津久井町の山 茨菰山、仙洞寺山、南山 2005年1月9日

 

 正月もあけて会社が始まってから最初の週末、どこに行くか頭を悩ませた。世の中は成人の日を含めた3連休だが我が社は土曜日出勤で普通の週末と同じであり、どこか遠くまで足を延ばす日程ではなかった。また、一番やっかいなのが年末に降った雪が山間部では溶けきっていないと思われたことで、下手に標高が高いところまで車で入ろうとすると路面凍結でしっぺ返しを食らいそうであまり深い山にも入れそうになかった。そこで苦肉の策として中央線沿線の低山を攻めることにした。山名事典の発行で山ラン有効の山が新規にでき、再び登るチャンスとなったのだからこの機会に登るのもいいだろう。

 ただ、そんな場所ならわざわざ車で行く必要もなく電車で行ってもいい。月曜日の夕方には家にいなければならない用事もあったので日曜だけの日帰りにして電車で行こうと本気で考えたのだが、月曜日も午前中は歩く時間もあり、もし電車の場合はまた出かけなければならなくて面倒なので、思い切って車で出かけ、前夜泊+1泊とすることにした。まさかこんな近場で車で行くことになるとは・・・。

 場所は選びたい放題だが、初日は相模湖周辺の茨菰山、仙洞寺山、南山の3カ所を考えた。駅から遠くバスを使う必要があるので車のメリットが出るし、どれも独立峰で登っては下りの繰り返しで、バスの移動は時間の無駄が多い。年明けの足慣らし程度にはいいだろう。

 

 

 会社が終わって荷物を積み込み高速で相模湖ICで降りるだけなので1時間もかからなかったが、相模湖駅前から神奈川県内に帰る車の渋滞に捕まってしまうという間抜けな目にあって時間をロス、しかも山道は一部凍結していてノーマルタイアではゆっくり走らざるをえず、しかも最初の山として考えた茨菰山東の峠付近も凍っており、駐車スペースもないので南下、突き当たった県道の交差点付近の農協駐車場に車をつっこんで仮眠した。明日朝も凍結しているだろうから、ここに車を置いたまま歩く方が賢明だろう。

 翌日は冷え込んで窓ガラスは凍り付いた水滴で覆われて真っ白になっていた。お湯を沸かしてカップラーメンを食べて準備をしていると狩猟をやるグループと思われる車が数台集まり、7時前にみんなで出ていった。そうだ、この時期は鉄砲撃ちという危険要素があったのは忘れていた。熊に会うよりも出会う確率は高いだろうし、相手は飛び道具だから遠くても巻き添えを食う可能性だってある。熊が冬眠したからといって安心できない。

 

東側から見た茨菰山 途中の資材置場 茨菰山山頂

 

 GPSにデータを入れて出発、地図を見ると送電線が交差しているピークが目的地らしい。昨日登ろうとした峠よりもずいぶん南に位置しているのでかえって歩く距離が短くなっていい。目視で山頂位置が確認できたので民家の間の路地を適当に入り、尾根に取り付くことにした。路地は雪で凍っており歩きが正解で、車道が尾根に乗り移る場所は北斜面を上がっていて完全に雪の下で歩くしかない。尾根上には資材置き場のような建物があり、コンクリート舗装された車道が尾根上を延びていたので歩いていくとすぐに終わって明瞭な登山道が始まる。おそらく送電線巡視路だろう、立派な刈り払いで歩きやすかった。

 鉄塔を通過すると林道に飛び出すがおそらく雪で今は入れないだろう。無雪期なら利用価値があろう。その上にも鉄塔があり、そこで巡視路は終わるので檜が植林された尾根を適当に登っていく。下草も藪もないのでちょろいもんだ。偽ピークで右に屈曲し、植林帯で見晴らしも日差しもない場所が茨菰山山頂だった。これでは寒くて無線をやる気がしないので、写真だけ撮って100mほど離れた偽ピークに向かい、店を広げた。

 アンテナを張ってワッチするとピコ6のノイズレベルが異常に低いのに気づいた。同軸ケーブルを刺しても抜いてもノイズレベルは変わらず、同軸ケーブルの断線か?と心線側コンタクトを見たが問題なし、そうするとアンテナの断線か?と調べると片方のエレメントが根本近くで切れていた。こりゃまずいと被服を向いてテープで固定してどうにか仮接触を保って運用開始、数分で奥積さんから応答があったが、自宅ではなく白井市移動であった。今後の予定は未定とのことで、こっちは次は2時間後と言ったらまだ白井市にいるかもしれないとのことだった。次に呼んできたのはji1etu舟久保さんで、私が呼ぶことはあっても呼ばれたのは初めてだったので驚いた。昔はあちこち移動運用ばかりしていたが、今は自宅に腰を落ち着けているのだろうか。久しぶりのQSOだった。

 奥積さんの他1局できたので満足し下山した。帰りは資材置き場から尾根を直進して登山道?を歩いたが、最後は墓地を抜けて人家の庭に出てしまい、犬に吠えられながら車道に出た。車に戻ってすぐ日向の駐車場に移動し、12V用はんだごてを暖めて日を浴びながらアンテナ修理を行った。

 

 

 次は仙洞寺山だ。以前から気になる山で、一度林道の入口を偵察しに行ったことがあるが、見事にゲートが閉まって車では入れないことは分かっていたので、林道利用は考えずに最短ルートで登ることにした。山頂から南東に延びる尾根が県道にぶつかるところを登山口として尾根を直登しようと思い、目印の送電線を確認しながら車を走らせ、送電線を越えた先で串川を渡る橋付近に駐車余地を見つけ突っ込んだ。

 

茨菰山中腹から見た仙洞寺山 南東尾根取り付きの竹林 仙洞寺山山頂

 

 適当に山に取り付こうかと道路を渡ると、竹林の中に作業道?を発見して進んでいくとうまい具合に高いところを目指していた。途中、左に進路を変えたがどうも送電鉄塔に向かっているらしく都合がいい。鉄塔直下では檜の幼木が左右に枝を張り出して藪状態だったがすぐに鉄塔に到着、今までの道は送電線巡視路だったわけだ。この先には道はないので適当に登ることにし、竹がうるさい藪を右手に巻いて自然林の中を登り、左に進路を戻して尾根に乗ると踏跡が現れた。どこからやってきたのだろうか。

 淡々と尾根を歩いていると急に林道に飛び出し、法面でその先の尾根に取り付けないため左に迂回して獣道?が続いている場所から尾根に乗り移る。気持ちのいい落葉樹林を登っていくとカヤトの藪に突っ込んでしまうが強引に突破する。時々混じる茨がイヤらしい場所だ。それを抜けると再びおとなしい落葉樹林になり、その上はアオキの群生地に変わる。ここまで登ると尾根がはっきりしなくなり踏跡もなくなるので下山時は要注意だ。

 適当に歩きやすい所を選んで進むと傾斜が緩んで山頂に到着した。山頂には手製の標識があるだけで無人、しかし僅かに残った雪の上には足跡が残されていて、今年に入ってから数人以上が訪れたらしい。足跡は南西から北東に延びる主稜線に付いていたので軽い縦走を楽しんだのだろうか。

 無線は6mを聞くと奥積さんと一緒に出かけているJH1PCJがまだ白井市から声を出していたのでコールした。その直後後藤さんから声がかかり周波数を移ってラグチュー。今年度いっぱいは大阪に単身赴任状態になることが決まり、土日はたまに関東に帰ってくるかも知れないが週末はあっちで山歩きでもしようかと考えているとのことだったので、明日帰ったら関西方面のガイドブックや地図を渡すことにした。ラグっている間に腹が減ったが食料は車に置いたままなので我慢だ。同じ道を戻って車にたどり着き、腹ごしらえをして次の山に向かった。

 

 

 南山は宮ヶ瀬ダムの北側の山で、エアリアマップには道は書かれていないが地形図では破線があるのでそこを目指した。韮尾根トンネル方面に向かい、左に分岐する太い道の脇に南山遊歩道の案内標識が見えたので曲がり、広い歩道に車を乗り入れて駐車した。標識があるくらいなので立派な道が山頂まで続いているようだ。熊出没注意の看板もあったが、こんなところで熊が出るのだろうか? よく整備された道を淡々と歩き東屋を通過、南側には立木がない山頂が見える。標識のような物が立っているのが見えるが人間は居ないようだ。偽ピークを越えて山頂直下にかかると北西斜面の木が全てなぎ倒されていた。それこそ根こそぎ倒れているものも多く、とんでもない強風が吹き荒れたのだろうか。

 

南山登山口 南山近景

 

 山頂はダム方面の見晴らしが良く、雪をかぶった丹沢もよく見えたが逆光なのでディテイルまでは見えない。右手には小金沢連峰、黒岳直下だけが白かった。6mでCQを出している檜原村移動局を見つけてQSO、奥多摩周遊道路は除雪されノーマルタイアでも入れるそうだ。当然、あちらの周囲は真っ白とのこと。その後奥積さんから声がかかったが未だに白井市で、今後の予定は未定とのこと。明日タイミングがあったらQSOしようと約束して無線設備を畳んだ。

 温かい日差しにほぼ無風の陽気に眠くなりそうだったが、午後になって寒気が入ってきたようで北西の風が吹き出した。でも車に戻れば天国で温室の中にいるようだ。着替えを済ませ温泉に向けて出発、藤野町営のやまなみ温泉に立ち寄った。藤野町牧野にあり、中央道渋滞時の裏道で使う県道脇ですぐに分かった。午後3時くらいに行ったが大変な盛況で、駐車場に入りきらない車の待ち行列ができているほどだった。幸い、軽自動車用駐車場に空きがあったので入れることができた。ここまで混雑する温泉は久しぶりなような。関東近郊の温泉はほとんど入ってないから様子が分からないが、どこもこんな様子なのか? \600/3時間のほぼ妥当な水準だった。

 

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