沼津アルプス 大平山、鷲頭山、徳倉山 2008年01月27日

 

 

 大嵐山に引き続いて続いて本日のメインイベント、大平山〜徳倉山の縦走である。地形図が無いのでコースの詳細が分からないが、最も東にある大平山に一番近い北側から登り、最も西にある徳倉山に一番近い場所から東に下れば、登山口に置いた車に戻るのが楽になるはずだ。GPSに大平山の緯度経度を入力して車を進め、昨夜偵察した中では山口登山口が一番大平山に近いので、集落北側の田んぼの中の工事資材置き場に車を置いて歩きだした。大平山は真南から僅かに西側に見えており、このまま尾根を登るのか、それとも東側の谷を登るのだろうか。まあ、どっちにコースがあっても時間的には差はないだろう。

山口集落から見た大平山 登山口の案内標識(山口、吉田、多比口)
車は神社前まで 堰堤まで林道が続く
途中の岩に祠がある 雪が舞っているがこの写真じゃ分からない

 

 集落の路地を通り抜けて神社から先は車止めがされた林道を歩く。この林道は上流に作られた砂防ダム建設用らしく、今は苔むして使われていないように感じられた。手製の標識が掲げられており、道なりに進んでいくと林道終点で、枯れた沢に沿って踏跡を登っていく。そう、ここは踏跡程度の道の濃さでメインルートではないらしい。まあ、周囲は藪が茂っているので道を外すことは無いだろう。それに登りは上を目指せばいつか山頂に到着するし。歩いていると埃のような細かいものがチラチラし始め、よく見ると昨日に引き続いて雪が舞っていた。徐々に降りかたが強くなってきたが体が濡れるほどではないのでそのまま歩き続けた。しかしまあ、2日間とも予報に反して雪が舞うとはなぁ。

道が薄い部分もある 稜線に出ると明瞭な道が出現
大平山山頂 等級が無い1等サイズの三角点
大平山より東が「奥の細道」 「奥の細道」の地図

 

 急な斜面をグングン登ると稜線に到着、山口峠というらしい。稜線上はまともな標識が整備され、道の濃さも格段に濃くなって縦走路っぽい雰囲気だ。さすがアルプスの名を冠するだけはある。峠からなおも登ったてっぺんが大平山山頂だった。山頂標識兼行き先案内標識が立ち、メモ帳が入っているらしいポストもあり、その側面にはバスの時刻表があり、ルート案内図が書かれた標識もあり、まさに至れり尽くせりだ。さすがに沼津市街地に近く、歩く人が多い山域だけはある。まだ時刻が早いので無人の山頂だが、日中は賑わうだろうか。

鷲頭山向けて下る 鷲頭山が見えてくる
最初の鞍部 多比口峠 稜線はウバメガシが続く

 

 続いてお隣の鷲頭山に向かう。この先は主稜線の縦走路を歩くので、山口から稜線間のようなやや薄いルートとは違ってメジャーなコースだろう。歩いてみるとそのとおりで、稜線左右から上がってくるルートとの合流地点には案内看板が立っているし、登山道は明瞭で迷う心配は無い。もっとも、尾根上を歩いていれば鷲頭山に到着するが。ウバメガシというやや幹が細くジャングルのように密生した照葉樹が多く、真冬のこの時期でも頭上は葉に覆われて日差しが無くて寒い。なだらかな稜線ではなく露岩も混じってそこそこ変化が楽しめる。もちろん危険箇所は無い。

鷲頭山最後の登り 振り返ると大平山
広い鷲頭山山頂 左手には海が広がる

 

 鷲頭山手前でルートは尾根を外れて北側を僅かに下り、多比口から登ってくるルートと合流し、登りに転じた。ここで本日初めてのパーティーの姿を見る。稜線真上でなく僅かに北側に外れた急な登りをグイグイと登っていく。振り返れば僅かにちらつく雪の中で太平山が徐々に低くなっていく。登りきると神社の跡のような広場が広がる鷲頭山山頂の一角だった。樹林が開けてそこそこ展望がいいが、地面付近まで完全に伐採されているわけではないのですっきりとは見えないのが残念だ。それでも足元には海が広がり、いつもの山行とはずいぶん趣が違う。

 さて、次は最後の徳倉山だ。山口を出発するときには、下界を歩く距離が長くなるので徳倉山まで行くか迷ったが、まだまだ時刻は早いので2,3時間長くなっても問題なかろう。どの程度所要時間が伸びるかは大平集落側に下る道がどこにあるかに影響を受ける。沼津アルプスの地形図は持っていないので5万図相当のカシミールを印刷したものを持ってきたのだが、細かい地形が読めないので東に伸びる適当な尾根をうまく追いかけられるか心配であり、今まで歩いてきた様子では蔓が絡んだ藪がはびこっていそうな雰囲気で、下手に登山道以外を歩くと大いに苦労する可能性がある。ちょっとくらい遠回りになっても登山道を歩いた方が早い可能性がある。できるだけ徳倉山に近いルートから下ることにする。今までの標識からすれば、多少細い道でも案内標識がありそうだ。

小鷲頭山頂。背後は沼津市街 急な尾根を下る
照葉樹が中心の樹林 大きな岩屋(中将宮)

 

 いったんぐっと下って方のような場所に出たら小鷲頭山山だった。地形図には掲載されていないが地元では沼津アルプスのピークの一つに数えられているようだ。山名事典に記載されているかは調べてみないと分からない。ここで登山道は右に折れて急激に高度を下げていく。長いフィックスロープが張ってあるが、凍結していなければ使う必要性は感じられない。このまま尾根を下るのかと思ったら途中で右手斜面を迂回するように道が付けられており、大きな岩屋の前を通って再び稜線に戻った。以前は稜線上に登山道があったらしいが、大雨等で崩壊でもしたのだろうか。

 

志下峠の標識 志下山が見える
志下山手前が馬込峠 志下山向けて明るい稜線を上る

 

 下りきったところが志下峠で案内標識が立っており、東側と西側両方に下るルートがあるので大平への下山に利用できるが、まだ徳倉山は遠く、ここまで戻ってくるのは大変だ。この先に下る道があればそれを利用した方がいいだろう。小ピークを越えると馬込峠で、この先が志下山というピークらしい。

 

志下山山頂 志下山付近は樹林が切れて展望がいい
282m峰 香貫台分岐

 

 には木がまばらなピークが見え、緩やかに登っていくと視界が開け海が広がる。ここは志下山という標識が立っているが、小鷲頭山同様に地形図未記載で山名事典に掲載されているかどうか調べないと分からない。日当たりがよく冬場には休憩にはちょうどいい場所だ。なだらかな稜線を下っていくと小広い鞍部に到着、ここは志下坂峠というらしい。ここも東西へと下山するルートが分岐しており、大平へと下るルートの候補地だ。これより先に東に下る道がなければ、徳倉山まで往復してここに戻り大平へと下山することになる。ここで休憩しているパーティーが見られたが、時刻から考えて徳倉山方面からの縦走だろうか。

 ここから282m峰まで急激に高度を上げて、徳倉山まではもったいないことに緩やかに高度を下げていく。防火帯のような広い切り開きのような空間が続くが、両側は高い木の樹林が続くので志下山のような展望は得られない。小ピークの前後には小さな鞍部があり、もしかしたら東に下る道があるかと思ったら、先に出てきた鞍部は西に下る道があるだけ、徳倉山直下の鞍部は稜線上に道があるだけだった。しょうがないから志下坂峠まで戻るか。

徳倉山へと登る 広い徳倉山山頂
徳倉山から見た愛鷹山。富士山は雲の中

 

 徳倉山への最後の登りは、竹の棒の手すりが付いた急な道でどんどん高度を上げ、なだらかで広い山頂に到着した。かなり広い山頂なので大勢が押しかけても問題ないだろう。今までと同じシリーズの山頂標識が立っていて、何人かのハイカーが休んでいた。富士山の方向のみ視界が開けているが、今は雲の中だ。もしかしたら山頂から東へ下る道があるかなと期待したが、踏跡もなかった。無人の山頂だったらこのまま東尾根を下ってしまってもいいのだが、人の目があると躊躇せざるをえず、志下坂峠から下るしかなさそうだ。それに絡み合う藪だったらヤダしなぁ。

志下坂峠から東に下る 林道出現
登山道入口。案内標識なし 大平から見た徳倉山

 

 志下坂峠まで戻り、稜線を縦走するハイカーを尻目に東へと下る。ここはあまり歩く人が多くないようで最近の踏跡が濃いとはいえないが、道に迷うほどの薄さでもなくルートははっきりしている。ここはバス停からも駅からも近くないし、稜線の中ほどに位置するので、縦走する場合の入口出口としては便利な場所ではないからだろう。樹林下部はアオキを中心とする背の低い照葉樹なので、この中を歩いても藪はひどくはなさそうだ。無人の登山道をどんどん下っていくと舗装された林道が出現、林道を下っていくと最後は鎖で車止めがされたところで集落に出た。この林道入口には何の案内標識も無いので、初めて訪れる登山者がこの登山口を探しても見つからないだろう。どうも地元以外では使われないルートらしい。

 車までは水田地帯を歩いて戻った。振り返ると沼津アルプスが一望で、最後の徳倉山で急激に高度を下げるように見えた。


所要時間
 7:42車−(0:04)−7:46山口登山口−(0:42)−8:28大平山−(0:09)−8:37多比口峠−(0:31)−9:08鷲頭山−(0:07)−9:15小鷲頭山−(0:10)−9:25志下峠−(0:07)−9:32馬込峠−(0:05)−9:37志下山−(0:06)−9:43志下坂峠−(0:22)−10:05香貫台分岐−(0:05)−10:10徳倉山10:14−(0:24)−10:38志下坂峠−(0:16)−10:54集落−(0:26)−11:20車

 

 

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