南ア南部 千枚岳、丸山、東岳、西小石岳、中岳、小赤石岳、赤石岳、百間平、中盛丸山、小兎岳、兎岳、聖岳、小聖岳、南岳、茶臼岳、希望峰 2003年7月31日〜8月3日

西小石岳山頂

 

 7月下旬から8月上旬にかけての9日間は我が社の夏休みだ。夏休みと言っても会社から休みがもらえるわけではなく、有給休暇の一斉取得で全社的に休みになるだけなのだが、使わずに流れてしまう有給休暇の有効利用になるからありがたいことだ。それに例年だと梅雨明け直後の好天で夏山のベストシーズン、アルプスの長期縦走に使っている。

 今年の夏休みはどこへ行こうか悩んでいた。何せアルプスクラスの未踏峰は少なく、まとまって残っているところはほとんど無くて長期でないと登れない山が思い浮かばないのだ。北アの前穂から西穂は下手すれば日帰りできるし、霞沢岳は週末で十分、南アの小太郎山周辺も2泊3日だ。9日間という長期を生かす計画が頭に浮かばなかった。

 そんな中でやっと思いついた計画があった。ただし、私にとっては大変効率が悪い計画で、ほとんどの山は既に登って無線も済ませている。しかし山歩きとしては面白い計画であったし、残っている南ア南部の高山を一掃できるのも美味しいところだ。その計画とは南ア南部3000m峰全縦走だ。3000m峰の未踏は南アでは残っていないが、改訂コンサイスで悪沢岳東部の丸山が追加される予定であるし、同様に小兎岳、小聖岳、希望峰などが追加されるらしい。それにコンサイス記載の西小石岳があった。本計画の核心部分で、私の長年の懸案事項であった。悪沢岳から北に延びる尾根の末端にあり、山ランでも武内さんしか登っていないレアな山で、高度も2800mを越えてお山の大将でも貴重な山である。しかし登山道の記載はなく藪の程度は不明だ。ただし、以前のエアリアマップでは茶色破線が記載されているから踏み跡ぐらいはあるのかもしれない。それに以前武内さんに聞いたときの話では藪はなくてお花畑が続いていたというようなことを言っていたような。

 基本計画は千枚小屋をスタートし、小聖岳を最後に聖沢を下る3泊4日とした。聖沢を下ると長い林道歩きが待っているのでどこかの小屋で泊まって帰りはバスを利用したいところで、それを避けるために下山は茶臼小屋としたいが体力との相談になるだろう。できれば3日目は茶臼小屋と考えた。これなら林道歩きは大幅カットできるし、もしかしたら新規コンサイスに載るかもしれない南岳から運用できるし、希望峰さえ射程距離に入る。

 基本は固まったが問題は天気だ。今年の梅雨明けはまだで、前線が太平洋沿岸に停滞し、インターネットでは休み初日の土曜日は南ア南部付近は雨の予報だった。少なくとも1日様子を見てスタートを日曜日以降に持ち越しにした。ところが日曜日の予報も芳しくなく待機が続いた。さて月曜日から山に入るかと準備を進めていたところ、日曜昼の予報から水木曜日の予報が雨に変わってしまった。これでは後半2日が稜線上で雨に降られるから計画は延期するしかなく、梅雨が明けると予想される8月に大幅に日程修正が必要になってしまった。仕方なく月火は体力消耗が少ない志賀高原でお茶を濁した。水曜日は東京でも非常に不安定な天気でスコールの様な雨が降ったり止んだり。しかし午後から雨は止んで明日の天気予報も若干いい方向に変わっているので、とりあえず畑薙ダムまで出かけて車の中で天候をうかがい、大丈夫そうなら木曜朝から山に入って駄目そうならそのまま車の中で寝て金曜から活動を開始する。ただしその場合は百間平までしか行けず、小兎、小聖は別の機会にやることになる。

 夕方近くに東京を出発し、河口湖ICから東名富士ICまで一般道を走って清水IC(今は静岡市に合併)で降りて井川を目指した。昔は走り慣れた道だが南アはしばらく行っていなかったのでロードマップのお世話になった。梅ヶ島へ向かう県道と分かれて霧の富士見峠を越え、長い道のりを延々と井川湖に向かって高度を下げて井川集落、田代集落を越えればもう少しで畑薙ダムだ。もう少しと言っても20分はかかるが。ダムまであと1.5kmの地点にバス停があって、東海フォレスト送迎バスのバス停だった。あれ、以前来たときにはダムサイトがバス停だったのに。どうやら駐車場対策でここにバス停を移動した様だ。右に入る舗装道路を降りると広い駐車場があった。200台は置けるだろうか、相当な広さである。適当に車を突っ込んでザックのパッキングを済ませ、酒を飲んで寝た。明日の始発バスは8:05、ゆっくり寝られる。0:00就寝。

 のんびり寝ていられると言っても4時半には明るくなるから自然に目が覚める。周囲でも出発準備をする姿も見えるし、次々に車がやってくるから静かに寝られない。結局は5時くらいに起きて飯を食ってザックを外に出し、着替えを済ませてあとはバス停に行くだけの体勢まで整えてザックだけバス停の待ち行列に置いてきて車の中で待機していた。すると7:30には椹島を出発したバスが降りてきたので急いでバス停に向かった。臨時便?が出るようで、最初のバスの最後の1人に滑り込むことができた。ほとんどがパーティーで、定員に1名だけ足りなくて単独行の人いませんかぁとの声があがって手を挙げたのだった。7:43出発。

 ゲートはいつのまにかロープだけでなく頑丈な鉄の扉が追加されていて、管理小屋のおじさんが鍵を開けた。これでは夜間の一般車進入は不可能ではないか。もしかしたら例のダイアル鍵だったら開けられるのだが・・・。やっぱ自転車かなぁ。林道は相変わらず車で走るのに支障がない。解放されたらどれだけ楽だろうなぁ。畑薙大吊り橋、青薙登山口、所の沢からの下山口、聖沢登山口を通過して椹島に到着した。そういえば前回来たときにはどこで降りるか(聖沢、椹島、二軒小屋)聞かれたが、今回は聞かれず有無を言わさず椹島だった。もしかしたら聖沢で下ろすのは止めたのだろうか? 天気はほぼ快晴で上空は晴れ渡っていたが、林道途中の車窓からは聖岳、赤石岳などが見える場所があるのだが、山頂付近は雲に隠れて見えなかった。

 椹島で降りてからトイレを探し、二軒小屋方向に少し行って右手の方に見つけた。宿泊者専用と書いてあったが構わず使ってしまったがいいだろう。広場では記念写真を撮った準備運動をする中高年でいっぱいだ。既に出発していったパーティーもあり、すぐに追いかけた。千枚小屋へのルートは初めてだが藪山ではないから道に迷うことはないだろう。

 林道まで登り返して北上、標識に導かれ林道から分かれて千枚小屋方面の山道に入る。最初から鉄の梯子がかかっている。沢に沿った道で、そこに流れ込む沢を渡っていく。釣り橋も架かっていて、まだ濡れた吊り橋の板に日光が当たって湯気が出ていた。さすがによく整備されていて、笹で苦しめられた2日前の御飯岳と比較にならない。

 今日は平日で山仕事の人の姿も見え、送電鉄塔の下で何かやっていた。山仕事の人の方が足が強いかと思ったらそうでもなく、荷物満載の私の方が早くて追い越すこととなった。

 やがて急な斜面に木の梯子がかかっている場所にさしかかった。もう古くなって腐りかけて滑りやすくなって気を付けて歩いたが思いっきりコケた。しかしザックがでかくて尻餅を付く前にザックの底がついて助かった。災難はその直後にも発生、今度は体を支えるのに岩を触ったら濡れた感触がしたので手を見たら真っ黄色ではないか。これはペンキ塗り立て、マジかよ。それも水性だな。しかしまだ乾いていない黄色の目印はここのみであった。

 樹林帯を歩いていると突如として林道に飛び出した。そうか、地図でも2カ所ほど林道と交差していたな。林道は非常に立派で普通車でも十分走れる路面状態だった。車で入れたらどれほど楽だろうなぁ。少し林道を歩いただけで鉄の階段を上がってまた山道に入った。

 樹林の中は日陰で涼しいことは涼しいが、何せ標高がさほど無いので体を動かすと汗が噴き出し、濡れタオルで盛んに汗をぬぐう。Tシャツも汗ビッショリだ。あ〜あ、早く稜線に上がって天然クーラーに当たりたい。やがて小石下の標識が出現、三角点もあり、木の隙間からガスに隠れた荒川岳も見えた。その手前のピークを越えたところが千枚小屋だったような。まだまだ遠いなぁ。こんな時期でもハルゼミが鳴いていた。苦しい登りが続き休憩を取りたいところだが、まだ半分も来ていないので頑張ろう。千枚小屋まで標高差1600m、いつもの日帰り装備なら休憩無しで楽勝なのだが、4日分の食料込みの幕営装備に休憩は1日のみだから体力の回復も十分ではないのかも。

 熊本高校のゼッケン?をつけた団体が休憩を終えて出発しようというところを追い越した。高校生か、俺よりも元気がいいかもしれない。九州だとえらい遠いところだし、アルプスクラスの山はないから今回の山行は楽しみだろうなぁ。九州は既に梅雨明けしているから山は涼しくていいだろう。この後、つかず離れずで後ろを付いてきていたのだがいつのまにか足音が聞こえなくなっていた。おーい、そんなに早く休んでどうするんだよぉ。俺の方が苦しいんだぜ。

 清水平直下の水場が清水平かと思ってザックを下ろして顔を洗ったり腕を洗ったりしたが、清水平は地図に出ているくらいだから標識がないのはおかしい。たぶんこの沢の水源が清水平だろうからそう遠くはあるまい、再びザックを背負って歩き出した。直後に熊本高校が来たと思ったら道を外れて沢の方に寄っていった。どうやらここで休憩の模様で、こちらは清水平で静か休んだ方が良さそうだ。しかしどうも様子がおかしく、沢を横断してその向こうに行っているではないか。どうも道を間違えているらしく、よほどこっちだぞ〜と教えてやろうかと思ったが、私の姿をみれば分かることなのでそのまま上がって1分もしない内に清水平に到着した。ここで我慢できずに昼飯ついでに休憩を決定、岩の間からこんこんと清水がわいている休憩にうってつけの場所だ。熊本高校はすぐに間違いに気づいて上がってきて、ここでは休まずそのまま通過していった。

 樹林の鞍部に草原状の幕営適地が現れ、蕨段の標識が出てきた。蕨があるかどうかは見なかった。あとで地図を見たら三角点があるはずで写真撮るのを忘れて失敗したなぁと思っていたら、緩く登った小ピークの上にも蕨段の標識が。こっちは静岡県で立てた立派なヤツで、傍らに三角点があった。こっちが地図上の蕨段だった。よかった、三角点の写真が撮れて。もうだいぶ疲れたが、せめて駒鳥池まで頑張ろうと疲れた足にむち打って歩き続けた。

 やがて展望台を通過。ここは樹林の中にあって唯一樹林が切れて展望が開けていて、赤石岳や荒川岳が見えるのだが相変わらずガスの中だった。両者の鞍部にある荒川小屋の赤い屋根はよく見え、千枚岳と丸山の鞍部も見えている。千枚小屋は見えるわけ無いけどまだ遠いだろうなぁ。

 ツガの深い樹林が延々と続き、ゆっくりと登っていく。突如として右手の樹林の中から車のエンジン音が聞こえてきた。地図で見るとこの付近まで車道が上がっているのだ。たぶん千枚小屋の荷揚げの車だろう。しかし人が苦労して歩いているところで車の音が聞こえるのは穏やかではない。音が聞こえないくらいの所に車道を造ってくれれば良かったのに。それか車道終点までバスでも走らせてよ。

 ようやく最後の休憩ポイントの駒鳥池に到着、休もうかと思ったらいっぱい人が休んでいるのでパスすることにした。単独行ばかりやっているとどうも人が多いと休む気にならないなぁ。池は少し下ったところにあったので行かなかった。ここまで来たら小屋まで標高差で200mを切っているはずで、通常なら30分程度で行ける労力だが、今の疲労度から言えば1時間は覚悟が必要かなぁ。歩いていればいつか必ず到着するし、歩かなければいつになっても到着しないから歩くしかないなぁ。

 苦しい登りの中でやっと千枚小屋の発発の音が聞こえてきた。この音は結構近づかないと聞こえないから小屋間近のサインだ。小屋の緯度経度は調べていないからGPSで正確な距離を知ることはできないが、最後の気力を振り絞って歩いた。幕営らしいおじさんを一人追い抜いて久しぶりの千枚小屋に到着した。

 小屋の真新しさは全く変わらないように見えピカピカだ。表のテーブルでは何人もの人が休んでいる。これは椹島から出発した人か、それとも荒川小屋発の人だろうか。たぶん本日畑薙ダムの人では私がトップだろうな。テント場は小屋から離れていて少し奥にあるので、まずは手続きをしてからテントを張ることにし、\600を払ってテントにくっつける「お札」をもらったが、店番は見に行かないからテントにくっつけなくていいですよと言っていた。あの距離があるのでチェックに行くのが面倒なのだろう。でも200mくらいだと思うけどなぁ。

 水場の記憶がイマイチ無かったが、トイレの手前にあった。やっぱここじゃ水浴びはできないな。前回の時は千枚岳から下ってきて、小屋の手前に流れていた沢で水浴びをしてから小屋に行ったので、以前の山行と同じく、お花畑の上にある沢で水浴びをした。水量はそこそこあるのでタオルを洗うのに支障はない。これでさっぱりできた。やっぱ南アルプスはこれがあるから北アよりいいんだなぁ。

 テント場は20張くらい張れるスペースがあり、今は私のを含めて5張りだけだった。大パーティーのテントからはできるだけ離れて張るようにし、静粛性を確保する。学生は元気でうるさいからなぁ。雨が降るかどうか分からないが、降ってきたときに備えて木の下を選ぶ。もちろん水が溜まったり流れた形跡がない場所だ。

 今回はAMラジオがよく聞こえるよう、ロングワイアーを持ってきた。VX-5はAMラジオも聞こえるが、144/430用ホイップアンテナだと全く聞こえないので、適当な導線を中心導体につないでAM代用アンテナにするのだ。本当はバーアンテナか何かがあればいいのかもしれないが、導線なら準備するのが簡単だし。片方を木に縛って片方をVX-5につなぐと59でFBに聞こえた。

 さてこれで一安心。しかしVX-5はラジオを聞くだけでも電池消耗が馬鹿にならないので、テントの中で使う場合は予備のリチウムイオン電池にしよう。自作の電源ケーブルを電池につないでリグに接続しようとしてろくでもないことが発覚、もう一つの接続ケーブルを忘れてきてしまったのだ。これにはガックリきた。私の電源コネクタはJR1NNLと統一してラジコン用2極にしているが、このコネクタとVX-5の電源コネクタに変換するケーブルを忘れてきてしまったのだ。VX-5の外部電源電極はφ3.5mmくらいの丸型だから適合するコネクタが無い限りはここから電源を供給するのは無理だ。次に考えられるのがバッテリーパックの電極に配線を直結する方法だが、なんと電極に+-極性表示がされていなくてどっちにつなげばいいのかわからない。下手をして逆接するとリグを壊す可能性もあるので確率50%に賭ける勇気はなかった。このままでは手も足も出ないが、一つだけ応急処置法が頭に浮かんだ。それは乾電池運用用の電池ボックスのバネに配線を直接つなぐ方法だ。電池を入れるから電池極性が書いてあるので間違える心配はない。確実な方法なので覚悟を決めて2極コネクタの根本からむりやり力をかけて配線を引きちぎり、被服を剥いて電池ボックスに接続しておそるおそるスイッチを入れると見事動作した。あ〜よかった、リチウムイオン電池の重量が無駄にならずに済んだ。明日の天気予報は芳しくなく曇り一時雨、段々良くなる予定だったのが今年はおかしいぞ。

 夕方もガスったままで上空の様子は分からなかった。山だけ雲に覆われているだけならいいのだが。夜間に小便で起きて外に出たら満天の星空で一安心できた。

 朝は5時前に出発、上空は多少曇っているようだが雲の高さは高く雨が降る様な兆候は感じられない。静岡中部の天気予報は曇り一時雨となっているがそれよりはいいようだ。しかし日が上がってきて明るくなってくると青空になってきた。薄い雲は出ているがほぼ青空のいい天気だ。ただ高度を上げて森林限界を超えて視界が開けると荒川東岳山頂周辺はガスに隠れていた。

 出だしのお花畑のみ足に触れる草があるので出発時にロングスパッツを装着、出で立ちはいつものようにTシャツに半ズボン。これでも寒くない程度の気温だ。結果的にお花畑はスパッツは不要ですぐに外した。この先はすぐに森林限界になるのでスパッツの出番はない。昨日の疲労の影響があるか心配だったが、足は軽くはないがやけに重いこともなく、いつもと同じに歩けそうな感触だった。

 千枚岳直下から長蛇の列で細い道を追い越すことができず亀の歩みに変わってTシャツ半ズボンでは体が冷えるほどになった。しかし予想通り千枚岳でみんな休憩に入ったのでやっと進路がクリアになる。千枚岳山頂は既にQSO済みなので写真だけ撮影して先を急ぐ。なんたって今日は西小石岳が待っている。赤石岳山頂付近は雲の中、悪沢にもガスがまとわりついている。丸山はガスの境界線上だ。青薙、稲俣、布引、笊ははっきり見え、北を見れば塩見に僅かに雲がかかっているが間ノ岳はすっきり晴れている。わずかに北岳もとがった頭を出している。北ほどいい天気らしいな。

 千枚岳から丸山の登りまでは痩せた岩稜の尾根だが、南側を巻いた道が付いているので問題ない。丸山は回り込みながら高度を稼ぐ。蛍光色の赤いザックカバーの主が歩いているのが遠くからもよく見える。南から風が吹き上がってくるが、さほど強くないので寒さも感じない。あまり疲労感を感じることもなく最初の目的地、丸山に到着した。

 山頂には蛍光色のザックカバーの主が休んでいた。なんと帽子にはコールサインが、無線屋さんだ。これはラッキー、この人とQSOすれば大幅時間短縮ができる。今日は平日、しかも早朝だからCQを出してQSO相手を引っかけるのは苦労する。訳を話して2mで奥の手QSO、この人は非常用に無線機を持っているだけで普段は山では使っていないとのことだった。再コールのJA1だった。もうJAも再コールに回っているのだな。おじいさんだが7コールで1エリアでコールを取ったが、JAが再割り当てされるとのことでそっちのコールを流してわざわざ取り直したそうだ。その他にJA7のコールも持っていて、帽子はそっちのコールだった。

 これで大幅に時間節約ができた。次は最大の難関? いや、難しくはないかもしれないが、行く機会が少ない西小石岳だ。丸山から西小石岳の稜線がガスの下に見えていたが、なだらかな傾斜でどこまでも下っていた。あのどこかに山頂があるんだな。

 悪沢岳に近づくとガラガラの岩が続くようになり、確かこんな山頂だったなぁと記憶がよみがえる。あの時はリグに空電が入って焦りながらQSOしたもんだなぁ。今は上空はきれいに晴れているが稜線のみガスがかかって雷の心配はないだろう、だって前と違ってまだ朝だし。


東岳から西小石岳の尾根を見る

尾根の様子。西半分(左側)は藪がない

 2度目の悪沢岳山頂に到着、前回はまともな山頂標識がなかったが、今では静岡県で立てた立派な標柱がある。写真撮影は後回しにしてアタックザックに雨具と6m装備を詰め込んで西小石岳に向かった。山頂から丸見えだったら道から外れた尾根は歩きづらいなぁと考えていたが、うまい具合に影になって見えない。少しの間は岩が続き、次はお花畑の始まりだ。その中に踏み跡が見られる。最近歩かれたものではないが心強い。西小石岳の稜線は、今のエアリアマップでは道は描かれていないが、数年前の物には茶色の破線が描かれていた。もしかしたら踏み跡があるのかと少しだけ期待したが、背くことはなかった。
できるだけ植物を踏まない様に気を付けながら歩く。

 この尾根は、おおよそ東半分がハイマツの海で西半分がお花畑と岩稜帯なので、できるだけ西の縁を歩いた。踏み跡は時々分からなくなるがほぼ西側に付いているようだった。ほとんど人に見られることのないお花畑はなかなか見事だった。山ランメンバーでは私と武内さんしか見ていないはずだ。踏み跡だけでなくたま〜にケルンまであった。ここはコンサイス記載の山で地形図には無いはずだが、こんな所に来たのはどんな人物だろうか。まさかこの踏み跡は下からずっとあるわけではないよなぁ?

 悪沢山頂からGPSで計測した西小石岳山頂までの距離は約1.8km、標高差は約300mあるはずで、帰りは1時間、行きは40分くらいだろうか。傾斜は緩いがガンガン下ってもったいないったらありゃしない。前方にはいくつものピークが見えるが、残り距離から推測するとそれらピークよりもっと下で、ガスに隠れた中にあるようだ。途中、2重山稜になるが西の尾根を選んで歩く。こりゃ完全にガスられたら要注意だ。次から次へと小ピークに登るがまだまだ距離はゼロにならない。もう少しというところで再び2重山稜、また西側を選ぶ。どうも踏み跡は右側の尾根に付いている様な気がするが、それではハイマツの海に突っ込むんでしまう。しかし進んでいくと右側の尾根の高まりが山頂であるとのGPSのお告げで、どうしてもハイマツを越えなければ無くなり、足が地面に着かないようなハイマツ帯を20mほど泳いだ。やっぱ踏み跡通りの方がよかったなぁ。GPSは嘘をつくことはなく、そのピークには三角点が鎮座していた。やったー、ここは間違いなく希少価値の高い西小石岳山頂だ。

 予想通り山頂標識の類はなく、三角点がないと山頂とは判別できない。周囲と比較して特別高いわけではなく、遠くから見てもこれが山頂とは分からないだろう。こんな地形だからGPSは大いに役立った。逆にGPSがないと途中のピークも山頂ではないかと疑心暗鬼になって手当たり次第登らなくてはならないかも。さすが文明の利器だ。山頂にはお茶のペットボトルが落ちていた。

 さて無線だ。平日だから430の方が確率は高いがせっかく6mを持ってきたのだからやってみることにする。今の時期なら平日でも相手がいる確率はある。もちろんその前に430で一声は忘れず、期待を込めてJP2WBWを呼んだが応答はなかった。メインを付けっぱなしにして6mでCQを出すと津市のいつも呼んでくれる局からお声がけがあった。よかったぁ。続いてJA1PVIとQSO、今日は直行で出張だそうでゆっくり家にいられて出かける前にワッチしたそうだ。まさか2局もQSOできるとは思わずうれしかった。ただし、やばいことに6mでは空電ノイズが聞こえているではないか。これはちょっと急がないと。

 さあ、今度は悪沢岳向けて長い登り返しだ。できるだけ踏み跡を忠実に辿ることにし、三角点峰直下のハイマツ帯も踏み跡を辿った。するとハイマツの幹の上に踏み跡が続いていた。やっぱ刈り払いはないよね。東餓鬼岳の踏み跡もこんな感じでハイマツの幹の上に踏み跡があったっけ。

 ゆっくりと尾根を上がっていると今年初めて雷鳥を目撃、メスの親1羽に子供が5羽程度いた。親がクークー鳴いていたので存在が分かったが、あの保護色では見た目はほとんどわからない。デジカメで写真を撮っても存在が分かるかどうか。子供はだいぶ大きくなっていた。ちゃんと逃げるからこの辺りはほとんど人が来ないことが分かる。北アの雷鳥なんか人間を見ても全然逃げないからなぁ。

 お花畑を過ぎて岩稜帯に入り悪沢山頂に戻った。山頂周辺のみガスは消えているが周囲は雲に覆われて相変わらず遠望はない。今朝千枚小屋を出発した連中は既に通過してしまった様で、山頂はほとんど人はいなかった。そりゃそうだ、こっちは3時間近く西小石岳往復に費やしているのだから。さて、追いつけるかな? 別に追いつけなくてもいいが、にわか雨が来る前に百間洞までたどり着きたい。

 次の無線運用は百間平なので、しばらくは歩くだけだ。次の中岳はガスの中で全く見えない。地図を見るとあんまり下らなくて済むように見えるが、鞍部手前までくるとあんな所まで下るのかよぉと苦情を言いたくなるほど落ち込んでいる。最低鞍部には団体さまが休んでいる様子が見える。よかったぁ、休んでいてくれて。また渋滞では困るぞ。

 実際に最低鞍部を歩いてみると、見た目よりは標高差はなくやっぱ地図の通りかなぁと実感、しかし底から東岳方向を見上げると壁だ。あんなに下ったのかなぁ。中岳の登りは東岳の下りと違ってまあまあ緩やかで、避難小屋直下で急になりガスの中から久しぶりに目にする避難小屋の姿が浮かび上がった。おー、確かにこんな形の特徴ある小屋だったな。ここは避難小屋となっているが有人で、飲み物とかも売っている。普通の小屋とどこが違うのかよく分からない。もしかしたら飯が出ない?

 中岳は避難小屋の少し先で、標柱と三角点が立っていた。ここも山ラン申請済みなので通過する。前方の前岳は霧の中で、立ち寄ってもいいのだがもう2回も山頂を通っているので今回はパスし、高山裏、荒川小屋分岐点を南に下った。分岐点にはいくつもザックがデポされているから、荒川小屋方向に下る人がピストンしているのだろう。

 登山道は尾根を外れて東側の斜面を辿る。この斜面は、今回のコース中で最も広いお花畑が広がっている。残念ながら花の種類は分からないが、白や黄色の花が咲き乱れていて、面積としては北海道の大雪山系のお花畑に引けを取らないだろう。盛んに写真を撮影している人の姿を見かけた。

 この斜面を下っていると、男性4人の幕営装備を背負ったパーティーが前を歩いていた。ところがなかなか足が速く、私の下りのスピードでも間が詰まらないのだ。この連中、ただ者ではないな。私は水場で休憩したが、彼らはほんのちょっと立ち寄っただけで荒川小屋へと歩いていった。私は東岳から休み無しで歩いているのでそろそろ限界、空腹も感じているので水場で休憩だ。記憶によると荒川小屋の水場は小屋のすぐ近くではなくちょっと下ったところにあった様な感じがし、もしそうなら目の前に水場があるここで休憩した方が労力はかからないし、他に休んでいる人もいないのでのんびりできる。もちろんペットボトルも水で満タンにした。

 10分ほどの休憩で出発、人で賑わう荒川小屋は通過、早くもテントを設営しているグループがあった。あれはたぶん昨日千枚小屋で幕営していた高校生?グループだろう。夏休みがある連中は優雅な日程だよなぁとうらやましく思った。幕営4人組は昼食中だった。

 少しの間風通しが悪い樹林を歩くが再び森林限界を突破して気持ちのいい斜面歩きになる。もう少しで大聖寺平というところで、丸山山頂でQSOしてもらったJA1AQB佐々木さんを追い越した。また5分くらい話して休憩となってしまったが。埼玉の友人が山から出てる人を追っかけるのが好きらしく、この辺でもつながるかと聞かれたが、ここなら1エリアは問題ないことを教えてやった。なんせ3000m峰だったら関東どころか関西でさえQSOできるのだから。

 大聖寺平ではおばさん4人組が休憩中、小赤石に登っている人も何人か見える。小赤石山頂はガスの中で見えないが、GPSで残りの距離と標高差がわかるのでペース配分が考えられる。森林限界だとGPSは4次元計測が可能なので高度は正確、非常に助かる。一方の腕時計型高度計は、平気で200mくらいの誤差が出るので全く信用できない。もう購入して10年近く経過するのでセンサー部がおかしくなったのだろうか。

 大聖寺平では、休んでいたおばさん4人組と水場で前後していた男性の幕営4人組とほぼ同時スタートになり、私が先頭で次いでおばさん、おじさんの順だった。たまに振り返りながら登ったがおばさんパーティーは徐々に遅れだしておじさん組に追い越された。最初は私とのさも差はあまり無かったが、いつのまにかおじさん組も休憩に入った様で見えなくなってしまった。

 登っている最中に、本日2組目の雷鳥目撃。今度も母親+子供だったが子供はまだひよこ大だった。道をはさんで反対では雷鳥の成鳥が砂浴びしていた。それも登山道のすぐわきで私との距離は1mも無かっただろう。よほど人慣れしているのか、それとも子供を逃がすために人間の気を引きつけているのだろうか。

 やっと傾斜が緩むと小赤石山頂の肩で、ほぼ水平移動で小ピークを越えるとガスの中の小赤石岳に到着。GPSの高度も位置も誤差数mでピッタリだった。位置は武内さんの計測精度だが。ついでにここから赤石岳までの距離を見ようと「AKAISI」を選んだら距離が141km! そうだ、急遽南アから志賀高原に行き先を変更したとき、赤石山の緯度経度に書き換えてしまったのだ。地図では小赤石岳には三角点があるようだが、探してみたが見あたらなかった。小赤石岳はQSO済みで無線の用事はない。昼飯を食いながら小休止して、本日最後の登りである赤石岳に向けて出発した。

 懐かしの赤石小屋分岐にはデポしたザックがいくつか、この連中は千枚小屋を出た人だろう。ほとんどの人はここから聖に向かわずに赤石小屋経由で椹島に下るからな。稜線にかかっていたガスが急速に晴れて赤石の山頂が現れた。意外に近いな、そりゃそうだ、ここはもう3000mを越えているのだから。尾根筋の道を一歩一歩ゆっくりと登り、1等三角点の鎮座する赤石岳山頂に到着だ。これで山頂に立つのは3度目、最初の時は天気は良かったような記憶があるが、もうガスが上がって展望がなかったかも? それともすっきり晴れていただろうか。2回目は雨に降られたことを鮮明に覚えている。今回はガスで覆われて展望はないが雨が降る気配はない。ここも無線の必要はないが大休止するのでVX-5を取り出して430で一声だし、おまけに6mをむりやりワッチすると、144/430のホイップアンテナでもSSBのモガモガが聞こえるではないか。強力な局が出ている証拠だ。さて百間平に到着するまで出ていてくれるといいのだが。QSO相手を確保する時間が節約できる。

 こっちが出発しようと言うときになって、幕営おじさん4人組が到着、代わりに大休止に入った。これは私と同じく百間洞で幕営だな。メンバーの一人はTシャツに「茨城・・・・」の文字があったから茨城県から来ているのだろう。ご苦労様。さてこちらは出発だ。山頂から百間平までの距離をGPSで見たら2.2km、まだまだ先は長い。

 避難小屋横を通って西に延びる尾根を歩く。最初は割となだらかな岩屑の尾根だが、やがてジグザグしながら急激に高度を下げていく。ガラガラの斜面が終わるとハイマツのなだらかな尾根に変わり、そろそろ百間平も近いかなとGPSを取り出して測定してみると1.3kmもあってがっかりした。まあ、GPSがなかったら真実が分からなくてもっとがっかりするだろうが。

 ハイマツの枝を触ったら埃の様な物が舞った様に見えたので、まさか花粉では無かろうかと花が咲いている別のハイマツで試してみたらやっぱり埃の様なものがでた。花粉に違いない。しかしさっきからハイマツの枝は頻繁に体に触れて花粉を大量に浴びているはずだが、杉花粉症とは花粉が違うから関係ないらしい。

 百間平まで少しの下りか水平移動だけだと思ったら緩やかに登りがあった。まあ百間平なんて名前だけどピークなのだから当たり前だけど疲れた。見覚えのある平らな場所には所要時間の入った標柱が立っているが、百間平の文字はなかった。しかしここが一般的に百間平と言われている場所だろう。しかし山頂ではない。GPSで確認すると前方左手の石の重なったピークらしい。ここでザックをデポしてアタック装備でピストンする。百間平山頂までは踏み跡は無いが、稜線上には邪魔になる様なハイマツはほとんど無く、適当に歩けば到着できる。最短距離をとって斜面を直登しようとするとハイマツ漕ぎだけど。

 百間平は石が散らばったピークで、標識類はいっさい無かった。たぶん山ランメンバー以外は来ないよなぁ。頭上付近のみ晴れて直射日光が照りつけ暑かった。430で一声出したが応答はなく、毎度のごとくメインを付けっぱなしにして6mを設営、CQを出すと富士吉田の局から応答があった。助かった。この局は赤石岳でVX-5で6をワッチしたときに三重県の移動局を呼んでいた局だった。これで無線はおしまい、ヘンテナ撤収。幕営おじさん4人組は、運用中に百間平の標柱のところで休憩し、アンテナを片づけている途中で出発していった。また追い越された〜。

 デポしたザックを回収し、おじさんを追いかけた。もうこれで本当に登りはないので気分も軽く、順調に高度を下げて百間洞幕営地に到着した。そこには看板があり、幕営場所は小屋が指定するから受付を済ませてからテントを張るようにとの趣旨が書かれていた。場所指定なんて初めてだなぁ。でも、たぶんこれはタダでテントを張るヤツに対する警告の意味だろう。百間洞山の家とテント場は千枚小屋以上に離れていて、小屋番だってここまでチェックしに来るのは大変だろうから。案の上、現実は場所を指定されることはなく、開いているところでOKだった。そりゃそうだよな。

 大ザックはテント場に置いて、アタックザックに水筒を入れて小屋に向かった。飲料水は小屋脇の蛇口で、たぶんそうであろうと水筒を持ってきて正解だった。\600也。テント場下を流れている沢でも水質に問題ないだろうがまあいいか。その沢で水浴びしてさっぱりしてからテント場に戻り、テントの虫干しをしてから中に入った。なお、テント場は2カ所に分散しており、小屋に近い場所に3張可能、残りはもっと高いところである。でも無茶苦茶離れているわけではなく数分で行ける距離だろう。

 天候は相変わらずのガスであるが、AMラジオを聞いても空電ノイズは入らず、朝方よりも安定している様だ。この分なら雨の心配はないだろう。歯を磨いてアルコール度数97%のウォッカを水で割ってささやかな宴会。ほとんど純粋なアルコールに近いので少しだけ持っていっても長期縦走に耐えられる。軽量化が可能な画期的な酒だ。でも香りはちゃんと独特のものがあっていい味だ。今回は275cc持っていったが3日間で消費しきれなかった。

 夜中起きると満天の星空、明日こそガスがわかないで大展望を期待したい。

 3日目の朝は満天の星空だったが、明るくなってから薄い雲が出てきたもののいい天気だ。聖岳の山頂近辺はガスの中だが中盛丸山はガスはかかっていない。このまま聖のガスが消えることを期待しよう。テントを畳んで小屋に札を返し、大沢岳の巻道に入る。大沢岳はQSO済みなので今回は立ち寄らない。出だしから道を間違えて聖岳展望台に行ってしまったが、すぐ行き止まりなので被害は少なかった。

 中盛丸山と大沢岳の鞍部までは、根曲がり木と化したダケカンバの樹林だ。冬季の積雪が多いのだろう。尾根を乗り越えるところで中盛丸山の姿が現れる。こんもりとして常念岳を思わせる姿だ。斜面をトラバース気味に登って大沢岳からの縦走路に合流、ザックが一つデポしてあるから大沢岳ピストンであろう。晴れていた大沢岳にはいつのまにかガスがかかりはじめていた。赤石岳はずっと雲の中だが中盛丸山にガスはかかっておらず、先行の登山者2人が見える。たぶん中盛丸山で休憩するだろうからそこで追い抜けるか。QSO済みなので小兎岳まで直行の予定である。登っている途中からガスに覆われてしまい、山頂から写真を撮ろうとの計画はダメになってしまった。

 中盛丸山山頂には標識はなく、ケルンに棒が立っているだけだった。以前来たときにもこうだったかな? でも山頂には間違いなく、小兎に向けて下りはじめた。予想に反して先行者の姿はなく、休憩無しで歩いていったらしい。おぬし、なかなかの健脚だな。

 下りは主稜線は通らずに西側の尾根を下ってから稜線に乗り移る。主稜線はゴツゴツした岩の連続で危険だからだろう。最低鞍部手前でやっと先行者を追い越した。おじいさんにおばあさんの年齢層だがえらい元気だ。日当たりのいい尾根の影で一服中だった。

 さあ、小兎岳の登りだ。まだ出発してから2時間も経過していないので足取りも軽く、順調に高度を上げる。山頂まで数10mの地点で下ってくる若者がいた。この時間では聖平から来たのではなく兎岳避難小屋発だろう。聞いてみるとその通りで、小屋のボロさよりも雰囲気の怖さを強調していた。遭難慰霊碑かなんかが小屋の中にあって、夜になると物の怪が出そうな雰囲気で怖かったという。JO1FFY小林さんは台風でここに閉じこめられたはずだが、怖かったという意味の書込はなかったので初耳だった。

 それからすぐに小兎岳山頂だった。これから向かう兎岳はガスに覆われて見えなかった。中盛丸山は再びガスから頭を出しているが、赤石岳はやっぱりガスの中だった。さあ、土曜日の今日は6mでも簡単にお客さんが捕まるし、奥積さんも聞いているだろう、期待しながらCQを出して2局目にJG1OPH/1とQSO、その情報によりJP2NJS/3吉野郡高見山と59-59でQSOした。いつもながら吉原さんの話は長く、待っている間に体が冷え切ってしまった。高見山は上天気だとのこと。でもあの標高だと暑くなってくるぞ〜 その他の情報としてJG1MIT山下さんが鳳凰3山薬師岳から出ていたという。もしかしたらペディションアワードの関係で観音岳しか無線をやっていないのかもしれない。だとすると午後は地蔵岳かな?

 約1時間小兎岳に滞在し出発、何人にも追い越されたが聖岳までに追い抜き返すことができるか。聖山頂までは休憩無しで歩くつもりである。兎岳山頂はやはりガスのままで、写真を撮っただけで通過、鞍部に向かって下っていく。聖の鞍部付近の南側斜面は大規模に崩壊しており、道は北側を巻いている。こんな荒れ地でも高山植物が咲き誇っている。

 最低鞍部付近で先頭集団をまとめて追い越した。ガラガラの絶壁をどうやって登るのだろうかと心配したが、ガレの脇からちゃんと安全な道があった。当たり前だけど。やっと傾斜が緩んでくると森林限界を超えてアルプスらしい雰囲気に戻る。ガスに覆われて山頂は見えないが、GPSのおかげで現在の標高と山頂までの距離はバッチリ分かるのは助かる。山頂に近づくとガスが薄れてきて、標柱が立つ山頂が見えてきた。どういうわけなのか今回の山行では山頂付近のみガスが流れていないが、周囲はガスに覆われて遠望はないパターンが多い。

 赤石岳に続いて3度目の聖岳山頂だ。山頂で休んでいるのは10人くらいで思ったより少ない。聖小屋からピストンした人達はほとんど下っていったのだろう。少し南風が吹いているが寒さを感じるほどではなかった。古い標識跡だろうか、山頂標識から離れて木の柱が立っていたので、それにDPを結んで6mの運用だ。本当は無線はやらない予定だったが、時間的に聖で休憩が必要だし、吉原さんが聖でQSOしたいと言っていたので運用することにした。ただ、吉原さんはいつも早い時間で撤収してしまうので間に合うかどうか心配だったが、なんとか間に合って1エリアの局が呼んだあとにコールしたら取ってもらえた。その後JA3WPNから声がかかり、吉原さんは撤収とのことでその周波数を借りてラグっていた。平日も50.190をワッチしてくれていたそうで頭が下がった。

 昼飯も食って次の小聖岳に向かって出発。本当は東聖岳にも立ち寄ろうとしたが、どのみち白蓬ノ頭に行くときに通ることになるから今回はパスだ。白蓬ノ頭は奥聖からの往復にするか、それとも奥聖から聖東尾根を下るか悩むところだ。ここも武内さんしか登っていない貴重な山である。私にはこんなところを冬に登る元気はないから藪覚悟で無雪期に登る以外方法はない。

 聖の下りは急斜面をジグザグについた道を歩くので効率はいい。この傾斜でこの地形だと積雪期には雪崩の危険性が高くてここは使えないだろう。だから白蓬ノ頭経由が冬季ルートなのだろう。小聖岳の山頂はどこにあるのかよく分からないが、たぶん標識があるだろうと思いつつもGPSで確認してみることに。ところが小聖岳のGPSデータを呼び出すとなんと西に3.34kmと出た! 小聖が西にあるわけがなく、ほぼ真南のはずだ。これは明らかに緯度経度データの入力ミスだ。くっそ〜、今となっては正しい緯度経度を調べるすべはなく、最初は諦めていたが、よく考えると間違っているのは経度、しかも普通ならそのうちどこか1桁が±1か±2ずれているくらいだろう。経度を見ると138度06分26秒、km単位で位置がずれるのだから分の単位に違いない。しかも西にずれているから経度はもっと大きいはずだ。ということは06分よりも大きい数字で、ありがちな間違いは6と8を見間違っていること。そこで138度08分26秒に変更すると、予想が当たってほぼ真南方向に230mと表示された。小聖は藪山ではないからGPSが無くても支障はないが、やっぱあると安心できる。

 小聖に向かう尾根に乗る前、絶壁の終わるところに水場がある。前に来たときには水は流れていなかったような気もするが、今回はちゃんと流れていた。聖小屋で水を補給してもいいが、あそこは縦走路から多少離れているからこっちで水補給した方が労力はかからないのでこちらで済ませることにした。ここは秋も水が出ているのかなぁ。白蓬ノ頭をやるときにはここの水場は重要になりそうだ。

 小聖岳はまだ森林限界で、ちゃんと標識が立っているから見落とす心配はない。無人だった。無線は6mをやりたいが、森林限界だからヘンテナを立てないといけない。しかし組み立てが面倒なので、無人なのをいいことにDP の片方を山頂標識に結びつけて運用した。幸い、1局QSOするまで無人のままだったので助かった。たかが5分でもアンテナ組み立ては面倒だなぁ。

 さあ、次は南岳だ。ここは新コンサイスに記載されるか分からないが、もし記載されたらまた来なくてはいけなくなるので保険のためQSOしておくことにする。通常の体力なら南岳まで休憩なしで歩けるがさてどうなるか。なお、一般人の場合は百間洞で幕営した翌日の幕営地は聖平であり、私の様に茶臼小屋まで行くのは珍しいはずだ。

 薊平に向けて高度を下げ、便ヶ島分岐点の薊平に到着した。薊平はその名と違って薊はほとんど無くてガクブキ(山岳に生える蕗?)の群生であった。蕗のくせにして黄色い立派な花が咲いている。蕗の花と言えばフキノトウだと思ったが。途中にあった看板では以前はニッコウキスゲの群落もあったそうだが鹿の食害で絶滅したらしい。どこも鹿が増えているようだ。

 緩やかに下っていくと聖平分岐に到着、小屋はさほど遠くないがこのまま南岳を目指すことにする。縦走3日目に入り疲労が溜まって登りはつらく、一気に歩行速度が落ちる。樹林の中で日差しがないのは幸いだが風もないから汗が出る。やっぱ聖平くらいで幕営するのは正解だなぁ。でもそんなことしたら希望峰が残ってしまうし、聖沢を降りたら長〜い林道歩きになってしまう。我慢して登るしかない。「牛歩戦術」で亀が歩くが如くのゆっくりしたスピードだが、休まないように歩き続けた。一度休んでしまうと頻繁に休みを入れるようになってしまう。急な登りはつらかった。森林限界を超え、崩壊地の縁を歩くようになると風通しも良くなって多少調子が出てくる。疲れている場合は天気がいいよりも今日みたいにガスって日差しが遮られ涼しい方が助かる。

 やっとのことで南岳に到着、ここは標識はあるのだが南岳の文字はない。まあ、コンサイスにも掲載されていない山だからなぁ。でもここから先は下っているから山頂に違いない。南岳、希望峰はご愛敬と思ってGPSにデータは入れてこなかった。さすがに疲れ果てて大休止が必要で、無線ものんびりできるだろう。山頂付近はなだらかで、標識がある場所よりも北側にも刈り払いされた広場があるのでそちらに座ってヘンテナを組み立てた。ワッチすると土曜日のくせにやけに静かでCQが聞こえない。弱い信号でCQを出している局がいて移動先を確認すると鹿島槍だという、これは呼ぶしかない。JA1XB/0、こちらと同じくピコ6にヘンテナだったので53でしか聞こえなくてもちゃんとQSOできた。その後奥積さんがXBを呼んできたので、QSOし終わって周波数を移ってもらってQSOした。最新情報では山下さんは鳳凰三山地蔵岳の運用を終わって下山だかテントに撤退だとか。日帰りか? 7M3LKF図子さんは上州武尊とのこと。どこから登ったのだろうか、行くのが分かっていれば前武尊からのコースを勧めたのだが。楽して2000m峰5山が稼げる美味しいコースだ。

 山頂での無線意外の出来事が一つ。昨日の幕営4人組のうち一人が、ヘンテナ組み立て中に空身でやってきた。昨日、赤石岳のてっぺんで話したときに、翌日の幕営は聖平で、聖沢を下ると言っていたが、一人はその日の内に上河内岳をピストンすると言ってたのだが、その人だ。ということは他のメンバーは今頃テントの中で昼寝中か。上河内岳にこだわるのだから間違いなく200名山マニアだな。南岳での運用を終えて出発し、上河内岳との中間地点付近ですれ違ったが、200名山中196山達成、残り4山だそうだ。ありがちなパターンで残りの一つは笈ヶ岳、あと3つは北海道だそうだ。北海道は金と時間さえあれば登れるが、笈ヶ岳は残雪期でないと難しい。200名山で残雪利用が不可欠な山は他にあるのかな? 私もいつか登りたい山である。

 約1時間の休憩で南岳を出発、本日最後の登り、上河内岳分岐に向けて歩き出した。出だしは下りで上河内岳に近づくと急激に登る。その途中ですれ違った人の帽子に「三重県津市 山ねずみ・・・」と書かれたのを見てはっとした。この文字、山頂標識で見たことがある。大きさは縦3cm横7cmくらい、白いプラスティック板に黒い文字で書かれており、「三重 津 山ねずみ」の印刷があるやつだ。三重県内の辺鄙な山で見かけるし、他でも見たことがある。その関係者だろうか? 声をかけ損なってしまったが、今考えると話しかけておけば良かったなぁ。「山ねずみ」が個人名なのか団体名なのかも分からない。

 上河内岳の登りは思ったよりも少なく、バテない内に分岐に到着、しかし上河内岳は既にQSO済みなので今回は立ち寄らなかった。前回登ったときは濃いガスで何も見えなかったが、今回はガスは流れているもののガスっていない時間帯もあり、時折山頂の姿が見えた。みんな空身でピストンするんでいくつもザックが転がっていた。

 これでもう登りはない(と思っていた)。あとはただ歩けば小屋にたどり着けると考えると足取りも軽い。道の両側に岩が立っている竹内門を通過、花はほとんど見られないけどお花畑と名の付いた盆地状の場所を過ぎると登りが出現、最後にアルバイトを強いられた。確かに地図を見るとピークがあってその西を巻く様に登るんだよなぁ。これは一番疲れた。ようやく茶臼小屋の分岐点に到着し、元気があればアタックザックで希望峰往復と考えていたのをあっさりと諦め、明日朝に運用することにして茶臼小屋に下った。

 小屋はかなり離れているかと思ったら標高差にして100mしか下っていないところにあった。これなら明日の登り返しも大丈夫だろう。8年くらい前に幕営しているはずだが、どんな場所だったのか全く記憶がない。水場の記憶も無いという空白の地であった。テント場は小屋のすぐ脇にあって地の利は良く、斜面に「ひな壇」が整備されていた。広いところは団体さまが使うだろうから適度な大きさのところに張った。ここも\600也。水は小屋の反対側でこんこんと涌いていた。トイレはその先にあった。

 テントは朝露で濡れているのでひっくり返して虫干し、日は当たっていないがゆっくりと乾いていった。その間に薄い水割りを作ってソーセージを食った。ビールは350ccで\600するので水割りでコスト削減、今回のアルコール度数97%のウォッカは剰り気味なのでちょうどいい。テントが乾いてから中に荷物を突っ込み4隅を固定、歯を磨いてお昼寝。今日は土曜日だから畑薙ダムから登ってくる人が多いだろうな。

 テントを張った場所はちとばかり失敗で、小屋に近いが通路と間違って何人もの人がテント脇を通っていく。昼間はいいが夜になってこの状況だと眠りが妨げられるなぁ。テントの数は徐々に増えていき、場所が足りなくなったようで私の隣の猫の額のような狭い場所にもテントが立った。この住人は2人だが片方のおじさんがうるさくしゃべっていた。夜中は静かで助かったが。

 夜中から徐々に風が強まってきたが、上空は星空が広がっていたので天気は何とかなるだろう。天気予報はここ数日と代わり映えがせず、曇りで朝夕一時雨。でも湿った南風が入って昨日よりも大気の状態が不安定と言っていた。まあいいや、たとえ雨が降っても明日は下山だからびしょ濡れになっても構わない。強風は朝まで吹き続けていた。

 夜明け前にトイレに行った時は星空だったが、朝飯を食って希望峰へアタック装備で出かけるときには一面のガスに変わっていた。このガスだと風に吹き付けられると濡れる可能性があるので上下のゴアを着て出発、稜線に上がると強烈な西風が吹き荒れていた。4日目にして初めの強風だ。でも対風姿勢をとるほどではないから行動に支障はない。

 茶臼岳の登りは標高差100m、昨日の疲労で足が重いかと心配したが一晩寝たら回復したようで順調に高度を上げる。山頂手前で巻道が分岐しているが、たいして労力節約にならないからそのまま稜線をあがり茶臼岳山頂を通過、ガスで無人だった。ここも無線は済ませてあるから運用はしない。ここから仁田池の間に強風地帯があって体がよろめくくらいだった。下りで追い風だから帰りは登りのうえに向かい風か、帰りは巻道だな。仁田池付近は幕営できそうな平地がいくつかあるが幕営禁止の看板があった。

 その後は緩いアップダウンで希望峰山頂も緩やかな場所だった。仁田岳分岐の看板がないと山頂とは思えない。樹林なので風はやや遮られるが、ガスが木の葉に水滴となって付き、強風で飛ばされるので雨が降っているようだった。木が生えているからワイアーDPが使えるのは結構なことで、東西方向にビームが向く様に張ってワッチ、しかしまだ6時前で何も聞こえずCQを出すと1発で奥積さん登場、これで本日の目標は達成した。ラグって最後のワッチをするとJI4AQY/4比婆郡が聞こえたのでコール、1W出力でもちゃんと拾ってもらえた。あちらは6エレ×4枚の派手な固定ビームだった。

 これで無事に無線は予定以上の成果があがって終了、設備を畳んでテント場に戻った。光岳方面には20人くらい向かっただろうか。これに易老渡からの往復を入れると光小屋は満杯になるか? そういえばお隣のおじさん幕営2人組は天候の心配をして早々と撤退を決めていたがもったいないなぁ。雨でも降っているなら別だが、ただ風が強くてガスっているだけなら問題なかろうに。天気予報はあまり芳しくないが、数日間は大崩はしないようだ。

 テント場に戻ってすぐに出発、なんせ希望峰に向かうときにテントを畳んでパッキングは済ませてあるから。出発時は小屋付近もガスっていたのがガスの高度が上がったようで下界が見えていた。富士山は傘雲をかぶることなくきれいに見えているし、青薙、稲俣もよく見えていたので基本的には天気は大丈夫だろう。時間がたてば稜線も晴れるかもしれない。風が収まるかどうかはわからないが。もう少し下ると右手には大無間岳から小無間岳の稜線も見えてきて、大無間の山頂付近のみガスがかかっていた。

 下りは毎週山で鍛えているから快調そのもの、それに食料も食い尽くして荷物は軽くなっている。横窪小屋まで1時間もかからなかった。途中、水場があったので水を飲んだ。何人も登ってくる人がいたが、これらは横窪小屋からの連中だろう、歩き出してから10分もしないうちに違ったから、そのまま茶臼小屋は通過して聖平や光岳まで行くのだろうか。

 横窪小屋は沢沿いにあるので水は豊富だった。おまけにブルーシートで覆われた水浴び場まであった。沢の水を引いているだけだろうからお湯は出ないだろうが、シャンプー、石鹸付きで\100とのこと。

 横窪峠を越えてなおも歩くと無人の小屋が出てきた。あとで地図を見たらここがウソッコ沢小屋で、中では数人が休んでいた。それからは沢沿いの道が続き、小さな吊り橋を何度か渡る。沢沿いだから涼しい。そして最後の登り、ヤレヤレ峠だ。畑薙大吊橋は尾根の向こう側にあって、尾根を迂回するのではなく乗り越えているのだ。腹が減ったので登りの最中に昨日の昼飯残りのパンを歩きながら食べた。朝飯から4時間以上経過しているから腹が減って当たり前だな。峠では2人休んでいる人がいるが、まだまだ茶臼小屋まで先は長いぞ。

畑薙大吊橋

 ヤレヤレ峠から吊り橋は直線で下ればさほどの距離ではないが、傾斜を緩めるため大幅に迂回したルートなので時間がかかる。やっと待望の大吊橋だ。ここは青薙、稲俣の往復の林道歩きで見ているが、やっぱり何度見てもそのスケールは桁違いだ。全長180m、人一人が歩けるだけの板が渡してあり、すれ違い用にもう1本の板が何カ所かに置かれている。ワイアーの手すりがあるし、板の両脇には人間が落ちない程度の格子になっているからたとえ板から足を踏み外しても湖に落ちることはない、安全設計だ。しかしその高度感は半端じゃない。湖面まで2,30mはあるだろうか、下を見ているとめまいがしてくる。前だけを見て慎重に歩いた。誰か前後に歩いている人がいればデジカメで人物入りの写真が撮れて橋の大きさが分かるのだが、残念ながら私以外にはいない。渡りきるのに3分もかかる吊り橋だった。オバチャン連中は足がすくまないのかなぁ?

 渡り終わると林道歩きの始まりで、第1ラウンドは平沼ゲートまで2km、30分だ。あ〜あ、自転車があればなぁ。水平なので自転車でばっちりだ。日陰を拾いながら歩き、山百合の写真を撮ったりしながら見覚えのあるゲートに到着、昼間は鉄の門は開放され、例のロープだけだった。これがいつもの姿だ。駐車場の入りは半分程度で、やっぱ大半はバスで椹島を目指すようだ。さあ、ここから3kmの舗装道路歩き。駐車場の付近で3kmの表示があったな。ダムサイトまで約1.5kmで、ここに登山指導所があり、下山届を書けとのお達しで呼び止められ、ザックを背負ったまま書き込んだ。入山届け書いてないけど・・・。

 ダムから振り返ると聖岳、茶臼岳、仁田岳と思われる山が見えているが、相変わらず聖は雲の中だ。しかし、この時聖岳と思ったのは本当は上河内岳であった。上河内岳がガスってるということは3000m峰もガスか。何か毎日同じような天気だな。下界は晴れ渡り、道路は照り返しで暑かった。もう少しで駐車場というところで椹島からやってきた送迎バスに追い越され、降りてきた人に交じって駐車場に到着した。とうとう3泊4日の山行が終わったのだ!! たぶん今年最大の縦走になるだろうな。

 車のドアを開けて内部を換気し、ザックの中からゴアを取りだしてハンガーに掛けて干し、ザックの底に沈んだテントを発掘して車の前で虫干し、快晴だからあっという間に乾いた。着替えを済ませ、荷物整理をして温泉に出発。白樺荘は茨城の団体バスが泊まっていたためパスし田代温泉(\500)に入った。キャンプ場併設だが外来もOK、風呂は狭く定員1名ってのが難点だが独占できるのはありがたい。

 帰りは山伏を越えて早川町に入ろうとしたが、山梨側が通行止めで勘行峰林道を通って富士見峠に出て、国道1号線から富士市に入って行きと逆方向に走った。そのまま帰っても良かったが梅雨明けした東京の夜は暑いので、夜は大月の大峠直下で寝ることにして一般道を走った。


7/31 7:43畑薙ダム−8:39椹島着−8:53椹島発−8:57林道−9:03千枚小屋分岐−9:56木の梯子でコケる−10:13林道に出る−10:34小石下−10:46熊本高校を追い越す−10:50林道が交差−11:31清水平で休憩−11:41出発−12:12蕨段(手製標識)−12:26蕨段三角点−12:25展望岩−13:21駒鳥池−13:44千枚小屋の発発音が聞こえる−13:50千枚小屋

8/1 4:48千枚岳−5:17二軒小屋分岐−5:34千枚岳−6:11丸山着−6:21丸山発−6:45東岳着−6:48東岳発−7:29西小石岳着−8:12西小石岳発−8:44雷鳥を見る−9:09東岳着−9:17東岳発−9:35鞍部−10:02中岳避難小屋−10:05中岳−10:10高山裏方面分岐−10:34水場上部−10:40水場で休憩−10:48水場出発−11:00荒川小屋−11:12雪渓をトラバ−ス−11:37大聖寺平−12:22雷鳥を見る−12:30小赤石岳着−12:38小赤石発−12:47赤石小屋分岐−13:03赤石岳着−13:20赤石岳発−13:56ガレ場からハイマツの尾根に変わる−14:19百間平標柱−14:22百間平ピ−クへ発−14:29百間平着−15:07百間平発−15:14ザックデポ地着−15:16ザックデポ地発−15:40百間洞山の家テント場

8/2 4:34 百間洞発−4:39百間洞山の家−5:12尾根を越える−5:28中盛丸山鞍部−5:44中盛丸山−6:02小兎手前鞍部で最後の2人を追い越す−6:15兎岳避難小屋発の人とすれ違う−6:18小兎岳山頂−7:13小兎岳発−8:09聖鞍部−7:50兎岳−9:14聖岳着−9:41聖岳発−9:58水場着−10:00水場発−10:14小聖岳着−10:31小聖岳発−10:54薊平−11:05聖小屋分岐−12:24南岳山頂着−13:22南岳発−13:47上河内岳分岐−13:59竹内門−14:08お花畑−14:35茶臼小屋分岐−14:43茶臼小屋

8/3 4:45茶臼小屋発−4:58主稜線−5:15茶臼岳−5:26巻道と合流−5:41希望峰着−6:09希望峰発−6:23巻道分岐点−6:40縦走路−6:41雷鳥を見る−6:47茶臼小屋分岐−6:53茶臼小屋着−7:02茶臼小屋発−7:15上がってくる人とすれ違う−7:27水飲み場−7:50横窪小屋−7:56横窪峠−8:07中の段−8:23階段が連続する急な下り−8:27ウソッコ小屋−8:48右手に謎の建物−8:52ヤレヤレ峠への登り開始−9:10ヤレヤレ峠−9:25畑薙大吊橋−9:28大吊橋を渡り終わる−9:31大吊橋発−10:07ゲ−ト−10:20畑薙第1ダム−10:48駐車場


 

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