安倍山系 森山 2006年12月31日

 

 

 貫ヶ岳の北側には森山というマイナーな山がある。西側に東海自然歩道が通っており、稜線付近まで林道があるようだからそれが通行可能なら楽して登れそうだ。もし通行できない場合は南東尾根から最短距離を登るのが良策だろう。貫ヶ岳を石合から登れば下山したらすぐに森山に取り付けて無駄がない。そう考えて貫ヶ岳は石合から登った後に森山に向かった。なお、この辺の山域を何と呼ぶのか知らないが、とりあえず安倍山系としておいた。なんか安倍山系というと静岡県内のような気がしないでもないが・・・。

巡視路入口 巡視路入口付近の車道

 

 なにせ地形図を持っていないので細かい地形が分からず、途中でノートパソコンの電源を入れてカシミールで地図を見ながらである。上村集落に入ると東海自然歩道の看板が現れ、それに従って上がっていくと集落を抜けたところで道路上に重機が置かれて通行不能だった。後から地図を見て考えるとこれは上徳間へ行く車道とは別の道だったようだが、このときは林道は通行止めと考えて南東尾根を登ることにした。石合分岐を通過、右手に公園があるところで再びPCの電源を入れて地図を確認、早めに取り付いてしまうと590m三角点峰へ登る尾根に乗ってしまうので、送電線が頭上を通過するところまで移動、送電線巡視路入口の標識を見つけて路側に車を置いた。付近に駐車スペースはないが道幅は広く交通量も少ないので大丈夫だろう。

伐採地を登る 送電鉄塔に出る
鉄塔裏 植林帯を登る

 

 巡視路入口付近は伐採した木材の集積場になっていてルートがかき消され巡視路が分からない。とりあえず東側の尾根の方が590m三角点峰へ登る尾根に乗る危険がないのでそちらに登る。伐採現場を適当に登って尾根に乗るがどうも巡視路らしくない薄い踏跡だが藪はないので問題はない。送電鉄塔を過ぎるといきなり道筋は消失、カヤトに覆われた藪だ。木の藪よりはずっとマシだができるだけ隙間を見つけてかき分けて登っていくと植林帯に変わり目印のピンクリボンが付いていた。ま、ここは目印が無くても樹林の隙間から鉄塔が見えるので下山時も問題ない。

2つめの送電線 巡視路を突っ切り尾根を登り続ける

 

 ここより上はずっと植林帯が続く。踏跡は皆無だが藪もなく快適に登れるのはありがたいが、時々尾根がはっきりしなくなり下りでルートを外す危険があるので目印を付けながら登っていく。なぜか杉や檜の中に太く高い茅の木が混じり不思議な植生である。植林するときに伐採せず残しておいたのだろうか? 標高320m地点で左手から目印付き踏跡が合流、どうやらこっちが送電線巡視路らしく、帰りに引き込まれないよう目印を忘れない。少し歩くと送電線が頭上を乗り越えて隣の尾根に立った鉄塔へと続く伐採地に出て、その先に送電線と平行するように立派な巡視路が通っていた。このグレードは間違いなく巡視路だが、さっき乗った踏跡はこれと比べれば2段階くらいグレードが落ちるから巡視路ではないのかもしれない。まあいいや、巡視路であろうがなかろうが山頂まで行ければいいのだから。

巡視路裏側の尾根を登る 尾根がばらけた急な登り
標高420m小鞍部 笹混じりの急な尾根を登る

 

 巡視路を突っ切って尾根を登ると再び植林帯に入り、尾根がばらけて急な登りが終わると右手から太い尾根が合流、道があるわけではないがここも下山時に引き込まれないよう要注意箇所だ。小鞍部を通って急な登りにさしかかり、杉の植林帯をジグザグに登っていくと徐々に笹が出てくる。この尾根は最近登っている早川、身延と同様に右手が切れ落ち左手がなだらかな非対称地形だ。尾根がはっきりしているぶんだけ動物の歩くルートは尾根上に集中するらしく、尾根直上には明らかに獣道があって笹は邪魔に感じなかった。

笹の中に獣道 笹に覆われた森山山頂
森山山頂西側ピーク 森山から見た篠井山
森山から見た白水山 森山から見た富士山

森山から見た南ア北部

 

 ようやく傾斜が緩むと森山の山頂で、杉の植林の下に笹がぼうぼうに茂り放題、標識や目印は無かった。北側が僅かに伐採され、真っ白な南ア北部が見えたのには驚いた。この方向からだと北岳が尖って格好良く見えるのはうれしい。今日あたりはあそこを登っているパーティーがいるのだろうな。これだけはっきり見えているのだから風はそこそこ弱くて登山日和だろう。その手前には黒々とした大唐松山が目立つのは個人的思い入れが深いからだろうか。たぶん普通の人なら気づきもしないだろう。この季節では私の力ではあの急な尾根は登れないだろうな。東側の樹林の隙間からは富士山も見ることができた。西側は同じような高さの尾根が伸び、樹林が切れて南側はカヤトの原で、尾根上には鹿避けの柵が続いていた。たぶんカヤトの中には檜の幼木が植林されているのだろう。

登ってきた尾根を外れて目印の付いた尾根を下る 目印は尾根を外れて斜面に続く
下方に沢が見えてきた 巡視路にかかる橋。なくても問題ない幅だけど

 

 帰りは送電線巡視路を突っ切るまでは同じルートで、その下では目印が付いた尾根に乗ったのはいいが、これが途中で道筋が消え、疎らとなってしまった目印を追って斜面を適当に下ると谷底に出てしまい、小さな滝で降りられないので左に巻いて合流する太い沢に下り、そのすぐ下流で本物の巡視路に出会った。巡視路は尾根を直登するのではなく西側に巻きながら登っていくようだ。最後の伐採地は登りと同様に道筋が消えかけており、初めての人が巡視路入口から登っても巡視路がどこにあるか分からないだろう。入口から左の尾根を巻きながら上がっていくのが正解だ。



所要時間
巡視路入口−0:08−鉄塔−0:16−巡視路横断−0:35−森山山頂(休憩)−0:15−巡視路横断−0:12−巡視路入口

 

 

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