鈴鹿 竜ヶ岳 2005年3月21日

 

 竜ヶ岳は藤原岳の南側に位置し、昨年誕生した三重県いなべ市と滋賀県東近江市の境界に位置する。御在所岳から下山後、移動距離も短く、高速道路からさほど離れていないので東京に帰るにも便利だし、手頃な標高差なので3連休最終日に登ることにした。登山口は宇賀峡を考えていたが、現地に行ってみたら国道分岐から先は車で入れなくなっており、予想以上に水平移動が長くなりそうだったので、冬季通行止めの国道を入れるところまで入ってみて、宇賀峡よりも山頂に接近できたらそちらから登ってしまおうと考えた。

駐車場所。道幅が狭くなる直前 路肩崩壊箇所

 宇賀峡分岐で国道にゲートがあるかと思ったら存在せず、通行止めの看板があっても脇から入れるようになっていてスイスイと走れた。何が目的か不明だがあちこちに車が止まっているのが気になるところだ。標識によると冬季通行止めではなく路肩崩壊で通行止めとのことだが、どこで崩壊したのかが書いていないので実際に入って確認するしかない。かなり入ったところで重機が通せんぼしている場所があり、本当に路肩が崩壊していた。さてここはどの辺だろうか? 尾根上ではないので周囲の地形から読図で現在位置を確認するのは至難の業であるが、こんな場合に活躍するのがGPSである。今回は高度が目安になる。この道路はほぼ登り一辺倒なので高度が分かれば位置が割り出せる。結果、高度は515m、山頂までの距離は約2.6kmで、エアリアマップで位置が判明した。ここまで来れば石ぐれ峠まで1時間程度歩けば到着できそうで、宇賀峡から歩くよりも時間がかからないだろうから、明日はここから歩き出すことにした。明日は祝日なので工事はお休みだろうと考えたが、万が一工事をやったときに車が邪魔にならないようかなり戻って道が広くなった場所で車を止めた。ちょうど地形図で道幅が狭くなる場所である。

国道から見た竜ヶ岳

 天気予報では快晴とのことだが、夜中になって雨が屋根を叩く音が聞こえた。しかも大粒、風も強く寒冷前線でも通過しているのだろうか? まさか天気予報が外れた? でも雨が降ってくれると花粉が飛ばないのでうれしくもある。翌朝起きると風は強いが雲は消えていた。気温はやや低めだがあまり冷え込んでいないようだった。しかし、山の高いところが白くなっている! 昨晩の雨は標高が高いところでは雪になったらしい。まあ、さほど積もってはいないだろうと軽アイゼンだけ持った。

車幅制限のゲート 石榑峠(三重側から滋賀側を見る)

 車道は崩壊場所以外は問題なく、もしかしたら滋賀県側からなら峠まで入れるかも知れないと思えるような状態で、雪もほとんど消えていた。峠から少しの区間は道幅が狭く、大型車が入れないようにコンクリート柱で制限されていた。道ばたには高速道路のような距離ポストが設置され、工事現場から約3kmで石榑峠だった。峠の南にはdocomoの巨大な中継所があり、竜ヶ岳登山道は反対の北側にある。

 良く歩かれるようで溝と化した登山道を登るとすぐに雪が現れたが支障になるほどではない。まだ早朝で雪が溶けていないので葉の上に載った雪で山肌が真っ白、絵になる風景だ。風が強いので体感温度は低いが、車道と違って傾斜がきつくて体が温まるのでTシャツに腕カバーで歩けた。部分的に開けた場所があって滋賀県側の眺めが良かった。振り返るとマイクロ波中継局が低い。

うっすら雪化粧した登山道 重ね岩 正しい標高は930m 緩やかな尾根へ。一番奥が山頂

 

 鈴鹿山脈全体が花崗岩を主体とした地質のようで、あちらこちらに露岩があり、重ね岩という標識もあった。なおこの標識では標高が830mとなっていたが、実際は930mの間違いである。上空が開けて4個以上のGPS衛星による測位結果なので間違いない。その近くで鹿の鳴き声を聞いた。なかなか遠くに行かないで警戒の声を上げていたが、樹木が邪魔で姿は見えなかった。

 最後の急な登りをこなすと樹林帯から笹原に変わって視界が一気に開けると同時に風がもろに吹き付けて寒くなる。上越国境のような強固な笹ではなく腰くらいの高さなのでもがくほどではなさそうだが、刈り払いがなければかなり鬱陶しいに違いないが、一般登山道なので第1級の刈り払いの道だった。笹原になるとすぐに山頂の一角で、南西から北東に長い稜線の端から北東に向けて歩いていく。まるで高原のような緩やかな尾根で、雪庇の融け残りの上を歩いたりしてほぼ水平移動で山頂に到着した。

竜ヶ岳山頂 竜ヶ岳から見た御池岳 竜ヶ岳から見た御在所岳

 

 山頂は平らで、周囲に樹林はなく低い笹原のままなので視界はとてもいいが風から逃れるすべがない。いくつもの山頂標識が林立し、円形の展望盤も設置されている。残念ながら春霞で遠望が効かないが、日光を反射する伊勢湾がかろうじて判別できた。北側の白き山々はどこの山だろうか。昨日登った御在所岳はロープウェイの建物で分かり、鎌ヶ岳は尖った頭だけがかろうじて見えていた。風を避けられる場所がないので、防寒着を着込めるだけ着て無線運用した。

 どうやら徐々に風が弱まってきているようだが、今日は東京に帰らなくてはならずのんびりしていられない。元来た道を戻る頃には霧氷のように白かった木々の雪も溶けて春の様相に戻っていた。

 

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