群馬北部 一ッ石、オッタテ峰、ダン沢ノ頭 2008年6月28日


※当日朝にデジカメが故障したため今回は写真がありません

 ダン沢ノ頭は群馬北部で唯一未踏の2000m峰だ。この界隈は2回登りに行ったことがあるが日本山名辞典が発売される以前であり、ダン沢ノ頭は日本山名事典のみ記載された山なので2回とも足を延ばしていなかった。湯ノ沢ノ頭同様に登山道は山頂を巻いていて猛烈な根曲がり竹の藪を突破する必要があると思っていたが、「群馬の重鎮」がつい最近(この文章を書いたのは6月下旬)登った記録によると登山道はちゃんと山頂を通っていて藪漕ぎ不要だという。それに野反湖や志賀高原から入らなくても中間の大高山西部のオツタテ峠に出るコースがあるという。これなら手軽に登れる。

 今年の梅雨は梅雨らしくなり週末の天気が安定せず、先週は土日とも悪天で山は休養、今週も日曜は広範囲で雨で土曜日のみ曇りだというので日帰りできる山を物色したらダン沢ノ頭が浮かんだ。おそらく標高上がると雲に突っ込んでガスって何も見えなくなる可能性が高いが、この界隈なら樹林がメインだろうからさほどダメージはない。コースは短く標高差も大したことはないのでちょっとトレーニングには緩いかもしれないが、天候は下り坂で遅い時間になればなるほど雨に降られる確率は高くなるので午前中で片づけられる山の方がいいだろう。

 日帰りなので荷物も少なく思ったより早く出発でき、練馬市街の渋滞も少なくて通勤割引を有効に利用できる時間に練馬入口を通過、渋川伊香保ICからの100km範囲は所沢だが、東松山までは近郊区間で割り引き対象外なので東松山でいったん出て再び乗ることにする。これで東松山から渋川伊香保間のみ半額とできる。何度も使っているルートなのでロードマップは不要で長野原で野反湖方面に入り、花敷温泉で左に入り、焼尻温泉を通過して狭い舗装道路を奥へ奥へと進む。やがて山の中にひょっこりと建物が出てきたところで道がつきあたり、案内地図付きの標識が出てくる。右が目的の道らしいが、この地図だと白根開善学校の先の林道は一般車通行止めと書かれている。重鎮の記事によるとゲートはあっても軽トラで入っているが、常時ゲートは開いているのだろうか? 案内によると白根開善学校から登山口まで所要時間は1時間となっていた。

 舗装道路を上がっていくと地図通りに左に曲がってからしばらく直進、左手にいくつも建物があるがこれが白根開善学校だろう。舗装が切れると一気に道幅が狭まるがまだ続いている。グランドを左に見てなおも直進するとすぐに施錠されたゲートに突き当たり車は入れなくなっていた。左右に迂回できる隙間はないので、重鎮はゲートを開けて(もしくは開いていた)入ったとしか思えない。登りで1時間だから往復2時間弱だろうか、今回のコースを考えるとこれくらいは許容範囲内だろう。少し戻ってグランド末端近くの駐車余地に車を入れて寝た。

 到着した時には雨はやんでいたが夜中降ったり止んだりで朝になってもポツポツが続き、出発間際にはザーザー降ってきたので傘を出して出かけることになった。幸い、出発時には止んでくれたがこのまま止んでいるとは限らない。上空は一面雲に覆われてこのまま帰りたくなるほどだが、ここまで来てさほど厳しくない山を諦めるのはもったいないので雨に降られる覚悟での出発だ。駐車スペースから1分ほどでゲートで左側はバイクなら通過できそうな隙間があった。写真を撮影、デジカメ起動時に異音がしたが普通に撮影できたので気にしなかったが・・・。5分ほど歩いたところで水を持ってくるのを忘れて取りに戻る。天気以外も調子悪い。そして決定的に調子が悪いものが出てしまった。なんとデジカメが壊れたのだ! レンズが出たままで引っ込まず、電源を入れても「レンズエラーを検知しました」と表示されて電源を切ってしまう。レンズが出ないのなら諦めがつくがレンズが出ているのだからこのまま撮影させてくれればいいのに。さすがにデジカメの予備は持ち歩いていないので今回の写真はゲートのみになってしまった。ま、この天気では展望は期待できないので被害は最小限度で済みそうだが。

 林道はつい最近大雨が降って水が流れて道がえぐれた箇所があるが、普通車でも大きな問題にはならない程度だった。関係者の車が入ることもなく静かな林道歩きが続く。うまい具合に雨が落ちてくることもなく、若干空が明るくなってきたように感じる。35分ほどで大きな案内標識が立つ登山口に到着、林道は左に逃げてこの先は登山道になるが、整備されていて濡れた草木で覆われる気配もなく、ゴアを着用しなくてもいいようだ。念のため足下だけはロングスパッツを付けてズボンが濡れないようにした。

 登山道は整備されてはいるが刈り払いは完璧ではなく、両側に笹が生えた区間では密度は濃くないが濡れた笹が覆いかぶさって手で払いのけながら歩かないと体が濡れてしまう。それでも整備されていない藪を歩くよりはとんでもなくマシであり苦情を言うのは筋違いで、これだけ整備されていることに感謝すべきだろう。そのまま笹原の中に登山道が続くのかと思ったら笹が切れて落葉広葉樹林帯になるところもあり、標高が上がると再び樹林の下は笹の海に変わってくる。全体的に傾斜は緩く霧が出て涼しいはずだが気温は高めで大汗をかかされる。

 このまま樹林帯が続くと思ったが、一ッ石付近は樹林が消えて一面の笹原で展望がよさそうだったが、このガスでは何も見えない。標識があるなだらかなピークの向こうに小ピークがあり文字が消えたMWV標識があったのでGPSで位置を確認すると、MWV標識があるピークが一ッ石山頂と出た。恐るべしMWV。

 再び樹林帯に入り笹がきれいに刈り払われた登山道を登っていくと野反湖〜志賀高原間県境縦走路に出た。ここまでの道はけして悪かったわけではないが、県境の道は広く刈り払われて体に触れる笹は全くなく、グレードが一つ上がった感じだ。ところが志賀高原方面へ進むとすぐに巨大な倒木が道を塞いでいた。これはでかすぎるのでチェーンソーでも切断は難しいかもしれない。雨で濡れた道や枝は滑りやすく乗り越えるのが大変なので笹の中を迂回した。これ以外は文句の付けようがない非常にいい道だった。両側は志賀高原周囲でよく見かける強烈な密度の根曲竹の海で、毎年刈り払いをしないとすぐに笹に覆われてしまうだろうから、間違いなく毎年手入れをしているはずだ。

 県境に出てから最初のピークに登ると「オッタテ峰」の山頂標識が現れた。樹林で視界は良くないがどうせガスで見えないから関係ない。そのままいい道が続き、なだらかな尾根を登りきったところがダン沢ノ頭山頂だった。三角点が鎮座し山頂標柱と手製の標識が2つあった。ここは樹林が開けて展望がよさそうだが霧で全く見えず、デジカメが壊れて撮影できなくても残念に思わなくて済んだ。さすが梅雨なので虫が多く、タオルで顔や腕の汗を拭いてから虫除けスプレーを豪勢に吹きかけて虫にボコボコにされないようにした。少し風があるだけでも虫が飛ばされて快適なのだが今日はほとんど風が無い。

 天気予報では天候は下り坂なので雨が落ちてくる前に下山を始める。登りでも気付いたが志賀高原から野反湖の方向に向かって矢印標識が頻繁に立てられており、いったい何の標識かと思ったら志賀高原から野反湖までの山岳マラソンが明日日曜日に実施されるそうだ。しかし明日の天気予報は雨、はたして実施されるのだろうか。なお、標識の撤去はその翌日の月曜日と書いてあった。あの巨大倒木はどう対処するのだろうか?

 蒸し暑い中をグングン下り林道に出て、テクテク歩いてゲートを越えて車に到着。今日も人に会わなかった。着替えていると車がやってきてゲートから少し離れた場所に車を置いてゲートの奥に消えていったがたぶん山菜取りだろう。雨は降らない天気だったが予報どおりいい天気ではなかったから登山者は私以外はいなかったが、これから暑い時期はちょっとばかり標高不足で山頂でも暑いかな。


所要時間
5:25ゲート−−6:02登山口−−6:57一ッ石−−7:19県境稜線−−7:31オッタテ峰−−7:55ダン沢ノ頭8:14−−8:32オッタテ峰−−8:59一ッ石−−9:30登山口−−10:02ゲート

 

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