山登山では必須の技術で、特に下山時に能力の高さが試される。ルートファインディングの名人の領域に達した人でも下りは間違いやすいが、名人レベルだと凡人レベルと違って間違った尾根に吸い込まれても間違いに気付くまでの時間が短い。他人の目印や獣道は目的の尾根上に続いているとは限らず、読図して現在位置を把握しないと痛い目に遭う。

山ラン
 山岳移動ランキングの略。山頂で無線運用を行い、交信に成功した山の数を競う遊びのこと。会員制で2ヶ月に1回のペースで会報が発行され、メンバーの成績が公表される。地形図記載の山ならどこでもいいので、登山道がない山も含めてマイナーな山も登るメンバーもいる。武内さんが主宰者。特に関西では旺盛で、山ランメンバーのささやかな山頂標識がかかっている小さな山が多い。私も以前は参加していた。

YAMA ROOM
 武内さんが運営していたアマチュア無線を利用したBBS(電子掲示板)のこと。当時は今のようにインターネットはなく、一部のマニアが電話代を気にしながら電話モデムでパソコン通信を始めたばかりの時代であり、通話料がタダのアマチュア無線は実用的であった(ただし1200bpsしか速度は出なかったが)。ウィンドウズ登場以前の遙か昔の話なので、端末はNECのPC98やワードプロセッサ(ワープロソフトではなくハードウェアのワープロです)でアクセスし、画像や音楽は取り扱えず文字のみでコミュニケーションをとっていたが、これでも時代の最先端を走っていた。国内ではNECのPC9801シリーズが圧倒的なシェアを持っており、OSはMS-DOSだった。

 そのBBSだが、開設者が山屋なので山屋のための部屋が作られ、武内さんを中心とする常連の書込みが盛んだった。武内さんの「無差別登山」の影響か、中心メンバーも無差別登山者でガイドブックに掲載されない藪山の書込が多く、今のようにインターネットで検索できる便利な世の中でなかった時代には貴重な情報源だった。ただし、UHF帯の周波数で運用されていたので電波が届く範囲は限られており、参加者はほとんどが南関東の局であり、全国規模の情報バンクとはならなかったのが残念である。参加者が遠くの山に行った時の記録を書いたものはいくつかあるので皆無ではないが。

 残念なことに落雷で機材が破損し運用停止となった。でもその存在は伝説として生き続けるだろう(言い過ぎか)。なお、それまでの書込はまだ武内さんが電子データとして保管しているはずなので、希望者にはコピーしてくれるかも。関東のろくでもない山の記録がたくさんあって、藪山派には楽しめること請け合いである。

KUMO、布KUMO
 KUMOはKUMO氏が付けた昔の山頂標識。大きさは高さ4cmくらい、幅15cmくらいの茶色く塗装された木製で文字は白。なぜか署名がKUMOなのでこう呼ばれる。主に関東の山で見られた。昔はあちこちに見られたが、今は数が減って人跡未踏の藪山や小さな里山で登山の対象とならないような山に残っているだけである。これを見たことがあるあなた、藪山派ですね〜。最近はカラフルな柄の布(リボン)にマジックでKUMOと書かれたものに変身し、私が勝手に「布KUMO」と呼んでいる。こちらの寿命は数年と思われる。

達筆標識
 猫好きの某氏が付けた山頂標識。絶対数がKUMOより多いので見たことがある人がいるかもしれない。15cm×10cm程度の大きさの塗装された鉄板でできており、白地に黒文字で山名が書かれ、赤や青で標高が書かれている。裏には「KA」の署名がある(無いものもあるが)。設置場所は関東一円、東北が多いと思われ、比較的マイナーな山が多い。比較的長寿命で標識が木に取り込まれつつあるものもある。

Gさん標識
 群馬県内の山に付けられている手製の山頂標識。付けられていない山は数少ないと思うほど、マイナーな山でも(しか?)見られる。

MWV標識
 M大ワンゲル部が付けた山頂標識。青く塗装したM型のブリキ板なので特徴的で一目で分かる。私が目撃した範囲では主に北関東の藪山に存在し、篤志家しか登らないであろうかなりの藪山でも存在していて、日付を見ると真夏だったりする。ただし、取付年は20年くらい前のものばかりで、少なくとも2000年台のものは見たことがない。たぶん今でも部としては存在しているのだろうが、本格的な藪山では活動していないのかもしれない。

武内級
 知り合いでも武内さんやDJFくらいしか登っていない超マイナーな山。もちろん登山道はない。ネットで調べても登山記録がほとんど発見できない山がそれに相当する。ネットで検索をかけても未だに私とDJFの記録しか出てこない山がいくつかあるが、これも武内級。

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