甲府盆地北部 大久保山 2007年1月20日

 


 私が知る限り山梨県には大久保山が2つ存在する。一つは大月の扇山近くで日本山名事典記載の山であり既に登った。もう一つは奥秩父のゴトメキ、遠見山から連なる尾根の末端に位置する地形図記載の山である。その尾根には大烏山、小烏山と2つの山があり、どうせなら縦走してそれらをいっぺんに片づけたいところだが、先週の積雪状況を考えるとこの標高ではかなりの雪があるのは確実で、道がないところで笹が出てきたら悲惨なことになるのは間違いない。そこで今回は距離が離れた大久保山だけ登ることにし、大烏山、小烏山は雪が消えてから周遊することにした。

 登るルートであるが、大久保峠までは破線が書かれていので峠から往復するのがいいだろう。峠までは徳和から往復する方が登山口の標高が高いので楽だと考えられるが、谷が狭く車道の凍結が心配なので今回は南側の妻集落から伸びる道路を上がれるところまで上がり、残りを歩くことにした。この道は南向きなので比較的雪は少ないだろう。地図では焼却場があるので、そこまでは除雪されているはずだ。

林道。狭いがコンクリート舗装 林道終点

 

 勝沼ICで降りるのは久しぶりで近いので高速料金も安くていい。といっても最近は甲府南までしか走らないことが多く、あまり変わらないが。夜なので周囲の状況は見えないが、中央道を走っている限りは北向きの斜面にも雪は見えなかったので先週より雪が少なくなっているようだ。まだ賑わっている塩山市街地を抜けて牧丘市街地を通過して琴川左岸沿いの道に入る。分岐には焼却場の案内看板があるかと思ったら何も無い。集落を抜けてもいい道が続き、どこで雪が出てくるかビクビクしながら走ったが斜面にも雪はない。公園のように整備された場所から道が細くなるがまだ舗装は続き、いったいどこで焼却場が出てくるのかと見ていたのだがこの細さではもう出てきそうにない。まさか道を間違えたのではないよなぁ。やがて檜植林帯で舗装が終わると同時に林道が終わり、Uターンして路側が広いところで車を止めた。本当に道を間違えていないかGPSで見てみたら大久保山は北に約1kmと出たので大丈夫のようだ。現在位置を正確に把握するには高度が手っ取り早いが、人工樹林でGPS衛星の捕捉が難しく高度は分からなかった。

 翌朝の冷え込みはほとんど無く、ガラスの水滴が凍ることもなく冷えたままのカセットコンロ用ボンベを使っても火力が弱まることはなかった。朝飯を食い終わって明るくなってから出発、天候は雲は多いが青空も見えているようで、まだ雨の心配はない。昨日のネットのメッシュ予報では土日とも晴れだったのだが、ラジオの天気予報は悪い方にシフトして山梨は曇り、お昼頃から所によって雨とのことで、何時くらいまで持つのかわからない。冷え込みが弱いとはいえ、この標高では雨でなく雪になるのは確実で、ノーマルタイアでは危険だから雪が降り始まる前に撤退する必要がある。チェーンは持ってきているが装着が面倒だからなぁ。

軽トラなら走れそうな狭い林道が続く やがて山道に変わる
もうすぐ峠の雰囲気 最低鞍部ではない大久保峠

 

 すぐに舗装された林道が終わってジムニーなら通行可能な土の林道になるが長くは続かず作業道になった。暗い植林帯でシャッタースピードが極端に遅く写真撮影は無理なので帰りに後回しだ。樹林に入ってもほとんど雪は見られず、先週と比較してずいぶんと雪がない。もうすぐ峠と言うところまで来ると登山道?がはっきりしなくなるがまっすぐ登っていく。本当の鞍部は右手のようだが踏跡は鞍部より西側を通っているのでそのまま辿ると尾根に出て、SHC井の頭が設置した小さな白い標柱に「大久保峠」と書かれていた。最低鞍部ではないので峠と言われても何か雰囲気が無いなぁ。

峠から西に向かう 山道は左に逃げるがまっすぐ登る
踏跡があるような無いような 防火帯? それとも道?

 

 今度は尾根を西に進む。南は植林帯、北は自然林と唐松植林帯が混ざっているが、どっちも落葉するので北側だけ明るい。境界の尾根上にはポツリポツリと鳥獣保護区ならぬ休猟区の看板が取り付けられ目印になる。明瞭な踏跡というか作業道は左に逃げていくが、どこに導かれるのか分からないので尾根をまっすぐ進むと、檜の植林帯は遠ざかり、南斜面も唐松植林に変わって明るくなった。ちょっとだけ灌木が出てくることがあるがほぼ藪は皆無と言っていい。尾根上には顕著な踏跡はないがたまに目印が出てくるのでそこそこ歩かれているらしい。まあ、この感じだと人よりも鹿の数の方がよほど多いだろうな。たくさんの鹿の糞が落ちている。尾根は痩せている部分はほとんどなくどこも広いので下りでは要注意だろう。

大久保山山頂 SHC井の頭製標識と御料三角点

 

 同じような唐松林が続くが傾斜はきつくなったり緩くなったり繰り返し、防火帯のような帯状に唐松がない斜面を登りきると僅かに雪が残ったピークに到着。真ん中には大久保峠と同じ小さな白い標柱が立っており「大久保山」と書かれていた。その隣には通常の三角点より少し細身の御料三角点。念のためGPSで山頂位置か確認するとピタリであった。標高約1300mでこの残雪量だから先週の甲府盆地西部の山とは大違いである。これなら次の妙見山は山頂東側の標高1000m近い集落まで車で上がれるかもしれない。

 帰りは同じコースを戻った。林道を下りながら焼却場がないか探したが見あたらず、もしかしたらどこか別の焼却場と統合されて廃止されたのかもしれない。


所要時間

林道終点−0:16−大久保峠−0:35−大久保山−0:20−大久保峠−0:08−林道終点

 

 

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