前日光 石尊山 2007年3月3日

 


 全国どこでもありがちな名前の石尊山であるが、ここの石尊山は鹿沼市/旧今市市境界付近にあるマイナーな山である。たぶんガイドブックには無いと思うし、地形図でも破線の記載は無いので好き勝手に適当に登ればいい。一番楽そうなのは山頂南東に伸びている林道を車で入れるところまで入って、あとは適当な尾根に取り付いて登ることだろう。ちなみに点の記でもこの林道を使い、途中から歩いて林道終点で右手の尾根に取り付いている。

林道途中に車を置いて歩く 林道終点。無理をすれば普通車でも入れる

 

 林道入口がある路地が細いので探すのが面倒であるが、地形図を見ながら幹線道路から古い学校か公民館らしき建物の横を通って1本奥の道に入り左(西)に曲がって進むと右手に砂利道が現れた。これが目的の林道で、最近でも車が入った形跡が濃いので安心して走れそうだ。終点まで行けるかどうか分からないが行けるところまで車で行った後は歩きだし、林道の距離は大したことがないので適当な場所で歩きに切り替えても大丈夫だ。かなりガタガタの路面だが先週の三鈷室山のぬかるんだ林道と違って乾いておりスタックの心配がないので車が立ち往生する心配はなく精神的に楽だった。かなり道が荒れて1速に落として走行するようになってから車を置く場所を探しながら進み、右カーブする外側のふくらみに車を置いた。地形図を見ると林道が最後に右カーブするところのようだ。山頂まで標高差約300mといったところだろう。

林道終点右手に廃林道が続く 廃林道終点

 

 少し歩くと林道終点で踏跡というか廃林道が右手に続いているのでそれを歩く。杉の植林帯で日当たりが悪い割にはイバラが茂って鬱陶しく、廃林道化してからかなり時間が経過しているようだ。もちろんこの廃林道は地形図には記載されていないのでどんなルートでどこまで続いているのか不明であり、稜線に上がりそうもなかったら適当な場所で上を目指すか。でもジグザグに高度を上げていき稜線に接近していき、もう少しで稜線というところで終点に到達、ここからは小さく急な尾根を上がっていく。帰りのことを考えてピンクの手芸用紙テープを巻きながらだ。稜線からここへと下る場所は少し多めに巻いておいたが、結果的には必要なかった。

廃林道終点から登ってきた小尾根 短い区間だけ明瞭な道があった
尾根がばらけた急な斜面を登る 稜線(南尾根)に出る

 

 稜線に出ると獣道らしき筋はあるが人間の踏跡は無いのは当然であるが、予想通り植林帯が続いて藪はなく苦もなく歩ける。太く緩やかな尾根で水平移動が続くが、途中で何やら宴会の跡?が出現、その先で急に道が良くなった。もしかしたらここから先はまともな道が山頂まで続くのだろうかと思ったら、僅かな区間だけでまた獣道程度に戻ってしまった。あの道らしい場所は何だったのだろうか? 水平区間が終わると尾根が消失して急斜面の登りになり、帰りで尾根入口を見つけるのが難しいので紙テープを頻繁に付けながら登っていく。右手の谷からは造成中の別の林道が上がってくるが普通車では無理だろうな。

植林帯の南尾根を登る 山頂直前の神社

 

 稜線が近づいたところで左にトラバースしながら尾根に出るとそこそこはっきりした踏跡があって、石尊山南尾根が山頂へのメインルートのようだ。といっても正式の登山道レベルでは無さそうだが。展望のない植林帯の尾根を登り切ると意外にも小さな神社が出現、この参道が今までの踏跡だろうか。ここが山頂と思うが三角点が見あたらないのでさらに先に進むと神社の裏手に三角点と山頂標識があり、間違いなく石尊山山頂だった。

石尊山山頂 文字が消えたMVW標識

 

 山頂標識は栃木の山紀行、栃木の山全山制覇の山部さん、そして完全に文字が消えてしまったMWVの青いブリキには猫吉さんの落書きがあった。13年前のものだがペイントマーカーで消えずに済んだようだ。MWVの標識だけ飛び抜けて古いはずだが(たぶん20年以上前のもの)、MWVは今でも活動しているのだろうか? 昔は藪山(特に夏)と言えば大学のワンゲルが主役で、MWV標識はマイナーな藪山の象徴だったが、1980年代以降に取り付けられた標識は目撃したことがない。夏のアルプスでは大学生パーティーをたくさん見かけるが秋から春の藪山では見かけないなぁ。

登りより一つ南の尾根に入ってしまった 林道が見えてきた

 

 Mさんも到着、三角点の写真を収めて下山開始。帰りは目印を頼りに同じコースを戻るだけなので膝の調子が悪いMさんが遅れるが先に戻って車を暖機して待っていることにして、南尾根から東に下る斜面をガンガン進んでいったが、途中で登りの時とは風景が違うことに気づいた。途中にあったはずの明瞭な踏跡や水平な尾根ではなく緩く下る尾根が続き、周囲を見ると左手に高い尾根が見た。どうやら1本南側の尾根に入ってしまったらしいが、もしそうなら林道終点への最短尾根なのでショートカットできて時間の節約になるのでそのまま進むことにした。あれだけ登りで目印を付けたのだが不思議だなぁ。植生は登りで通った尾根と同様で藪もなく歩きやすいが、林道が見えてくると少し藪っぽくなってきたが問題になるほどではない。尾根の末端はちょうど林道終点で、これなら登りもこっちを使えば良かったかなぁ。


所用時間
 車−0:05−林道終点−0:44−石尊山−0:17−林道終点−0:05−車

 

 

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