浅間 車坂山、トーミノ頭、黒斑山 2006年07月08日

 


 黒斑山は過去に2度ほど登ったことがあるが、地形図には車坂山、トーミノ頭は記載されていないので通過しただけで無線運用は行っておらず、山名事典に名前が記載されて以降はいつか登ろうと考えていたが、朝の浦倉山だけでは時間が余ってしかたがないので、東京への帰り道は小海線沿いから清里、明野を通って中央道経由で帰ることにして、その通り道の途中に当たる車坂峠からこれらの山に立ち寄っていこうと考えた。

車坂峠から僅かに群馬県側に下った嬬恋村営駐車場

中コース入口。車坂峠へも行ける

 

 国道から車坂峠への分岐を見落としてしまい、地蔵峠への道に入って少し登ってから左折し、しばらく走ってから標識を見つけて右折して無事目的の道に入った。しばらくは舗装道路が続くがやがて未舗装となる。未舗装の道なんか久しぶりだが北海道の林道のように路面状況は良好で普通車でも走行には問題なく、対向車に注意しながらのんびりと車を走らせる。まだ朝の時間帯で対向車もなく、突如として広い2車線の道に変貌、少し走るとスキー場の施設が見えてきて、その先の右カーブが嬬恋村営無料駐車場である。以前来たときもここから歩いたように記憶している。時刻は8時半、ぼちぼち車が止まっていて出発の支度をしているハイカーも見られ、こちらも出発準備だがさっきの浦倉山で着替えたままなので、登山靴に履き替えてそのまま出発である。天候は雲が増えているが若干隙間が残っていて青空も見えるので問題ないだろう。帽子をかぶるほど日差しはないので置いていくことにした。

 浦倉山よりも歩く人の数は圧倒的に多いだろうから登山道の状態は全く問題ないし、2度も歩いているので様子も分かっており地図を見る必要もないくらいだが、エアリアマップの浅間を持っていく。車坂山とトーミノ頭の位置はGPSにお任せである。車坂山は峠から登った最初のピークであるが、トーミノ頭は鞍部の南側ピークなのか、それとも黒斑山へ登る途中の肩なのだろうか、まじめに地図を見て標高を調べれば分かるのだろうが現場に行けば分かるさと調べもせずに歩き始めた。GPSの弊害だなぁ。

 一次は火山活動が活発化して車坂峠から先は登山禁止だったが、今では黒斑山を越えてカルデラの賽の河原まで入れるとの御触書が車坂峠登山道入口にあり、黒斑山までは問題ないようで安心だ。この天気では浅間山は雲に隠れて見えない可能性が大きく残念だが、今ではかなり煙の量も減っているのだろうか。昨年秋は北アルプスから噴煙を上げる姿がはっきりと見えたのだが。

東から見た車坂山 草ぶれた車坂山山頂

 

 体に触れる藪は皆無の快適な道で、半ズボンでも全く問題がない。泥濘もないし雲で日差しが遮られて暑くはないが、やっぱり虫が多いのは季節柄しょうがないところだろう。樹林が開けた場所だったら虫が少ないかもしれないが、樹林のまっただ中では虫がうるさいが、そういう事態を予想して虫除けスプレーを持ってきたので問題なしだが。緩やかに登り切ったところが車坂山だが標識等は無くて休むような広場もなく、誰も足を止める人はいないようだ。一番高い場所は僅かに巻いているので草ぶれた最高点に踏み入ったが何もなかった。

 僅かに下って鞍部を通過すると火山岩の転がった開けた斜面を登っていく。オバサンの大部隊が休憩中で賑やかだったが、峠を出発してこんなところで休んでいていいのだろうか? ま、1日でここしか登らなければ時間はたっぷりと有り余るだろうから問題ないけど。樹林帯に入ってぐんぐんと高度を上げていき、左前方に鞍部が見下ろせるようになってくるが、この先のピークがトーミノ頭だろうか? 登山ルートがどう通っていたのか記憶がないが、もしピークを巻いていたら藪漕ぎしないと山頂に到達できないかなぁ。まさか藪漕ぎがあるとは思わなかったので長ズボンやスパッツは置いてきてしまったなぁ。しかしエアリアマップを見ると登山道はピークを通過しているし、トーミノ頭の位置はそこではなく、どこを差しているのか判別できない位置(まるで鞍部を差しているような)に書き込まれていた。こりゃGPSにお伺いを立てるしかなさそうだ。

噴石避けの避難小屋 トーミノ頭

 

 前回登ったときにもあったカマボコ型の噴火時避難小屋はそのまま存在していたが、前は錆なんか無かったような気もする。そこからピークまでは僅かで、ピークのてっぺんでGPSを見たがトーミノ頭はまだ東と表示が出た。ガスの向こうに鞍部、黒斑山が見えているが、その手前のガレの肩がトーミノ頭だろうか。やはり浅間山は雲の中に入ってしまい影も形も見えない。最初に登ったときもそうだったよなぁ。鞍部に下ると中コース分岐があり、帰りはこっちから下ることにする。ガレの尾根を登っていると高山植物が咲いているのに気づき、こんなところでもハクサンイチゲが。イワカガミはもう咲き終わっている。名前を知らない白い花も見られた。

中コース分岐 トーミノ頭山頂

 

 ガレを登り切って岩の露出した場所がトーミノ頭であり、標識は無いが樹林から飛び出していて晴れていれば眺めが良さそうな場所であった。今は真っ白で何も見えない。車坂山同様、休憩するほど歩いてはいないが無線が目的なので430FMで1局捕まえてからおまけの黒斑山に向かう。黒斑山は無線運用済みなので登る理由は特にないが、ここまで来て登らないのは山に失礼だろう。この前の猿面峰〜佐武流山よりもはるかに近い。ガスの露が付いて湿っぽい樹林を登ると火山監視用テレメータがあり、銘板を見たらうちの会社製だった。設置工事、ご苦労様。

賽の河原方面分岐 火山活動監視施設
黒斑山山頂 黒斑山山頂から見たカルデラ

 

 そこから黒斑山まで僅かな距離であり、10年ぶり近い山頂に到着してもガスが晴れることはなかった。僅かに隙間からカルデラは見えたがご本尊の浅間山は全く見えず、硫黄臭は感じないので風下ではないようだ。山頂には男性1人がいるだけで静かだったが、あのオバサンパーティーがやってきたら賑やかになるだろう。無線をやる必要もないし眺めも無いのでは滞在してもしょうがないので早々に引き上げた。

 下山に使用した中コースも踏まれて心配はなく、逆にオーバーユースで溝と化した区間もあるほどだった。こちらはほとんど密な樹林の中をいくのであまり展望は利かないが、真夏の日差しが照りつける中だとこっちの方が涼しくていいかもしれない。順調に下ってほどなく駐車場に戻った。

 帰りは佐久市内で適当な温泉に入ろうと思ったのだが、それらしい看板を見かけないまま佐久穂まできてしまい、結局は海ノ口まで走ってから駅近くの旅館で入浴した(@\500)。真っ昼間なので貸し切り状態、前回来たときは夕方で賑わっていたのが嘘のようだった。

所要時間

車坂峠駐車場−0:15−車坂山−0:36−避難小屋−0:05−中コース分岐−0:05−トーミノ頭−0:14−黒斑山−0:11−中コース分岐−0:30−車坂峠駐車場

 

 

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