天神山,倉岳山,細野山,鳥屋山,矢平山,甚ノ函山 2005年1月29日

 

 

 中央線沿線の山で地形図記載の山はほぼ全て登り終わっているが、山名事典に新たに記載された山が多数誕生したので再び訪れる機会が生まれた。先週は高尾山南部を歩いたが、今回は倉岳山から東側の尾根を歩くことにした。本当は車で遠くに出かけて土日で数を稼ごうと考えたが、土曜夜から雨で日曜は強力な寒気が入って冷え込むとの予報で、下手な場所に車で入ると道路がテカテカに凍って脱出できない事態も考えられる。それに水曜日の雨が山間部では雪になってまだ北側の日当たりの悪い場所では凍っていることも充分あり得る話で、車で出かけるのはリスクが伴うと判断して電車で行けるエリアにした。その中でも倉岳山から高柄山にかけては新規記載の山がいくつも並んでいて効率的に稼げる。

 心配していた天気も朝4時は快晴、6時半にこれまた晴れの鳥沢駅を降り、地図を見ながら穴路峠を目指す。気温は−5℃と冷え込み、民家の屋根にはまだ雪が残っていた。やっぱり水曜日はこっちは雪だったらしい。でもほとんどの道路は雪が消えていて、所々凍結箇所もあったがノーマルタイアでもどうにかなりそうだった。さすが倉岳山、高畑山は有名どころで要所要所に案内標識があるので地図を見なくても標識を見落とさなければルートを外さない。民家を過ぎて車止めのポールが立つ未舗装林道に入ると貯水池脇を通って廃林道になった。このルートはずっと昔、高畑山から倉岳山を歩いたときに通っているが、貯水池だけはよく覚えていた。

 廃林道は沢と化してゴロゴロの石が横たわりとても車の通行は無理で、適当に歩きやすい所を選んで上流を目指した。雪はコンスタントに現れるようになるが、水曜日以降に歩いた足跡がいくつかあり、ルートははっきりと分かった。まだ早い時間で雪も締まりスパッツもアイゼンも不要で黙々と歩く。途中、高畑山方面の道が右に分かれるがそっちに用事はないので直進、やがて沢から離れて右に巻始めると稜線も近いようだ。

天神山 876m 上野原

穴路峠(右が倉岳山方面) 天神山山頂

 穴路峠に出ると日当たりが良くなり一部雪が消えている部分も見られるが、大部分は雪で真っ白であり、秋山村から上がってくる道も雪で覆われ新しい足跡は無かった。はやり大半は大月側から行き来するらしい。最初の山、天神山はここからわずかに西なので斜面を登り、数分で山頂に到着した。積雪は10cm程度、一面真っ白で地面は出ておらず、雪の上にザックを置いて銀マットと断熱シートで冷たさを防いで休憩。先週、6mのDPが断線したことをすっかり忘れていてそのままになっており、どうにか仮接続して運用するが風が強いと断線してしまうだろう。幸い、ほぼ無風でアンテナは大丈夫、南に雲は多いがまだ日差しがあって温かく、気温は0℃くらいまで上がってきた。

 6mをワッチすると以前は移動運用を良くやっていた立川の局がCQを出していたので声をかけ交信、まだ朝早い時間でほとんど電波が出ていない時なので助かった。

倉岳山 990m 上野原

某猫吉氏の標識 倉岳山山頂

 次の目的の山は細野山であるが、その前に倉岳山を越えなければならない。倉岳山は無線運用済みなので今回は素通りするが、行程上最高峰の山である。峠に下ると見慣れた文字で「穴路峠」と書かれた手製の標識が木に取り付けられており、もしやと思って観察すると取付方法が某猫好きと同じで、背面を見ると本人のサインまであったので「達筆標識」と確認できた。裏面の数字は昭和だと思うが、もう20年以上前の標識がさほど劣化もせず付いているのだから取り付けた人間より長生きしそうだ。

 峠から倉岳山まで標高差200m弱、20分程度だろうか。歩き始めてすぐに鈴の音に気づき、100mくらい前を歩く人の姿が見えた。私より1本後の電車で来た人だろうか、倉岳山方向に登っている。こちらはさっきまで休憩していたばかりなので快調に飛ばし、すぐに追いついた。水平移動から急な登りに代わり、柔らかくなった雪を踏んだり避けたりしながら高度を上げ、登り切って少々東に歩くと倉岳山山頂だった。以前の記憶は全くなく、どんな山頂標識があったのかも覚えていないが、その当時から山梨100名山の標柱はあったかなぁ。無人の山頂で写真だけ撮影して先を急いだ。

細野山 838m 上野原

立野峠(直進が細野山方面) 細野山山頂

 ここから太い道は南に下っており、東の尾根は踏跡もなく、地図を見ると確かに南に折れている。案内標識に書いてある「立野峠」がどこにあるのか知らなかったが、地図を見てようやく分かった。細野山のすぐ西側で、このまま峠を目指せばよい。雪が消えた場所もあるがまだまだ積雪があり、相変わらず10cm程度の深さが続いていたが、トレールがあるので相変わらずスパッツは不要だった。立野峠はそのまま直進、以前歩いたときはたぶんここを左に下って柳川駅に向かったと思う。今だとそんな距離じゃ運動不足だと感じるが、当時はまだまだ初心者だったからなぁ。峠から先はトレールが無くなるかと思ったらそんなこともなく、東に足跡が続いていた。

 峠から緩やかに登ると東西に長いピークにたどり着き、GPSの表示ではここが細野山らしい。エアリアマップにも出ていない山頂だから標識はなく、誰もこんな場所で休憩せずに通過してしまうだろう。東端で植林帯が切れて見晴らしのいい雪が消えた場所に陣取り無線を運用した。1局で終わりにしようかと思ったら数局から声がかかり、最後は後藤さんと交信して終わりにした。残念ながらまだ奥積さんの声は聞こえなかった。

トヤ山 818m 上野原

エアリアマップの鳥屋山(808m)山頂 山名事典のトヤ山(818m)山頂

 次の鳥屋山はエアリアマップでは808mピークを指しているが山名事典では818mと出ており、エアリアマップの標高が間違っているのかと思っていた。緯度経度は山名事典を見て入力したのでGPSが正しい山頂を示してくれるはずだ。いったん下って登り返し、細かいピークをいくつか越えると「鳥屋山」と書かれた達筆標識登場、ここがエアリアマップ上のトヤ山であるが、GPSを見ると山頂は東に約1.2kmと出ており、山名事典の山頂ではないこTが判明した。どうやらエアリアマップの「舟山」が山名事典のトヤ山らしい。写真だけ撮影して歩き続け、緩やかに下ってから一気に登りになる。登り切ったピークは東西に細長く、山頂標識も広場もなく全く山頂ぽくないタダの尾根だ。トヤ山の標識はもちろんだが舟山の山頂標識も見あたらない。東端の桧植林地に、わずかに雪が消えて地面が出ている場所があったのでザックを下ろした。こりゃ絶対に普通の人は通過するだろうなぁ。

矢平山 860m 上野原

寺下峠 直進が矢平山 矢平山山頂

 高度を下げて寺下峠を通過、763mピークは左を巻いて矢平山の登りにかかる。巻道は雪でいっぱいだったが南斜面でほとんど雪は消えてしまい、落ち葉を踏みしめて岩混じりの斜面をグイグイ登ると尾根は右に屈曲、ほぼ水平になり再び積雪が現れる。山頂が見えてくると本日初めての大パーティー、10人くらいいるだろうか、三角点周辺に陣取っており、近くで無線をするのが恥ずかしいので東に離れた場所で休憩とする。写真は後で撮影するか。DPを張って声を出すと知り合いから声がかかり、奥積さんの話題を出していたら本人から声がかかった。そろそろマンションの塗装工事が始まるのでもうアンテナを畳むとのことで、私よりもせわしない無線運用だった。しばらくはそんな生活が続くようだ。運用中に大集団は東へと下っていき、撤収後に山頂及び三角点の写真を無事撮影できた。

甚ノ函山 810m 上野原

旧大地峠(右が甚ノ函山方面) 甚ノ函山山頂

 最後の山は縦走路から僅かに外れているが、この標高ならば藪がある植生とは思えないので楽勝だろうと想像した。GPSがあるので尾根分岐を見落とす心配はないし、視界良好で目視でも大丈夫だ。下ると小ピークの右を巻いて小鞍部に到着、ここには「旧大地峠」の標識があり、目的の尾根には「甚ノ函山」の指導標もくっついており、エアリアマップに記載はないが実際は登山道が通っているようだった。さすがに踏跡は薄くて雪の上には1人の足跡しか残っていないが、しっかりとした夏道があるのが分かる。スパッツをしようかしまいか迷う程度の雪の深さだが面倒なのでそのまま歩き、緩やかに上がると山頂だった。意外にも山頂標識があり、秋山方面から歩く人も多いらしい。植林帯で視界はなく、日当たりも悪いので雪が一面に残っている中で運用した。

 

新大地峠 人家に出たところ

 帰りは大地峠から四方津に下る。この界隈は新たに林道が切り開かれ、大地峠のすぐ南まで林道ができており、林道に下る登山道もできていた。まあ、今の時期は雪があるので車では入れないだろが無雪期は使えるかも。ゲートが無ければの話だが。峠と言っても細い尾根の途中といった感じで、目の前のピークを左に巻くルートに入って尾根に乗り、右手に行く高柄山へのルートとは逆に西を目指して下っていく。エアリアマップの赤実線だけあり迷う心配のないいい道で、先の大集団が下っていったようでトレールもしっかりしている。高度を落とすと雪が徐々に消えていき、もう住宅地が近い場所で集団に追いついた。すぐに廃林道終点に出て、僅かで舗装道路終点、そして人家に。あとは延々と車道を歩くだけ。天気が下り坂で細かい雨がポツポツと落ち始めたが長続きせず、雨具が必要になる前に四方津駅に到着、1分の待ち時間で電車がやってきた。

 

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