大月の山 大久保山、コタラ山 2005年1月10日

 

 

 大月の扇山と百蔵山は以前縦走した経験があるが、日本山名事典に新たに大久保山、コタラ山が掲載されたので再訪することにした。大久保山は扇山のすぐ西側のピークで、コタラ山は扇山、百蔵山の中間地点にある。通常ならば扇山から百蔵山まで縦走して稼ぐだろうが、せっかく車が使えるのだからとアレンジしてみた。宮谷川沿いに林道が上流に延びているので、ここを入れるところまで車で入り、適当に稜線に上がろうというわけだ。エアリアマップを見ると茶色い波線も書かれているから踏跡くらいはあるのだろう。ま、この標高なら藪はほとんどないので道の有無は気にしないが。これなら縦走するより短距離しか歩かなくて済みそうだ。

 藤野町営やまなみ温泉を出て国道20号に合流、上野原のスーパーで買い物を済ませ、宮川の標識に従って右に曲がり急激に高度を上げていく。宮谷川沿いの林道は最初からダートだが路面は荒れておらず、所々コンクリートの舗装面も現れた。最近車が入った形跡もあり、残雪に轍が残っている部分もあった。雪が少ないところはノーマルタイアでも問題ないが、傾斜があってそこそこ距離もあり、しかも凍結してつるつるの路面が登場するともうお手上げで、日陰でそんな場所が現れてしまい、あきらめて戻ることにしたが、Uターンするにも広さがある場所がなく、バックのまま延々と走ることになった。後ろから車が来なくて助かったぁ。

 残土捨て場のような広場があったので車をつっこみ今夜の宿とする。ここは他に車が来る心配もなく静かに過ごせた。朝の冷え込みは厳しく、今日もガラスに氷がびっしりと張り付いた。食事を済ませ着替えて出発だ。

 最初は林道歩きで凍って滑りやすい部分を避けつつ進み、上水施設の少し上で右に入る作業道に乗り移った。林道をまっすぐ進んで終点から適当に登ってもいいが、最初に大久保山に登る関係上、あまり林道を深追いすると大久保山から離れたところで稜線に出ることになるので無駄が発生する。そのため、適当なところで右に入ったわけだ。作業道はいくつも分岐するが、なるべく効率よく高度を上げそうな道を選んでつないで歩いた。やがて赤松の伐採地帯になり、振り返ると真っ白な富士山が見事だった。

 

大久保山山頂

 なおも作業道を辿ると谷筋になり、徐々に道が消えていき谷の幅も狭くなって歩きにくいので左手の尾根に取り付くことにしたが、斜面の傾斜が急すぎてよじ登れず、トラバース気味に歩き続け、獣道が現れたところでそちらに転進し、木に掴まりながら強引に尾根を目指す。尾根上は落葉樹林で踏跡はないが藪もなく、そのまま高いところを目指して適当に歩いた。かなりいい傾斜でグングン高度を上げていく。左に巻き気味に歩いているととうとう登山道に飛び出し、その後はその通りに歩いた。北斜面では雪が残っており、半端に融けた場所は凍結して始末が悪く、わざと道を外して歩いたりした。雪がある場所でも2,3cmなのでスパッツなしでも問題なし。

 GPSの表示どおりピッタリの場所でピークが現れ大久保山の山頂標識があった。落葉樹林の疎林で冬の間は日差しがあって助かる。気温は-6℃だが無風で日差しがあるのでさほど寒さは感じない。6mを聞くと何も聞こえないが、AM8時を過ぎているので奥積さんがワッチしている可能性は高かろうとCQを出すと期待に違わず応答があった。なんとまだ白井市で、昨夜は近所在住のJO1PSX柴さんとアイボールだったそうだ。発電機のガソリン残量が少なく、ガス欠になったら撤収とのことで、次の山に間に合うかどうか。ここは奥積さんとしかQSOしなくてもコタラ山に到着する時間帯には他に局が出てくるだろうと無線を切り上げた。


宮谷分岐標識(奥の方向が宮谷) コタラ山取付(縦走路は左に巻く) コタラ山山頂

 

 大久保山の下りは凍ったところを避けながら下山、軽アイゼンを持っているので付けてもいいが面倒だから道を外したりして歩く。少しでも日当たりのいい場所はすっかり雪が消え、まだ真冬の山といった感じがしない。標高を下げると水平移動が始まり、この区間では凍結部分は消えていた。やがて左手を指して「宮谷部落」との案内標識があり、林道に下る登山道らしく、帰りはここを歩いてみようと考えたが、もっと先のコタラ山から下りきった場所には「宮谷」の案内標識があり、こっちの方がショートカットになるからと下山に利用することにする。百蔵山への縦走路はコタラ山を巻いてしまうので、巻始めから尾根を直進して山頂を目指す。檜の植林と自然林の境界を歩き、最高地点に到着した。

 

林道終点

 山頂は見晴らしはなく、南半分が檜で覆われているので日差しが無く寒かった。登山道から外れているせいか標識はないが、雪の上に足跡はあったので訪れる人はいるようだ。DPを張ってCQを出すと横須賀の局から応答があり、ついついラグチューになってしまう。途中で奥積さんが嗅ぎつけて声をかけてくるかと思ったがそれはなく、既に撤収したようだ。こちらも1局でおしまいにした。

 宮谷への分岐を下るとしっかりした道で、エアリアマップで赤実線でもいいような道だった。林道のどの辺りに出るかと思ったら終点に飛び出した。ここに案内標識があると登ってくる人に親切だろうが何もなかった。林道は所々凍結したり、1カ所だけ小さな沢でえぐれて普通車では通行が難しいところがあったが、雪が消えれば終点のかなり近くまで入れるだろう。車を置いた場所は林道始点からさほど入っていなくて、林道入口の民家が意外に近くに見えていた。


2000m未満山行記録リストに戻る

 

ホームページトップに戻る