南会津 枯木山 2010年3月20日

所要時間 木ノ沢林道入口−−尾根取付−−1220m峰−−1692m峰−−枯木山−−1692m峰−−1549m峰−−林道−−安ヶ森ロッジ−−木ノ沢林道入口

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 長い栃木/福島県境稜線上で登山道がある区間は意外に少なく、那須周辺や帝釈山周辺くらいだろう。当然ながら登山道が無い区間は篤志家以外ほとんど登られない。そんなエリアの中に枯木山がある。ここは正確には福島県側に飛び出しているが、ほぼ県境と言っていい場所で、田代山登山口となる林道と安ヶ森峠を越える林道に挟まれたちょうど中間点に当たる。標高が少々低いこともあって、私もあまり興味を持っていなかったが、1週間前の土倉山で短時間ながら久しぶりに痺れる山行を経験し、今週も南会津に足を延ばしたくなった。そんな中で候補地を探しているときに枯木山が目にとまった。登山道が無く、標高、地域的に考えれば無雪期は笹藪に覆われているのは間違いないだろうから、楽に登るには残雪期が最適だろう。標高は2000mを割っているし南会津でも東部に位置しているので積雪はあまり多いとは思えず、早めに登った方がよさそうな場所だ。

 問題はどんなルートで登るかだ。3月では人家が無い林道が除雪されている確率はほぼゼロで、山奥まで林道があってもずっと積雪が続いて車が入れないと考えるべきだろう。福島側なら新道沢沿いにかなり奥まで林道が伸びているのだが、除雪されているのはおそらく水引集落までで、この時期ではアプローチがかなり長くなる。

 一方、栃木側に目を向けると湯西側温泉に至る県道は人家があるので間違いなく除雪されているだろう。ウツルギ沢沿いの林道は除雪されていないと思うが、それでも福島側から歩くよりはずっとマシな距離と見た。白滝沢沿いの林道に入って県境稜線の1549m峰から南東に下りる尾根末端から登るのが最短ルートのように思える。ただ、これでも林道歩きは長く、稜線より標高が低い林道の雪の状態はいいはずもないだろうから、林道歩きだけで疲れてしまうかもしれない。それに1610m峰を下った1510m鞍部からの登り返しは等高線が込み合っており、安全に通過できる場所か不安がある。それに帰りに登り返しがあるのもいやらしい。

 先人の足跡が無いかとネットで検索すると、さすが栃木県境に近い場所なので栃木県の藪山を制覇している名だたる面々の記事がヒットした。それによるとウツルギ沢支流の木ノ沢北側の尾根を登っていた。ウツルギ沢沿いの林道は除雪されているものの入口を雪の土手で塞いで一般車が入れないようにしてあるという。まあ、県道から歩いてもさほど距離は長くないから問題ないが。今回は烏ヶ森さんの記事を参考にして、木ノ沢林道終点手前、標高730mを末端とする尾根から取り付くことにした。問題は県境の1730m肩で、烏ヶ森山が初回に挑戦した時はストックと軽アイゼンで雪庇を乗り越えることができず山頂を目前にして撤退したとのことで、今年の雪の量が多いのか少ないのか分からないので雪庇の具合も予想不能で現場に行ってみないとわからない。まあ、12本爪アイゼンとピッケルがあれば何とか突破できるだろう。

伴久ホテル奥の雪堤は切れていた 林道と木ノ沢林道入口近くの駐車スペース

 枯木山は気合を入れて登るべき山で少しでも睡眠時間を確保して体調を整えて登ろうと、高速道路土日\1000の割引は諦めてPM10:00を僅かに過ぎて3割引になってから那須塩原ICを降りて湯西側を目指す。気温は高めであるがトンネル周囲はまだ道路脇に雪が残っていた。湯西川沿いはダム建設工事の真っ最中で、夜中でもライトが煌々と点いていた。工事現場が終わると真新しい建物が立つ集落に出たが、おそらくはダム建設に伴う移転家屋だろう。その先で林道入口目印の伴久ホテルが登場、右に曲がって進むと通行止めの看板があったが雪の土手は一部が残るのみでその先も入れるようになっていた。そのまま進むと木ノ沢林道起点まで除雪が終わっており、その先もまだ除雪が続いていたのでロッジまで除雪済みのようだ。林道入口近くに広い駐車余地があったのでそこで仮眠。

 翌朝、気温が高めの朝を迎えた。天候は霧がかかっているが、天気予報からしてたぶん谷間の霧で標高が上がれば霧の層を抜けて快晴だろう。しかし時間が遅くなるほど南風が強まることが予想され、稜線上で強風にさらされるのは避けたいので迅速に行動したいが、この気温では雪の締まりは期待できず、最初の林道歩きから苦戦が予想された。装備はワカンではなくスノーシューとし、12本爪アイゼンとピッケル、念のために15mの補助ロープもザックに詰め込む。これらをザックに詰め込んで背負い、腰のベルトを締めるとベルトが根元からブチっと切れてしまった。もう20年も使っているザックであちこちガタが来ていたが、いよいよ買い替え時か。とはいえまさか70リットルのザックを担いでいくのも重いので、ベルトを適当にザックに縛り付けて仮処置とした。まあ、何とかなるだろう。

木ノ沢林道は崖崩れあり 食べ残されたカモシカの死骸

 林道は最初だけ雪が溶けていたが、少し入ると緩んだ雪が連続するようになった。始めは我慢してつぼ足で行ったが予想以上に難儀したのでスノーシューを装着する。これでも沈むのでやっぱり今日は気温が高い。林道途中に毛が散乱した場所があり、よく見るとカモシカの背骨、角付きの頭蓋骨の一部、それに蹄が1個残されていた。あとは小動物に片づけられたらしい。カモシカの角は鹿と違って小さく、頭蓋骨と角がつながっていて角だけお持ち帰りできないため、そのままにしておいた。

林道右手の沢が尾根取り付き目印 尾根取り付き
植林の尾根を登る ガスの上方は晴れている

 柔雪に難儀しつつ林道を進み、右手から小さな谷が林道を横断する箇所の先が目的の尾根取り付きだ。下部は杉の植林だが地面が雪に覆われているせいか花粉は感じられなかった。尾根に取り付いてスノーシューを効かせて急な斜面を登ると尾根右手斜面はカラマツの植林に変貌し周囲が明るくなる。積雪は多くはなく地面が顔を出しているところもあり、雪が残るところを選んで足を進めた。

1050m肩直下で雪が消える 1050m肩
1050m肩から見た県境稜線

 1050m肩が近づくと傾斜がきつくなり、一面がカラマツ植林帯となって南斜面で日当たりがいいせいかすっかり雪が消えていたが、面倒なのでスノーシューを履いたまま登っていく。1050m肩に出ると再び雪に乗ることができた。当然だが尾根上にトレースは無く、目印も見られない。帰りも同じルートを予定しているので近くの立ち木に目印を巻いた。ここからは樹林を通して1220m峰へと続く尾根が見えており、どうやら雪はずっと続いているようだった。稜線上は思ったより雪は締まっていて、スノーシューだと1,2cmしか沈まない。これなら神籠ヶ岳のような地獄を見なくて済みそうだ。

鹿食害防止ネット 細い尾根は少ない
マンサク 熊が木に登った爪痕
帰りに下った1592mから落ちる尾根が丸見え

 稜線に乗ればしばらくは急な登りはなく、なだらかな尾根が延々と続く。ブナ科の落葉樹が中心で明るい尾根であるのもいい気分にしてくれる。もっと標高が上がるとシラビソが幅を利かせるのだろうがこの標高ではまだ広葉樹が主体だ。途中、熊が登ったような爪痕が残る木や、ワイアーロープがステーのように四方八方に張られた枯れ木が目を引いた。ワイアーがあるということは索道の支柱に使って伐採作業をしたのだと思うが、いったいいつ頃のことだろうか。

ワイアーが巻かれた枯れ木 熊棚
1467m三角点峰へと向かう 1467m三角点。三角点は雪の下
1510m肩から南を見る 1510m肩から北を見る
1510m肩から南に登る尾根

 1467m三角点は雪の下で発見できず、目印も何もなかった。その先の1510m肩で南から大きな尾根が合流し、尾根は大きく右に曲がるので、下山時は直進しないよう注意が必要だろう。ここにも目印はなかった、というか、ここまでに目印は全く見なかったなぁ。こんなにも目印が存在しない尾根は非常に珍しい。ここに来てもまだ枯木山山頂は見ることができず、山頂ピーク南端の1730m肩が見えるだけだった。

左手真っ白ピークは1730m肩 なだらかな尾根を行く

 ここから1692m峰直下までは広くなだらかな尾根が続き、今日のように晴れているとなんとも気分のいい尾根歩きが楽しめる。天気予報と違ってまだ強い南風は吹いておらずほぼ無風、黄砂の影響か空気が霞んではいるが快晴だ。気温は上がってきていると思うが雪質は上々で僅かに沈む程度だ。まあ、つぼ足だと潜るのだろうが。

登りが始まる。ブナの疎林で気持ちいい 右手の斜面は笹が出ていた

 ブナが中心の尾根は高度が上がって傾斜が出てくるとダケカンバが多くなってくる。右手の斜面は雪が崩れて下から笹が顔を出しているので、この標高では無雪期は笹薮地獄らしい。傾斜がきついとは言ってもスノーシューで問題なく歩ける程度でピッケルの出番は無く、最後は一気に1692m県境峰へと突き上げた。最後は雪庇の段差越えがあるかと思ったらなだらかに接続していた。

1692m峰直下 1692m峰から見た1730m肩。右端に枯木山が見える
1692m峰から見た南〜西の展望(クリックで拡大)

 県境に乗ると北側の視界が開け、大嵐山へと続く稜線が目に入る。先週登った土倉山はこの方向から見るとパっとしない形で残念。東から見た方がずっと格好いい。奥日光の山々も見えるがかなり霞んでしまっていた。既に出発から3時間以上経過し、休憩しようかと考えていたがこの風景を見て気力が回復し、このまま山頂まで歩いて山頂でじっくり休憩することにした。最近はあまり長時間の山歩きはしていないので体力が落ちているかと心配していたが問題ないようで一安心。ここまで来てようやく山頂を拝むことができたが、南北に長い稜線の北端が山頂でここから最も遠くに位置するため迫力に欠ける。

1692m峰から西に進む 問題の1730m肩が近づく

 雪庇の発達した県境稜線を西に進んでいくが、木が無く歩きやすい雪庇帯は雪が柔らかくて潜るため、樹林帯との境界を選んで進んでいく。小ピークを越えてブナとダケカンバの尾根を登り始め、肩への最後の登りを注視する。残雪期のこのコースで最大の難関と考えられるのが1730m肩への登りで、雪庇がどれほど発達しているかによって通過の難易度が大きく変わってくる。うまい具合に今回は雪庇が連続しておらず、大きなコブ上の雪のピークの左を巻けば簡単に稜線に出られそうで一安心。どうしても駄目な場合は左にトラバースして雪庇の切れ目を探すことになるのだろう。右側は巨大雪庇の雪壁が連続しており通過は不可能だろうが、落ちた場合は大した高低差が無いうちに平坦な谷になるので逆に安全と言えるかもしれない。

1730m肩への登り 県境1706m峰。厳しそうな尾根が続く
1730m肩。雪庇の切れ目あり この凹みから簡単に稜線に上がれた
1730m肩から見た南会津東部の山々

 アイゼンもピッケルも出番がないまま、何の苦労もなく1730m肩に到着。肩は巨大雪庇の上で端によると崩落の危険が高いので西に下った場所を進んでいく。吹き溜まりだけあってスノーシューでもよく沈むが、水平移動なので登りよりはマシだ。それでも距離が続くと足に響くようになり、木で歩きにくいが沈む量が少ない尾根西側の樹林帯へと逃げた。木の隙間を縫って進み、どうしても木が邪魔な場合だけ雪庇側に迂回した。

1730m肩から見た1692m峰 枯木山山頂へと雪庇を進む
枯木山山頂 山頂への最後の登り
山頂付近から県境稜線(東側)を望む

 やっと山頂が目前の距離まで迫ったが、山頂まで柔らかく沈みやすい、そして上下にうねった雪庇が続いていて、今まで同様樹林帯で高度を稼いだ。そして傾斜が無くなると樹林が消えた枯木山山頂に到着した! 数年前に先人たちが極めた山頂であるが、その関係者の標識が見当たらないのが不思議だった。あるのは古ぼけて文字が見えなくなった木の標識1個だけ。SSKさんの標識も3D標識も無い。誰か「掃除」してしまったのか、それとも2つとも風雪に耐えかねて落下して雪に埋もれているのだろうか。木製標識の下にあったはずの青いブリキ標識も消えうせていた。こんな山にはKUMOが似合うのだがKUMO氏は既に登っただろうか。

枯木山山頂。背景は県境1620m峰 山頂標識は文字が消えた木製のもの1個のみ
枯木山から見た会津駒ヶ岳〜大博多山(クリックで拡大)
枯木山から見た大嵐山〜男鹿山塊(一部欠けあり クリックで拡大)

 山頂西側は樹林が邪魔して田代山方面は見えないが、それ以外の方向はすっきりと見渡せた。目が行くのは昨年苦労した丸山岳方面。たぶん丸山岳も見えていると思うが白い峰峰が折り重なって坪入山から奥は判別できない。標高の割りに異様な白さが光っていた。

 無風快晴、素晴らしい天候で、断熱シートを敷いて山頂でくつろぐ。もっと時間がかかるかと思ったが4時間弱で登ることができた。これなら午後早い時間に車に戻れるだろう。雪質は思ったよりも悪くなく、まだ体力的に余裕もある。そうなると人間、欲が出てくるもので、同じルートで下るのではなく周遊ルートを思い浮かべた。これは検討段階で廃案となった県境1549m峰南東尾根を下る案で、この末端は林道の橋にピタリと出ることになって増水した沢の渡渉の心配も無い。それに尾根自体は太くて傾斜もほぼ一定、登っている時に様子を見ているが痩せたような場所は見られなかった。1600m峰と1560m峰間の鞍部西側の急な下りだけが心配だが、先週の黒峠山へと下る尾根の岩峰トラバースを考えれば、それより危険ということはなかろう。残念ながら問題の斜面は山頂からだと1620m峰の裏側になって様子を窺うことはできなかった。

大嵐山へと続く尾根 1730m肩へと戻る
1730m肩を見上げる 1692m峰から東を見る
1730m肩から見た、これから下る県境稜線

 充分休養を取り栄養分も摂取し、未知の尾根へと足を進める。1720m肩からの下りはスノーシューを履いたままでは踵を使えないのでブレーキが効かず、弱層上を新雪もろとも滑ることになるのでピッケルでブレーキをかける。

1692m峰から県境稜線を下る 1620m峰へ登る
1692m峰を振り返る 1620m峰から東を見る
1692m峰東から見た枯木山〜大嵐山

 1692m峰を越えて自分のトレースと分かれ東へと下る。日中になって気温が上がり軟雪に足を取られることもしばしばだが、下りなので重力に任せ、弱層の滑りを逆に利用して歩くというより半分滑りながら快調に下る。

1620m峰から下りにかかる この雪庇の先は稜線上は厳しい
北側斜面の樹林を迂回。かなり急斜面 1600m峰を振り返る。笹が出た部分が急な個所

 1620m峰で右に進路を変え、1600m小ピークを越えて問題の鞍部へと下っていく。最初は普通の尾根で問題なく下れたが、途中から傾斜が厳しくなり、雪庇がせり出して稜線上は危なっかしくて歩けなくなった。しかし幸いなことに稜線北側は傾斜はきついが一面の樹林帯で、木に掴りながら進むことができそうで、樹林中を迂回することにした。それでもスノーシューを履いたままでは危険な傾斜で、スノーシューザックにくくりつけてつぼ足になって踵を効かせて下っていく。まだ雪が締まるには時期が早いのでアイゼンは不要だった。細い木が次々とルート上に出てくるので、ピッケルを使うまでもなく安全を確保しながら下ることができた。振り返ると結構な傾斜であり、下れたのだから登る方が安全なのは間違いないが、これをよじ登るのは結構疲れそうだ

1560m峰へと登る 眼下に1549m峰
1549m峰に登る ブナに掘られた文字
1560m峰から見た県境稜線

 もうこの先は急斜面はなく、1560m峰へと緩やかに登る。このピークの手前でブナの幹に何やら文字が彫られているのを発見したが、年月か経っているようで文字の判別はできなかった。1文字目は言偏で旁は不明。2文字目は「星」。三文字目は女偏で旁は不明と読めたが定かではない。次の1549mで県境稜線とはおさらばだが、考えてみれば県境稜線上でも1個も目印を見なかった。本当に歩く人が少ない区間なのだろう。

1549m峰から東を見る これから下る南東尾根
急斜面が終わって見上げる 尾根上には桧の列
落葉樹林の尾根を下る 幹周囲の地面が出ていた

 さあ、ここからはしばらく一直線の下りで登り返しはなく楽ができる区間だ。そして未知の尾根であり多少リスクもあるだろうが、地図を見る限りでは問題無さそうだ。大きな尾根なので間違うことはないだろうが、念のため磁石で方向を確認して下り始めた。最初は傾斜がきつくてスノーシューでは横にズリ落ちながら下ることになるが、尾根が広くて左右に傾斜が緩い場所を選びながらコース取りできるので危険はない。少し下るとブナが点在する適度な傾斜の明るい尾根が続くようになり、スノーシューを滑らせながら快調に下り続ける。標高が落ちてくると樹木の幹の周りの雪が溶けて地面が顔を出すようになるが、標高1300m弱では笹の姿は見えなかったので、全く無いとの保証は無いがそのくらいまで雪解けが進んでもこの尾根は使えそうだ。南斜面は雪解けが早いだろうが北斜面は雪庇残骸が最後まで残りそうな。

下るに従い積雪が減ってくる だいぶ地面が出てきた
ワイアーが巻かれた木 眼下に林道が見えた

 尾根はほぼ一直線に続いており、落葉樹林で視界がそこそこあるので肩のような部分があってもさほど迷うことなく有視界飛行を継続できた。標高が1000mを切ると徐々に地面が現れるようにあり、下に林道が見えるようになる頃にはすっかり雪が消えていたが、全く笹はなく歩きやすい植生だった。最後に林道へと下る急斜面を下っているときにポータブル音楽プレイヤーを枝に引っ掛けてポケットから飛ばしてしまい、目立たない黒だったので探索に少々時間を食ってしまったが無事発見できた。

林道はまだ雪に埋もれる 下ってきた尾根
キャンプ場奥のゲート 安ヶ森ロッジ奥の車止め
登山ではなく山菜取りのことらしい 安ヶ森ロッジ
案内標識 安ヶ森ロッジから見た県境稜線

 林道に下りると計画どおり目の前には橋があり白滝沢を右岸に渡り返し、延々と続く雪に覆われた林道歩きとなった。この標高で真昼間だから雪は思いっきり緩んでおり重く、スノーシューを装着しても足が重い。さっきまでは下りで重力の助けがあったので何の問題もなかったのだが平坦になると影響が大だ。はやく除雪区間が登場するのを心待ちにしながら歩くが、地形図で道幅が広がる地点でもまだ一面の雪に覆われていた。その先でキャンプ場が登場してもまだ雪、さすがに疲れてきた。ヌーグラ沢合流地点下流で橋を渡ればもう雪は無いと思ったらここも雪でガックリ。除雪されて快適に歩けるようになったのはロッジ奥の車止めから先で、ここでスノーシューを脱いでテクテクと歩いた。


 考えてみたら今回はGPSの電源は全く入れる機会がなかった。あれだけ山頂が明瞭ならばGPSは不要だろう。それに天候に恵まれてずっと視界が良好だったことも大きいだろう。もっと軟雪で苦労させられるかと覚悟していたが、林道以外はさほどひどい雪ではなかったことは大きな成功要因だった。それに下りで使った尾根は、おそらく枯木山への最短ルートだろう。林道歩きが他のコースより長くなるが、尾根歩きの距離は減らすことができ、林道の雪が消えれば所要時間を大幅に短縮できるだろう。


追記
 下山して家に戻って記録をまとめているときに、ネット検索でYoshiさんは残雪期に山頂に立つ前に無雪期に私が下りに使った尾根を遡って県境稜線まで達していたことを知った。藪の状態について詳しく、残雪期でも4月以降に登る場合は大いに参考になるだろう。土倉山といい、地形図を見てルート判断する基準が私と似通っているようだ。栃木県の藪山を好む愛好家には強力なメンバーが多いとあらためて感じた。

 

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