中ア 前高森山、本高森山、大島山 2003年11月22日

 

 

 2000m峰巡りも、中アと奥秩父についてはそろそろ終わりが近づいてきた。中アは念丈岳南部に位置する大島山と、木曽福島Aコース上にある赤林山のみ、奥秩父は金峰山南部の八幡山だけだ。八幡山は一番近いのでいつでも行けるから後回しにするとして、先に中アを片づけようと考えた。まずは距離があって笹の登場が予想される大島山からである。

 地図を見ると大島山は登山道はない。その手前の本高森山までは地形図に道の記載があるので、普通に考えれば本高森山から尾根づたいに歩けばいいだろう。もし藪だった場合を考えると、鳩打峠から念丈岳まで登って南の尾根を下るのが楽な方法だが、これでは登山口と下山口が異なってしまい車の回収が困難だ。やはり本高森山経由往復だろう。情報集めにインターネットで検索すると大島山は何件かヒットし、新しい記録では道があるとの情報もあるではないか。しかも写真付きできれいに刈り払ってある様子が映っていた。他の記録では笹藪登場の記述もあるが、最近刈り払いされて道ができた可能性が高く、これなら楽勝で登れるかもしれないと期待する。登山口はみな高森CC上部から登っている。ゴルフ場を突っ切る道を延々と走って砂利道になってから15分ほど歩くと登山口だそうだ。

 

登山口付近の林道。普通車でも通行可能 林道右側の登山口

 

 睡眠時間確保のため大枚はたいて松川ICまで高速を使ったおかげで諏訪ICから一般道を使ったときより1時間以上早くゴルフ場に到着、そのまま舗装道路を上がると落ち葉に覆われているが車が走った形跡は見られる。やがて砂利道になるがまだ普通車でも入れるのでそのまま上がっていく。大沢川を渡って大きく左カーブし少し登ったところが標識がある登山口ですぐに分かった。その先に駐車スペースがあったが水平ではなく寝るのに適さないので下って左カーブに車を止めた。地図で見ると標高は約1015m。砂利道に変わるところの標高は約980mなので、そこから歩いても大差ないのは帰りに分かった。

 翌朝はさほど冷え込むこともなく、車の窓の水滴は凍っていなかった。お湯を沸かしてスープを飲み、お湯を沸かしている間にコッヘルの上にのせて暖めた弁当を食う。今週からガスコンロは一般のカセットコンロ用ガスボンベが使えるタイプのバーナーに変更したため、ガス代が節約できそうだ。ただし、寒冷地仕様ではないのでこれからの季節は使えるかどうか微妙ではあるが。

 

 ようやく明るくなってライトが要らない時間になってから出発。林道から登山道に入ってもとても立派な道でエアリアマップに赤実線で入っていないのは調査不足としか思えない。ラミネート加工された合目表示があって目安になる。私の高度計はまったく当てにならないので今回は時計としてしか使わず合目標識を目安に歩いた。まあ、標高差1100mくらいならあまりペースを気にする必要はないが。最初は長袖を着ていたが歩いていると暑くなり、いつものようにTシャツに腕カバーの出で立ちになった。最近は寒くなってきたので腕カバーの下には保温用サポーターも併用し、体の温まり方によって腕剥きだし、腕カバー、腕カバー+サポーターの組み合わせで使っている。

 

ラミネート加工された合目標識 展望場所から見た伊那盆地と南ア


 東向きの尾根を登るので朝は背中から日を浴びて登ることになる。登りはじめは松林でカサカサと落ち葉を踏みしめながらではないので、背後から人が登ってくるのにはしばらく気づかなかった。気づいたのは私の他に影が見えたからで、振り向くと単独行の男性が歩いていた。まさかこんな時間に他に人がいるとは思わなかったし、私よりもペースが速い人なんて滅多にいるものではない。たぶん今年初めて追い越されたと思う。よほど山慣れしているのだろう。年齢は40代半ばと見た。道を譲って先に行ってもらったがスタスタと快速で見えなくなってしまった。もしかしたら念丈岳から烏帽子経由で1周するのだろうか。

 徐々に笹が現れてくるが刈り払いは完璧で体に触れる笹はない。周囲は樹林で見晴らしはないが、おそらく1540m肩だと思うがここだけ視界が開けて南アがずらっと見えていた。まだ朝早く逆光になるので雪がどの程度積もっているのか分からないが、どうも白い物がないように見えた。昼間になれば様子がうかがえるだろう。

 そこからすぐに左が吉田山方面、右が本高森山方面へと道が分かれる。左は前高森山もあるはずだが標識にその名前はない。まだ時間が早くてQSO相手確保に苦労するのは必至のため、前高森山での運用は下山時に後回しにして本高森山、大島山をめざす。尾根に出ると冷たい西風がまともに吹き付けて寒く、腕カバー+サポーターに手袋をつけた。おまけに耳も冷たいので帽子兼フェイスマスク兼ネックウォーマーになる便利な防寒道具を帽子モードにしてかぶった。今から耳が霜焼けになっては早すぎる。

 

本高森山山頂

 まだ遠い大島山

 

 なおも完璧な刈り払いは続き、合目標識の数字が上がり、最後に突き上げたところが本高森山山頂であった。頭上は開けているが周囲は樹林で囲まれて視界はなく、完璧な刈り払いはここまでで終わっていた。山頂標識はいくつもくっついていて賑やかだ。焼酎の大型ペットボトル底面を切り取った雨よけの中にノートがぶら下がっているか、寒いし面倒なので記帳しなかった。もしかしたら7K1CVP鈴木さんのメモがあったかもしれない。

 ここでの無線も帰りにやることにして大島山を目指した。先行者の姿も見えないので既に休憩が終わったか、もしくは休憩無しで大島山に向かったようだ。やはりなかなかの健脚だ。

 

本高森山〜大島山間の道(背景は本高森山) 大島山直下の刈り払い

 

 さあ、いよいよ笹藪漕ぎかと覚悟したが、目的の尾根上ではなく左手に目印テープが見え、入ってみると尾根西側を巻き気味にして北上する尾根に踏み跡が続いていた。全く道がないわけではないらしい。それどころか最初は心細かった道が徐々にはっきりし、しかも笹が深い場所でも完璧な刈り払いがされていて、本高森山までと同等の道が続いているではないか。拍子抜けするほどの道の出現にうれしいやら残念なやら複雑な心境である。いつのまにか大島山は秘境から一般登山対象の山に変貌したのだった。

大島山山頂

 なだらかな尾根を歩いていくつかピークを越える途中、何とか窪とか何とか平とか標識があったがメモはしなかった。山頂直下は遠くから見ても分かるように一面の笹原が続き、その中をジグザグに道が付けられている。ちゃんと一般人向けの優しい道の付け方だ。ここでやっと先行の単独男性を視界に捉えたが、やっぱり差は縮まることはなかった。それを登り切ったところが大島山山頂だった。

 地形図を見ると大島山はいくつかのピーク群で構成されるが、地形図では最南端のピークに山名が記載されている。武内データでもこのピークを山頂と決めているようで、GPSで確認するとそこで間違いなかった。山頂標識らしき物はあったが文字が消えて全く見えなかった。天候は基本的には晴れているが、中ア主脈標高は一面の雪雲に覆われ、時折風に流されて霰が飛んでくる。太陽が雲に覆われると滅茶苦茶寒く、強い西風は猛烈に冷たい。葉が完全に落ちた唐松の木は霧氷に覆われているから、さっきまで雲がかかっていたのだろう。

 単独男性はここで休憩、やっぱり寒そうだ。今日の目的地は念丈岳だそうで、帰りの足の問題があるので往復だそうだ。やっぱ健脚だな。奥念丈岳はまだ行ったことがないようだが、池ノ平までは鳩打峠から既に歩いているとのことで、私と似たり寄ったりだ。男性は写真を撮り、パンを一つかじっただけで出発していった。

 

大島山直下から見た本高森山、前高森山

大島山から見た念丈岳

 

 こちらは無線だ。144,430で一声出してから6mを設営、木の間にDPを張ってピコ6でワッチするが強力をな信号は聞こえないのでCQを出すことにした。珍しくも吉原さんの声が聞こえなかったが、この時間は既に運用を終えていたのは翌日になって判明した。大島山は3時間はかかるから明るくなってから出発したのでは、休憩なしで歩いても9時には山頂に到着しない。奥積さんを期待したが、他の1エリアとつながったが肝心の奥積さんの声が聞こえない。その後2エリアから立て続けに呼ばれて、寒い中6局もQSOしてしまった。

 次は本高森山だ。同じ道を戻る。南斜面の笹原に入ると風が遮られて日当たりが良く暖かい。歩いている間にやっと体が温まり、Tシャツの出で立ちに戻る。最後に緩やかに登れば本高森山山頂に到着した。まだ無人のままで、標識がついていない棒にDP片側を結び、立木にもう片側をくっつけた。ワッチすると強くはないが久居市移動が聞こえていたのでダメモトで呼んでみたら応答があった。よかったぁ。QSO中に登山者がやってきたので1局で打ち切った。オジサン2人組で、話しぶりからジモティーと思えた。なんで東京の人がこんな山に来るのか不思議がっていたが、大島山が2000m峰だから登らないわけにはいかない。

 彼らは日当たりが無くて風が吹き抜ける寒い山頂を避けて昼飯を食うと先に下っていったが、こっちはパンをかじって軽く飯を食ってから出発した。次は前高森山である。2人組を追い抜き、林道方面分岐点を過ぎて吉田山方面へと直進、やがて尾根を外れて左を巻く道が出現し、これはどこに行くのだろうと思ったが吉田山への道のようだ。稜線の道は前高森山山頂でプッツリと途切れて笹の海になっていた。刈り払いは前高森山までである。

 

前高森山山頂

 山頂標識もない山頂で周囲は笹と唐松。三角点はない。DPを張ってワッチすると伊吹山移動の強力な信号が入っていたので声をかけた。冬型気圧配置で伊吹山だから雪は当然と思ったがその通りで、常時雪が降っているわけではないが細かい砂のような雪が時々吹雪のように吹き付けているとのことで、風も強くてアンテナを立てられずモービルホイップで運用中らしい。雪じゃ寒くてアンテナを立てる元気も出ないだろう。

 運用を終えて分岐に戻るとオジサン2人組がやってきた。飯を食い終えて前高森山を往復するようであった。こっちはもう下るだけで尾根で風が遮られるので体感温度はグンと上がり、めいっぱい着ていた防寒着を全て脱いで軽装で下った。

 朝の展望台は雲で南アはほとんど見えなかったが、今はほとんど見えている。千丈、甲斐駒、鋸岳雲に覆われて見えないが仙丈ヶ岳は雲から頭を出している。南は上河内岳、茶臼岳まで見えているので、3000m峰は全て見えていることになる。その3000m峰はほんの僅かに雪が着いている程度でほぼ真っ黒に近い姿だった。これらの勇姿よりも、先日登った小日影山や、小黒山から二児山の尾根に目がいってしまうのはしょうがないだろう。明日登る予定の栂村山近くの奥茶臼山も見えていた。

 あとはトントン拍子に下って登山口へ到着。登山口上部には車の姿はなく、2人組と単独男性ともダート手前から歩いたようだ。車を置いたカーブの所でも私の車しかなかった。車を走らせると大沢川にかかる橋で1台、そこより僅かに下ったダートが始まる場所で1台、車が置いてあった。ゴルフ場駐車場は満杯だった。

 温泉だが、高森町には「たかもり温泉 御大の館」という町営温泉施設があるのでそちらに立ち寄ることにした。ゴルフ場下から山腹を巻くような、南アの展望抜群の広い道が続いていて、その終点近くに温泉がある。\500。駐車場の入りからしてかなり賑わっているようだ。

 明日は大鹿村の栂村山に決めて、松川から大鹿村に向かうべく東に進路をとった。


6:15車−6:19登山口−7:22展望台−7:31前高森山分岐−8:14本高森山−9:27大島山着−10:24大島山発−11:10?本高森山着−12:00?本高森山発−12:32前高森山着−13:01前高森山発−13:08前高森山分岐−13:13見晴台−13:46登山口−13:51車

 

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