富士寄生火山 次郎右衛門塚 2009年11月3日

所要時間 車道−0:12−次郎右衛門塚−0:10−車道

 茗荷岳から戻ったが、このまま帰っても中央道の渋滞までまだ時間があるので寄生火山をもう1山稼いでいくことにする。手頃なのが次郎右衛門塚であり、水ヶ塚駐車場の少し先の道路脇にあるので時間はかからないはずだ。ただし、典型的な小型寄生火山ですそ野の真ん中にポツンとあるだけで尾根を巡るわけではなく、周囲は樹林で視界があるとは思えず、読図で山頂に至るのは至難の業だろう。とりあえずは方位磁石で進むしかないが、ある程度進んでピークらしきものが見えないときはGPSのお世話になるしかない。この付近で駐車可能なのは御胎内へ至る林道入口だけであり、そこから出発するとほぼ真東に進むことになる。

御胎内入口に駐車 道路の反対側は笹藪

 高鉢駐車場を出発する時刻にはまだ駐車場は日が当っておらず、窓ガラスの水滴を拭こうとしたら凍ったままだった。まだ道路は日影で凍結個所があるので慎重に下っていく。水ヶ塚を過ぎて僅かに下って御胎内入口に到着、今日は車はいない。小さなアタックザックに防寒具だけ入れて首には方位磁石とGPSをぶら下げて出発する。

杉植林帯右端の廃林道?を進む 進路を左に振って檜ジャングルに

 道路の反対側は杉の植林帯だか思いっきり笹藪で、最初は植林右端の廃林道らしき笹の薄い筋を下っていくが、方位は少し南寄りでこのまま行くと山頂から離れてしまうので適当なところで笹に突入して左(東)に進路を振る。このまま笹が続いたらヤダなぁと思ったが、杉林に入るとすぐに笹が薄くなり消えてくれて難なく歩けるようになる。やがて杉から檜の密集した低い植林帯となりジャングル状態だが、ある程度隙間があるので藪漕ぎにはならなかった。あまりの密度で前が見えず、方位磁石だけを頼りに東に進もうとしたが磁石の回転が途中で止まってしまい信用できない。私のGPSは方位は出ない(正確には移動中しか出ないし、衛星が4個以上受信できないと信頼度が著しく低下する)のでここは太陽の出番となった。今の時刻なら太陽の方向は東南東くらいのはずで、太陽を真正面より少し右に見えるように歩けば大体真東に進むことになる。樹林が濃いが断続的にGPSを捕捉してくれ、順調に距離が減っていた。植林帯の中には縦横無尽に鹿道が付いていた。

知らない林道を横切る 最初だけ笹だがその後は笹が消える
シラビソ植林に変わる 登りが登場して一安心

 地図にない林道を横切って再び短い笹藪を突破すると背の高い杉の植林帯になり格段に歩きやすくなったし前方の見通しも良くなった。倒木がうるさい地帯は北を巻いて進んだ。やがてシラビソの植林帯に突入すると前方に高まりが見えてきた。どうやらピークを外さずにほぼ真東一直線に歩けたらしい。一つ小尾根を乗り越えて本当の山頂ピークに取り付き、薄暗いシラビソ帯を登り切ると防火帯のように南北に開けた帯が走る山頂の一角に到着した。ここには目印が付いているが山登りのものではなく林業作業用らしい。

平坦になると明るくなる 防火帯のように開けた列あり
山頂から富士山上部が見えた 次郎右衛門塚最高点

 次郎右衛門塚は最初から登ろうとしていたわけではなく地形図が無いのでGPSの表示が山頂確認手段だ。といってもなだらかではあるが最高点を越えると明らかな下りとなっており、シラビソ植林辺りが最高点だろう。下山後に三角点が僅かに東に下ったところにあることを知ったが、現場ではそんなことは分からなかったので先まで行くことはしなかった。まあ、山頂近辺は意外に開けた場所であり、GPS衛星が4個以上受信可能でGPSの表示は信用できたので、山頂位置に間違いはなかっただろう。開けているとは言っても頭上だけであり、見えるのは富士山上部だけだった。

 帰りは行きと同様に太陽の方角を頼りに西へと進んでいった。帰りは往路よりやや北側寄りを歩いたようだが、こちらは檜のジャングル地帯が登場することもなく、林道の前後とも背の高い杉の植林帯を歩いて車道に出た。

 

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