後立山 高千穂平 2009年9月27日

所要時間 4:40 大谷原−−5:31 林道終点−−6:59 高千穂平 7:15−−8:00 林道終点−−8:39 大谷原



 先週の「シルバーウィーク」は念願の北ア坊主山に登ったが、3日間の行程では少々きつかったこと、坊主山の藪漕ぎで特に体力を消耗したこともあって週末になっても疲労感が抜けなかった。おまけに会社の方は稼働率確保のために翌週の土曜日は出勤日で日曜日のみお休みの変則週末で、自由時間は日曜日しかない。こうなると日曜は家でのんびりしてようかとの誘惑に駆られるが、天気予報は関東平野は北東の風が入って曇りだが長野方面は晴れ。今後の週末も晴れる保証はないので出かけたくなるのも当然だ。しかし日曜夕方の中央道の渋滞を考えると午後の早い時間に戻ってこられる山がいい。またまた八ヶ岳が頭をよぎったが、もう9月下旬でもっと標高が下がった山でも快適に登れるようになったので、選択範囲を広げて未踏峰を思い浮かべていたら鹿島槍へ登る赤岩尾根途中にある高千穂平を思いついた。標高は2000mを少し超える程度で真夏に登るには暑すぎる標高だが、今なら大丈夫だろう。東京から少し距離があるが、登山口となる大谷原から標高差約1000mで2時間半で山頂に達すると予想できる。下りは1時間半として計4時間。早起きして5時に出発すれば9時に戻ってこられるわけで、そのまま高速で帰れば小仏トンネル手前で渋滞が発生する前に通過できよう。

 高千穂平は今年6月にDJFが登っており、正確な山頂は登山道を通っていないとの報告が上がっていた。もし登山道が山頂を通っていたなら、以前、赤岩尾根経由で鹿島槍に登っているので山頂を踏んだはずなので訪問する必要はないのだが、DJFの報告により登る必要性がはっきりした。現場で山頂が簡単に分かるか不明なのでGPSに山頂位置を登録して持っていくことにした。今日はほとんと登山道歩きなので、先週とは比較にならない天国だろう。もっとも、短距離であるが最後は藪漕ぎが待っているようだが。

橋の左岸側の駐車場(下山後撮影) ゲート(下山後撮影)

 土曜の仕事が終了後に東京を出発、行楽地からの帰りの車で反対車線は調布ICから八王子近くまで断続的につながっていたが、小仏トンネル近辺は数km程度だった。下り線は順調で、笹子トンネル内で大型車が故障で止まっての渋滞も、私が通過する頃にはレッカー移動となって解消していた。先週とほぼ同じ道で、扇沢への途中で鹿島槍の案内で右に入り、あとは道なりに進んでいけば自然と大谷原に到着する。週末は2日とも好天なので駐車場はいっぱいかと思ったらそんなことはなく、橋を渡った先の駐車場に入ることができた。

最初の林道分岐 左の写真の上部にこのような標識あり
でも踏跡皆無

 翌朝、まだ暗い4時半過ぎに出発、これなら7時くらいに山頂に到着するだろう。林道を歩きだしてゲートを越えると右に林道が分岐し、そこには案内標識と斜面を少し登ったところに冬ルート入口の案内標識が付けられていた。数年前にここから一ノ沢ノ頭に登ったときにはこんな標識は無かったなぁ。それにここからではなくもっと先の砂防ダムがある辺りから明瞭な踏跡が上がっている。ここには全く踏跡は見られなかったし目印も見られず、利用者は多くはないようだ。一方の入口は目印がたくさんぶら下がっており冬場の賑わいが感じられた。

こちらがメインの東尾根入口。目印多数あり 林道途中にこんな標識も
林道終点手前の休憩所 休憩所近くにはこんな注意書きが

 斜面崩壊の工事現場を2箇所通過し、ヘアピンカーブの連続を超えると林道終点で大きな砂防ダムがあった。ここに来て昔の記憶が蘇り、この砂防ダムの中に通っている人間用ミニトンネルで対岸に抜けたのだった。トンネル途中には3箇所?ほど小さな「窓」があり、裏見の滝のように流れを裏側から見ることができる。このトンネルが冬には雪に埋もれないのかどうかは知らないが、今は水量は少ないので場所を選べば渡渉も可能だろう。

林道終点の砂防ダム 砂防ダム内部のトンネル
トンネル途中には窓がある 登山道も良好

 トンネルを潜った先から赤岩尾根へと取り付き、本格的な登りになるので半ズボンに履き替える。今日は気温は6℃前後で体を動かしているとちょうどいい感じだが、この先は運動密度が上がるのでもう少し涼しい格好で疲労を抑えよう。やっと充分明るくなりヘッドランプも収納した。

グングン高度を上げる 梯子もけっこうある

 さすが100名山の登山道で、体に触れる藪はほぼ皆無で半ズボンでも全く問題ない。今日も露は降りなかったようで葉は乾燥している。尾根に取り付いてからも微妙に尾根の左右を巻きつつグングン高度を上げていく。これが冬に雪に埋もれたらどんな感じになるのだろうか。この先、雪がある時期に歩く予定もないのであまりまじめに地形を見なかったが、おそらく場所によってはけっこうな傾斜も出てきそうだ。

まだまだ登る いい道が続く

 普通の登山者の場合、初日に冷池山荘まで入り、翌日に鹿島槍山頂を往復して下山というのがパターンだろうから朝早い時刻だと下ってくる人はいないと思ったら男性2名が下ってきた。小屋からそのまま下ってきたはずなので前日に山頂を踏んでいるのだろう。赤岩尾根往復ではなく縦走組かもしれない。

山頂直下の二重山稜から山頂方向 稜線を越えて南を巻き始める。
下山は奥の高い木の近くに出た

 傾斜が緩んできたところでGPSの電源を入れると高千穂平山頂まで200mを切っていたので電源を入れたまま登っていく。山頂直下で小さな二重山稜のようになり、左側の尾根に乗って稜線に乗ったと思ったら左に巻き始めた。この時点で山頂まで約60mで、少し歩いてみたが山頂への距離はあまり変わらず、ある程度進むと逆に距離が増え始めた。再び稜線と合流した場所(2040m鞍部)で登山道から外れて逆戻りするように稜線を登ることにする。この先は笹を中心とした藪なので長ズボンに履き替えた。

ここから藪に突入 コメツガに突っ込む直前

 幸い、ここでも笹は乾いているので思い切って突っ込むことができる。けっこう軸が太い根曲がり竹で、両手で掻き分けて進んでいく。やがて尾根上には四方八方に広く枝を伸ばした背が低いがデカいコメツガが登場、坊主山と同様でこいつは地面近くから枝が横に出ているので一番たちが悪い部類の藪で、迂回しようにも傾斜のある斜面の濃い笹を踏みつけてツルツル滑ってNG。結局はコメツガの枝の隙間に頭を突っ込んで強引に進むしかなく、頭からコメツガの枯葉を大量に浴びた。コメツガの中に入ると日が当たらないせいか笹は消えるのだが、残念ながらここはまだ山頂では無さそうで外に出なければならず、再び隙間から這い出す。すると前方に明らかな高まりが見えており、あれが本当の山頂らしい。地面に降りて濃い笹薮に降り立つと、足元が溝のように掘れた筋があった。もしかしたら昔は登山道は山頂を通っていたのかもしれない。1個だけ色の抜けた赤布?を目撃した。

コメツガ地獄を抜けると笹の中に掘れた筋が 山頂へと藪を漕ぐ

 浅い谷が一番藪が薄く、そこを伝って上部を目指すと再び大地を覆う横に伸びたコメツガが登場、またろくでもない格闘かと思いきや、遠めに見るより隙間が多く、難なく内部に潜り込むことに成功。出るのも隙間から簡単に脱出でき、枯葉の雨の洗礼は受けずにすんだ。

山頂直下で再びコメツガに潜る 高千穂平山頂
高千穂平から見た鹿島槍山頂 大きな滝が見える
高千穂平から見た爺ヶ岳〜鹿島槍東尾根(クリックで拡大)
高千穂平から見た鹿島槍北峰〜アラ沢ノ頭(クリックで拡大)

 そして出たところは同じようにコメツガの藪地獄かと思いきや、意外にも藪が切れて地面の岩が露出している山頂らしい場所であり、間違いなく高千穂平の最高地点であった。DJFのピンクリボンがあるはずと探してみたのだが、いかにも標識を付けたくなるような場所、大きさのダケカンバには結び目さえ残っていない。周囲の藪を見渡してもリボンは発見できなかった。ちなみに目印類は山頂近辺には皆無で、その代わりにDJFも見たと思われる栄養ドリンクの小瓶が落ちていた。

 周囲には背の高い藪が無いので大展望で、鹿島槍東尾根が真正面だ。でもやっぱり無雪期は迫力に欠けると言わざるを得ない。ここから見るアラ沢ノ頭は遥かに高く、鹿島槍北峰とはなだらかな尾根でつながっているように見える。緑のハイマツは少なそうに見え、これなら無雪期でも北峰から往復可能かもしれない。雪に自信が無い私にとっては挑戦してみる価値はありそうだ。稜線上はもう紅葉の盛りですっかり黄色くなっていた。朝晩は冷えそう。

南東に下り始める 登山道に出た個所から下ってきた斜面

 少々休憩して下山開始。登りで使ったルートを逆戻りで登山道に出るのはごめんなので、南東方向に直線的に下ることにした。これで最短距離で登山道に達するはずだ。下る藪はハイマツ、矮小なシラビソ、石楠花等で笹はあまり無く、笹よりも苦労しそうだ。しかし下り始めると隙間を狙って簡単に降りられ、山頂直下を離れるに従って藪が急激に薄くなり、数分で登山道に出た。ここは山頂直下を南に巻き始めて最初に現れる大きなダケカンバ付近で、ここから山頂目指せばさしたる苦労無く到達できるだろう。

 登山道に出れば安心で、半ズボンに着替えてガンガン下っていく。日曜でもポツポツと登ってくる人がいて、最初にすれ違った若者はかなりの軽装だったので、日帰りで鹿島槍を目指しているのだろう。この気温なら真夏より楽に行けそうな。登ってくるのは合計4,5人くらいいたと思う。

 堰堤のトンネルを潜り、最後は林道を歩いて大谷原に到着、狭い駐車場は満杯になっていた。

スキー場の看板のたもとに立った白沢天狗山の看板 新品の登山口案内看板

 着替えて車を走らせたら、昨夜の走行中、爺ヶ岳スキー場で「白沢天狗山」の文字を見たことを思い出した。もしかしたら登山道が開かれて登山口の案内看板かもしれないと偵察してみることにした。スキー場に出てゆっくり車を走らせると、スキー場の看板のすぐ脇に「白沢天狗山 登山道入口」の看板が立っていた。あれまあ、本当に登山道ができたようだ。矢印の方向はゲレンデが広がっており、本当の登山道が出てくるのはゲレンデのてっぺんかららしい。私やDJFが雪がある時期に登ったが、これからは無雪期でも楽しめるようだ。ネットで調べたところ、ほんとうにできたてホヤホヤらしく、未踏の人は雪が来る前に登ってみるのも面白いだろう。

 

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