東京都心の超低山 浅間山(さいたま市大宮区)、飛鳥山(北区)、上野山(台東区)、愛宕山(港区)、箱根山(新宿区) 2005年1月3日

 

 2005年は東京でも雪に覆われ白い朝で始まった。それはそれとしてめでたいことかも知れないが、登山者にとってはよろしくない。なんせ登山口まで車で行くのが積雪、凍結のためノーマルタイアではほぼ不可能だ。武蔵野市でも大通りはかろうじて積雪とならなかったが1本裏道は雪で覆われ、自転車で通過するにも不安定で苦労するくらいだから、郊外で山間部ともなればどんな状況か想像が付く。とても危なくて車で出かける気にもならず家でダラダラ過ごしてきたが、QSOパーティーでQSO相手は選びたい放題でロケの悪さは関係がないこの日を見過ごすのももったいなく、飛びが悪い都心の超低山群を電車で巡って片づけることにした。

 都内23区では上野山、待乳山、愛宕山、飛鳥山に加えて山名事典記載の新宿区箱根山、大宮には浅間山が追加されたので1日遊べる数になるが、待乳山は神社だかお寺があって年末年始は人が多くて無線などできそうもないので諦め、残り5山を目標にした。

 

さいたま市大宮区 浅間山の位置 浅間山(古墳?)

 朝はゆっくりと起きて電車に乗り、まずは浅間山に向かう。地形図で場所を調べたときには等高線で高くなった場所があるわけでもないし、お宮マークもなくて市街地のハッチングしかなかったため詳細な場所が不明であり、GPS無しでは山頂にたどり着けないだろう。大宮駅で東口に降り、南東向かって歩き出した。途中でGPSを出して位置確認をしようとしたが、周囲にビルが林立して衛星捕捉ができない。開けた場所で捕捉できたが場所は北西を示していた。浅間山の場所を地図で探したのは数ヶ月前で詳細を覚えていないが、たしか駅の南東だったと思うのだが。不審に思いながらもその方向に歩くが、どういうわけかいっこうに距離が減らない。とうとう大宮駅東口から延びる道路を渡って北側に移ってしまい、やっぱりおかしいと南に向かって逆戻りを決めた。すると突然GPSの表示が変わり、南方600mの表示が。どうもビル群の反射等で嘘の表示が出ていたらしい。山の中ではここまで大嘘の表示は見たことが無く、市街地の方がかえって使えないのかと初めて知った。

 大宮区役所を過ぎ少し東寄りに進路を変えると一方通行の道に出て南下、市民会館?で東に曲がり、GPSの表示を見ながら軌道修正して山頂にアプローチする。たしかにこの一帯は高台になっているようでわずかに登りになっていて、東に歩いていると左手に盛り上がりが出てきて間違いなく浅間山があった。高さは数mであろうか、上がるとお宮があり、名前の通り富士山信仰なのだろう。ただ、自然地形にしてはあまりにも唐突な盛り上がりで、もしかしたら古墳なのかも知れない。

 無人の山頂でDPを張り6mを聞くと朝霞市移動が強力で声をかけた。QSOパーティーは25局縛りのルールがあるので、どこでCQを出そうとパイルになるのが常で、相手にとってもらえるか心配だったが1発で応答があった。その後聞いていてもあまり声がかかっていなかったようで、これも6m人口減少の証なのか。

 山頂から携帯電話で奥積さんにメールを入れたが、マンション補修工事でアンテナを下ろしてしまっており、これから4エレを上げるとの返事があり、1山目に間に合わなかった。大宮駅に向かいながら次は北区の飛鳥山に向かうとメールを打った。

 

北区 飛鳥山の位置 飛鳥山山頂(公園です)

 地図を見ると飛鳥山は王子駅のすぐ西側にあり、山全体が公園になっているようだ。駅を降りて目の前の高台が山頂のようで、線路を渡ってすぐに「登山口」があり、まだ雪が残る階段を上がっていくと平坦な尾根に乗る。のっぺりしていてどこが最高地点なのかさっぱりわからず、GPSに従って歩くと遊具がある公園付近を指していた。ここが特に高いわけでもなく、公園内ならどこでも山頂と言っていいだろう。木の陰に隠れるようにDPを張りワッチするとこれまたCQを出している局がいたので助かった。この状況下で延々とCQを出すのは恥ずかしい。問題は次の上野山の方かもしれないが・・・。

 

台東区 上野山の位置 上野山山頂??(摺鉢山)

 京浜東北線で上野駅に。駅を降りるとすぐに上野山の一角だが、ここは飛鳥山よりも台地の広さが相当でかくて山頂がどこなのかわからない。GPSで歩くと西郷さんの銅像付近だったが、特別高いわけでもないし、人が多くて無線などできそうもないので運用場所を探す。北に歩くと小高い丘が見えてきて、周囲よりも確実に高い場所なので登ってみた。あとで調べたら摺鉢山という古墳だそうで、山頂にはベンチがあって人もいるので少し下ったところで6mを運用した。少し風があって木の葉がざわめいていたので運用の声も目立たなくて良かった。上野は430じゃないとできないかなぁと考えていたが、どうにか6mで押し通すことができた。

 

港区 愛宕山の位置 愛宕山山頂(神社がある)

 次はNHK放送博物館がある愛宕山だ。新橋駅で降りて南西を目指す。大通りでは箱根駅伝を応援する日体大の旗が賑やかで、もう少ししたらやってくるらしかった。もう一つ西側の大通り沿いが愛宕山で、案内標識に従って細い舗装道路を上がっていく。車が何台がやってくるので博物館は営業しているらしい。てっぺんには博物館だけでなく愛宕神社もあり、こっちが本当の山頂ご本尊か。ただ、初詣客で恥ずかしくて無線なんかできないので、南に移動して放送博物館東脇で6mを運用した。ここでもCQを出している局に声をかけただけだった。

 

新宿区 箱根山の位置 箱根山山頂

 そして最後は箱根山。JRで新大久保まで行き、道を東へと進む。戸山公園入口の案内を見て一安心だが、これがけっこう大きな公園で箱根山がどこにあるのか全く分からない。それに周囲は大規模な団地で見晴らしもなく、案内図に従ってそれらしき方向に向かう。北に向かってからGPSに従って東に向かうが、尾根でつながっていると思ったらいったん下り、目の前に現れた盛り上がりが山頂らしい。今日歩いた中では愛宕山に並んで山らしい山であり、幾筋もある踏跡を辿ると東屋がある山頂だった。残念ながら周囲は団地の建物であまり見晴らしがいいとは言えないが、こんな都会の真ん中にピークがあるのだから貴重な存在である。携帯電話で奥積さんにメールを送って運用、今度は人が少ないのでCQを出すと仮の2エレを上げ終わった奥積さんから応答があり、今年初めてのQSOが成立した。めでたしめでたし。

 

2000m未満山行記録リストに戻る

 

ホームページトップに戻る