高天原(鹿嶋)、愛宕山(銚子)、丸山(多古町)、権現森(長柄町)、城山(夷隅町)

 

大山(館山)、大黒山(鋸南町)、神明山(富津)、太田山(木更津) 2004年1月24日

 

 1月の後藤さんとの合同移動は、私にとっても久しぶり(約2ヶ月のブランク)の山登りになるし、1月ともなれば寒さのピークで高いところで寒い思いをするのもイヤなので超低山巡りを考えた。場所は千葉周辺で、以前から気になっていた山を訪ねることにした。

高天原(41m 鹿嶋市 1等三角点)

高天原位置 高天原山頂 神社の手前に三角点あり

 ここはコンサイス山名事典に掲載されている1等三角点の「山」だが、鹿嶋市に山があるとは信じがたかった。地形図に記載はないので2.5万図で探しようがないが、地名に「高天原」の文字を発見したので、その付近の三角点が山頂のはずだ。探しやすいようGPSに緯度経度を入力して探索した。

 後藤さんの運転で私がナビ担当、鹿嶋市内は後藤さんがサッカー観戦で何度も通っているので地理に詳しく、高天原にそこそこ近くなってから私がナビをする。GPSを頼りに高台の住宅地に入るが、路地が交錯してどれが最高地点まで行けるのやら全く分からず、ジグザグに走ってできるだけ広い道を通るようにして高い方目指して車を走らせた。やがて大きな団地になり、上水道施設への道がどうやら最高地点のようである。ここで仮眠してもいいが人家に囲まれた場所ではあまりにも怪しすぎるだろうから海辺へと移動、野球場の駐車場で一夜を明かした。

 翌朝、元の場所に戻って車を置いて歩き出す。夜は分からなかったがこの一帯は周囲よりちょっとだけ高くなっていて山頂の趣があった。といっても北側の団地の建物の方が背が高かったが。一帯は公園になっており、GPSに従って西方向に水平に歩いて1分、神社があって裏に1等三角点があった。間違いなく高天原山頂であった。まだ朝7時過ぎで交信相手確保が難しそうだったが、幸いにも香取郡大栄町の局がCQ出しており助かった。

愛宕山(74m 銚子市 1等三角点)

愛宕山位置 愛宕山山頂 展望台

 次は銚子の愛宕山を目指す。ここも以前から気になっていたが、この機会に登ることにする。千葉県に入りロードマップを見ながら山頂方面を目指す。有料道路を通れば道は簡単だがもったいないのでウネウネと一般道を走る。山頂付近は道が入り組んでわかりにくいが、とにかく高いところを目指していくと、てっぺんは建物が占有し、展望台+観光施設になっているようだ。南に下った駐車場に車を置いて歩いて三角点へ。見晴らし良好でそこそこ電波が飛びそうだが、なんせギャラリーがいるので無線は無理だ。少し下ったところにある公園でアンテナを立て運用するが、標高が低くて飛ばないようで応答はなく、430で運用して地元局と交信した。

丸山(32m 香取郡多古町)

丸山 位置 丸山 遠景 丸山山頂の神社

 

 次は香取郡唯一の山である。こんなところに山があるとは知らなかったが、武内さんはよくもまあ発見したものだ。田圃の中に半島のように突き出た台地に丸山があった。周囲をぐるっと道路が取り囲んでいるので、適当なところから登れるだろう。ロードマップを頼りに車を走らせ、「半島」の付け根で狭い道に進入、地形図通りで場所に間違いは無さそうだ。山頂西側で半島を横断するような道があり、小さな公園と駐車場があったので車を置く。ちょうど参道の鳥居があり、てっぺんには神社があるらしい。低山だがいちおう登りであり、すぐに細長い山頂の一角に到着、神社があった。周囲を探したが山頂標識等はなく、参道脇の杉木立で無線を行い、苦労してどうにかQSO相手確保に成功。やはりこの標高では平地と変わらない飛びだった。

権現森(173m 長生郡長柄町 1等三角点)

権現森 位置 権現森 登山口(参道) 権現森 山頂の社

 

 続いて長生郡の山。1等三角点があるようで、丸山よりはちょっと有名?? ロードマップを見るとで近くまで車で入れるので行ってみると、東側から立派な石畳の参道があった。歩いて5分程度で神社がある山頂に到着。樹林で見晴らしは無かったが、設置された標識では見晴らしがいいと書かれている。いったいどういうことだ? この周辺の樹林は明らかに自然林で、木の大きさからすれば100年くらいは伐採されていないように見えるが。案内標識の記述に誤りがあるとしか思えない。午後やや遅い時間で無線の相手がいるとは思えなかったが、ここだけは何故かQSO相手が数局いた。

城山(70m 夷隅郡夷隅町)

城山 位置 城山山頂(奥の高まり) 城山の展望台(山頂より高い)

 

 本日最後は夷隅町の城山にした。たぶん名前の通り城跡なのだろうから、うまくいけばてっぺん付近まで車で入れるかも知れない。これまたロードマップを頼りに南下、近くまで来ると山の上にお城のような建物が見えるのでそれに違いない。細い道を上がっていくと駐車場があり、工事用の信号機が設置されていた。まだ入ってもいいのかも知れないがえらい細く急な坂道で車のすれ違いは無理そうだし、歩いて大した距離でもないのハンディー機を持って歩き出す。急坂を上りきると駐車場があり、こっちにも工事用の信号機があった。すれ違いができない細い道なので、信号機による交互通行にしていたのだ。少し上がるとお城のような展望台があるが、GPSはもっと南を山頂と示していたので通過、柵の向こう側に削り残しのような盛り上がりがあり、そこが山頂だった。標識はなく、周囲より高いと言ってもちょっとだけで、展望台の方がずっと高い(ただし人工物だが)。本日最後の1山なので心おきなく後藤さんとの交信に使えた。

大山(194m 館山市 1等三角点)

大山 登山道ルート 大山登山口の民家。左の壁沿いが登山道 大山山頂

 

 大山は館山市最高峰であり1等三角点の山である。以前、登ろうと思って南側や東側の道路をうろついて登山口の標識を探したが発見できなかった経緯があり、どこから登るか悩みの山だった。麓を見ると山頂北側に神社マークがあるので、その裏手あたりから道があるのではないかと推測し、そちらから攻めることにした。まあ、この辺りの植生だったら道が無くても藪はないだろうから強引に登ることもできよう。

 坂田の集落から反対側、海方向に延びた道路脇に公衆トイレがあり駐車余地があったので車を止めて歩き出した。集落を通り、道が右にカーブするので道なりに進むと目的の神社に出た。さて、道がないかと後藤さんと探し回ったが期待はずれで見あたらず、仕方がないので傾斜の緩い斜面に取り付いた。予想通り藪はなく、海岸付近らしい照葉樹林であった。小尾根に乗って高度を上げ、緩やかになるとほぼ水平に北上を始める。どうも人工的に造成した形跡が見られるが踏跡すらなかった。不意に目印テープが出てきたと思ったら左手から立派な登山道が合流したではないか! いったいどこから上がってくる道なのか帰りに確認することにした。

 良好な道で迷う心配もなく、照葉樹林の尾根を緩やかに登り、最後に突き上げたところが山頂だった。予想に反して山頂一帯は伐採されて見晴らしが良く、東京湾を行き来する船舶がいくつも見えた。あまり広いとは言えないが平坦な山頂でアンテナ設営も楽、おまけにこの感じでは地元民以外に登ってくる人は滅多にいなさそうで誰にも気兼ねなく運用できた。無線人口が少ない冬だったのであまり呼ばれなかったが、館山市で無線をやる人はほとんどいないのでそれなりのシーズンに登れば呼ばれるだろう。

 下山は登山道を正直に辿ったが、車道が大きく右カーブするところでまっすぐに進んだ人家の脇に出た。こりゃ標識がないと絶対に登山道があるとはわからない。後日、ネットで調べても登山道情報は2件しか発見できず。地元民は登るようだ一般登山対象の山ではないらしかった。でも山頂の見晴らしはすばらしくお薦めの山である。

大黒山(75m 安房郡鋸南町)

大黒山 位置 大黒山 登山口 山頂の展望台

 

 大黒山は港のすぐ近くにある低山で、国道には展望台の案内標識もあるくらいだから簡単に登れそうだった。遠くからでもその展望台が乗った高まりがよく見えるのでわかりやすい。国道から脇道に入ると正面に大黒山がそそり立っており、右手に駐車場があった。その手前には謎のアンテナ群が。見たところFMや2mくらいと思われるが、あちこち変な方向を向いているし、いったい何に使っているのか謎だった。登り始めるところで車の屋根の上にGPSを忘れてきてしまったことに気付いたが、このくらい小さな山だったらGPSは不要なのでそのまま先を急いだのが失敗の原因になるとは・・・・。

 マジでそそり立った岩山で、いったいどうやって登るのだろう?と不安になるくらいだが、しっかりした道ができており、北側に迂回しつつ登っていった。山頂は展望台がありすこぶる見晴らしがいい。眼下は東京湾で、向こう岸には久里浜の火力発電所の巨大煙突が見えていた。展望台では無線はできないので下がった場所の崖っぷちにアンテナを立てて運用、JP2NJS吉原さんが出ていたが、こちらが5W出力では苦しいようで、何とか交信成立程度で詳しい話はできなかった。

 この帰りにとんでもないアクシデントが発生。車の上に置いたままのGPSのことをすっかり忘れてしまい、そのまま車をスタートさせてしまったため、途中気付いて屋根の上を見たときには時既に遅くGPSはどこかで落ちてしまっていた。あ〜あ、私と一緒にろくでもない山に多数到達したGPSだったのにもったいない! そのうちVENTUREにでも乗り換えようかと考えていたのでタイミングがいいといえばいいのだが、やっぱりまだまだ使える物を紛失するのはもったいない。

神明山(66m 富津市)

神明山 位置 神明山 登山口(山頂東尾根) 神明山山頂 石碑が多い

 

 続いて富津市の明神山。鹿野山のような山地の山ではなく市街地にぽつんとある低山である。新しい富津市役所の裏山で、市役所側から登っても良かったのだが、山頂東側近くまで車道があるのでそちらに向かった。しかしその車道と思われた道はとても普通車が入れるような道ではなく軽トラ専用道であり、車を降りて歩いて行くことになった。小さな峠からは参道っぽくなり、照葉樹林を登り切ると石碑がいくつもある山頂だった。道は四方に延びており、どこからでも登れるようだった。樹林で見晴らしは無い。

太田山(44m 木更津市)

太田山 位置 太田山山頂? なだらかで特別高い場所はない 太田山山頂付近の神社

 

 千葉低山シリーズ最後は市街地のど真ん中にある太田山。とても高い塔が立っているので遠くからでも目立つ山である。山頂には博物館があり、山頂直下に駐車場があるので車で行けた。だだっ広い山頂で、GPSがないとどこを山頂としたらいいのかわからないくらいだ。とりあえず神社前を山頂と言うことにしておく。全体が公園となっており、迷惑をかけない程度につつましく無線をやる分には問題なかろう。端の方に2エレを立てたが、奥積さんの信号が埋もれるほどの超強力ノイズで6mの運用には不適だった。たぶん冬場のノイズだろうが、ここまで強力だとは。

 以上で低山シリーズはおしまい。久しぶりに首都高を使って三鷹に戻った。

 

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