北海道 道東 雄阿寒岳 2009年7月14日



 またしても天候不順で明日1日しか天候が回復しないという。こう細切れでは大きな山に行けないので、日帰り可能な未踏峰の中で候補地を考えた結果、雄阿寒岳に決めた。道東は千歳から遠く、いつもの出張期間内の休みで足を延ばすのは不可能ではないが寝不足確実で、この機会に登ってしまうことにした。雌阿寒岳は10年くらい前に登っているので今回は雄阿寒岳のみである。

林道終点 林道終点手前の駐車場(下山時)

 雨の中を足寄経由で走り、登山口の案内で国道から脇道に入るとすぐに駐車場が出現、先客は1名だけだ。ザーザー降りの雨だが明日は上がってくれるだろうか。雨の日は避けるように日程調整しているが、雨上がりの翌日は濡れた藪で毎度のようにゴアの出番だ。いくらなんでも雄阿寒岳でもゴアじゃイヤなので、明日は雨がやむまで待って出かけることにしよう。

登山口 案内図

 朝になるが小雨が止まず、時間を潰して雨がやむのを待ってから出発する。その間に何台か車がやってきて出発の準備中で、昨日から駐車場に入っていた住人だけは先に歩きだしていた。ここから雄阿寒岳が見えるのかどうか知らないが、湖面向こうの斜面は雲に覆われていた。駐車場のすぐ先で林道は終わっており、阿寒湖東端で登山道に変わり入林届の記帳をして歩きだす。さすが100名山(100名山は阿寒岳だが雄阿寒岳/雌阿寒岳のどちらを指すのかは私は知らない)なので道は良好で、雨上がり直後で水たまりはあるが体に触れる藪は無い。阿寒湖畔を反時計回りに歩き、水門を越えて右に曲がり太郎湖畔を歩き、左に曲がって次郎湖が見えたところで登山道は右に曲がってやっと登りが始まる。

針葉樹林で始まる 1合目毎に標識あり

 さすが北海道で最初から針葉樹林で高山の雰囲気が漂う。明瞭な登山道で1合目毎に標識が付いているのだが、これが残距離や残標高差に比例した数値ではないようで、4合目で半分以上、5合目まで登ると8割がた登ったことになるようだ。大した規模の山ではないので高度計を使わなかったため各合目標識の標高は確認しなかったが、5合目以上は間隔が詰まっているのは明らかだった。

森林限界近し 森林限界を超える

 ガスっていて先の様子が見えなかったので現在位置が分かりにくかったし、道も明瞭で地図を開くのも面倒だったため位置を把握しないで歩くことになり、適当に写真を撮影したのはいいが地図上でどの付近で撮影したのか不明で、文章をまとめる段階で困った! まあ、雄阿寒岳はメジャーどころなので私が事細かに書かなくても問題ないだろうが。たぶん標高1200mを越えたくらいからハイマツ帯が始まり、ここも道は明瞭だが多少ハイマツがはみ出して濃いガスで濡れており、ゴアを着用しないと衣類が濡れるようになったので開けた砂礫地でゴアを着た。森林限界を超えると風が強まり、濃いガスと相まって眼鏡が速攻で曇るようになり、拭っても拭ってもすぐ視界不良になってしまい、まだ裸眼の方がマシだと眼鏡をゴアのポケットに入れた。ちなみに裸眼時の視力は0.2くらいなので足元の細かいデコボコは見えないが、道が見えないほどではないので大きな支障にはならない。

ハイマツが低くなると強風帯に突入 八合目

 ハイマツが切れて開けたピークが登場すると8合目(たぶん標高1350m峰)で、以前は測候所があったとのことで平坦地があって建物を作るには最適だろう。しかし、ここが最も風が強く、耐風姿勢は不要だったがザックカバーが飛ばされるのではと思うくらいの風で、山頂がこんな状態では休憩なしでとんぼ返りだろう。先行していた単独男性が下ってきたが、山頂はこんな風ではないので大丈夫とのことだった。山頂までそう遠くないと思うが、ガスって全く視界が無いので距離も分からない。

八合目先の巨岩 雄阿寒岳山頂

 少し下ると巨岩が現れこれが山頂かと思ったら違い、再び下って登り返したピークが山頂であった。周囲はハイマツに囲まれているが山頂付近は火山岩が散らばり広い山頂だった。先人の言葉通り山頂一帯は風が弱く無難に休憩できる場所だった。残念ながらまだ濃いガスに覆われて展望皆無のままで、短時間で晴れそうな気配はなく少し休憩して下山を開始した。さすがにメジャーどころだけあり大人数のパーティーも登ってきていた。

下山中に晴れてきた 登山口から見た雄阿寒岳
阿寒湖東端の風景

 強風地獄の8合目を過ぎて下りにかかるといくぶん風も弱まる。ハイマツ帯が終わればゴアの出番もおしまいでザックに収納する。樹林帯を下っていくと空が明るくなり、ついに日差しが出るようになったが山頂付近はどうだろうか。阿寒湖畔に出る頃にはすっかり晴れ渡り、登山口からは晴れた山頂が見えていた。あ〜あ、2時間くらい登るのを遅らせていれば山頂で展望を楽しめたのになぁ。

 下山後は阿寒湖温泉に向かい「まりも湯」という唯一の公衆浴場に浸かる。日帰り入浴はホテル等でも可能だが、やっぱ私には共同浴場等が合っている。メジャーな観光地で真昼間では公衆浴場にお客は皆無で私一人の貸し切りだった。


所要時間
6:06 登山口−−8:20 五合目−−8:54 八合目−−9:09 阿寒岳 9:21−−11:18 登山口



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