足尾山塊 庚申山(1892m)、駒掛山(1808m)、白山(1910m)、鋸山(1998m)、女山(1835.9m) 2013年6月8日  カウント:画像読み出し不能

所要時間  5:14 駐車場(ゲート)−−5:36 旧ゲート−−5:57 天狗の投石−−6:11 一の鳥居−−6:42 鏡岩−−6:53 夫婦蛙岩−−7:13 旧猿田彦神社跡−−7:20 庚申山荘−−8:19 庚申山(休憩) 8:41−−9:12 駒掛山−−9:46 白山−−10:18 鋸山(休憩) 10:47−−11:22 女山−−11:29 六林班峠 11:36−−13:15 庚申山荘−−13:18 旧猿田彦神社跡(休憩) 14:01−−14:36 一の鳥居−−15:23 駐車場(ゲート)

場所栃木県日光市(旧足尾町)
群馬県沼田市(旧利根村)
年月日2013年6月8日 無雪期日帰り
天候曇後晴
山行種類一般登山
交通手段マイカー
駐車場ゲート手前に駐車場あり
登山道の有無あり
籔の有無鋸山〜六林班峠、六林班峠から庚申山荘方向でしばらく笹が被っている
危険個所の有無鋸11峰の白山〜剣ノ山間は鎖場あり
山頂の展望庚申山:無し。少し西にずれたところに展望場あり
駒掛山:無し
白山:あり
鋸山:あり
女山:無し
GPSトラックログ
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コメント銀山平を起点に庚申山、鋸山、六林班峠と周回。かじか荘の先でゲートあり。庚申山までは良好な登山道だが、庚申山荘から庚申山間は岩の間を梯子で登ったりして変化あり。庚申山〜鋸山間は3個所ほど鎖場あり。登り方向はいいが下りは注意。鋸山〜六林班峠間は道はあるが両側から笹が被っておりルート分かりにくい。笹が濡れた時は突っ込みたくない場所。六林班峠から庚申山荘間の最初の部分のみ笹が被るが標高が落ちると笹が薄くなる


ルート図。クリックで拡大表示


銀山平奥の駐車場 ゲート前駐車スペース
ゲート 旧ゲート
天狗の投石 一の鳥居(登山口)
汚れた標識 沢沿いに登っていく
百丁目の石。江戸時代の作 鏡岩
夫婦蛙岩 仁王門
旧猿田彦神社跡 旧猿田彦神社跡からお山巡りコースが分岐
庚申山荘 テレメータ
設置は昭和28年となっているが真新しい 山荘の水源
水源より上部は幕岩の連続 岩の基部を巻きつつ登る
梯子あり コウシンコザクラ(らしい)
2か所目の梯子 岩の門をくぐる
お山巡りコース分岐 タチツボスミレ(らしい)
笹とコメツガ コメツガの幹の鹿の食害
遭難慰霊碑。かなり古い 庚申山山頂
庚申山西側から見た鋸山 庚申山西側から見た三俣山方面
目立たない御岳山山頂 樹林の隙間から西を見る
笹がちと深い 駒掛山山頂

ちょっと西側に布kumoあり 笹が被った登山道を進む
渓雲岳 先行者
小法師尾根
白山向けて登る
薬師岳山頂 白山向けて登る
白山山頂。ただし山名事典と位置が違う
白山から見た北半分の展望(クリックで拡大)
たぶん蔵王岳山頂 キレットの先がたぶん熊野岳
最初の鎖場を下る先行者 鎖場を見上げる
鞍部の笹原を行く 熊野岳(と思われる)側も崖で南から取り付く
梯子の次はフィックスロープ登場 熊野岳(たぶん)から蔵王岳(たぶん)を見る
鋸山方向 まだ気が抜けない
短い梯子を越える。この裏の下りも梯子 剣ノ山山頂
剣ノ山山頂から見た北半分の展望(クリックで拡大)
これが鋸山 鋸山山頂
鋸山から見た庚申山方向 鋸山から見た皇海山
鋸山から見た松木川 鋸山から見た不動沢のコル
イワカガミ ミツバオウレン
六林班峠への分岐 道が薄くなるが登山道が続く
両側から濡れた笹が被りゴア着用 女山直下

女山山頂 女山には布kumoがあった
文字が消えた標識 現在の六林班峠。本当の峠より足尾側に寄っている
本当の六林班峠 六林班峠のGWV標識
六林班峠の明大ウォーキング部?標識 六林班峠から袈裟丸山方向。踏跡無し
六林班峠から鋸山方向 六林班峠より庚申山荘へ下る。ここも最初は笹が被る
沢をいくつも横断するので給水可能 延々とトラバース道が続く
また沢を横切る 笹が鹿に喰われて葉が無い
ガレを横断 1161m峰西側を通過
コメツガ倒木の皮が鹿に食い尽くされている もう笹が被ることはない
微妙なアップダウンなり 1681m峰から南東に延びる尾根を越える場所
帰路の庚申山荘 旧猿田彦神社跡で休憩
林道に出た ゲート到着
駐車場到着


 庚申山、鋸山はそれぞれ単独で登ったことはあるが、鋸11峰は踏んだことが無い。そのうちいくつかが山名事典記載の山で、ついでに鋸山と六林班峠間の1835.9m三角点峰が女山として山名事典に記載されている。標高は2000mを若干下回る程度で、この時期なら暑さはぎりぎり我慢の範囲だろう。ルートとしては銀山平を起点にまず庚申山に登って鋸11峰を越えて六林班峠から戻るのが順当な判断だろう。

 関越道高崎JCTから北関東道を初めて利用、思ったよりも交通量は多い。昔はこの辺の東西の大動脈は国道50号線と相場が決まっていたが、今は北関東道にシフトしているのだろう。太田藪塚ICで降りて北上、渡良瀬川沿いを奥に入っていき原向駅を過ぎて銀山平へ。30年以上前に小学校の林間学校で銀山平に来た時には国道は細く銀山平への県道も細かったが、いつの間にかいい道になっていた。ただし、庚申川沿いの林道のゲートは以前より手前に設置され、かじか荘を過ぎて舟山林道分岐のすぐ奥に設置されていた。手間に広い駐車場があるのでここに車を突っ込んだ。先客は1台のみ。

 翌朝、車のガラスには細かい水滴が。天気予報通りで小雨が降っていた。それでも周囲は出発して空になった車や、出発準備中の登山者の姿。この時刻から動き出すからには皇海山が目的地だろうか。こちらはのんびり朝飯を食ってから出発。もう全員が出かけた後だ。小雨は止んだが低い雲が垂れこめている。一応、ザックには傘を入れておく。

 カーブの先のゲートをすり抜け林道歩きを開始。舗装でいい道だ。大きく谷を巻きこんで尾根を越えたところが旧ゲート。今は常時開放。その先は未舗装だが路面状態は良好でゲートが開いてさえいれば普通車でも問題無く走行可能だ。途中、「光風の滝(坑夫の滝)」や「天狗の投石」などの名所を通過する。滝は今の時期は樹林が茂って谷が見えず。天狗の投石は同じような大きさの石が斜面いっぱい覆っている場所で、たぶん上部には崖があって風化して崩壊した岩が落ちてきたのだろう。樹林のため上部の様子は見えない。

 やがて一の鳥居に到着。ここで林道から離れて登山道歩きに切り替わる場所なので、登山口と言えるだろう。赤ペンキが禿げかけた鳥居を潜って沢に沿って登山道は上がっていく。ルートの様子が分からないので1リットルの水を担いできたが不要だったかな。関東ふれあいの道だけあって道の整備は申し分ない。高度が上がると大きな岩が見られるようになり、鏡岩、夫婦蛙岩、2つの岩の間をすり抜ける門のような仁王門などを見ながら進んでいく。間もなく庚申山荘というところで旧猿田彦神社跡に到着。昔は大きな建物があったらしいが今は広い平坦地があるだけだ。ここでお山巡りコースが分岐するが、こちらの目的地は鋸山方面でまだまだ距離があるので庚申山を直接目指すことにする。

 左に上がると庚申山荘。かなり大きく立派な建物で北アルプスの小屋並みと言っても過言ではない。下山時にはここに宿泊すると思われるパーティーを20人以上見かけたので、ここを起点に皇海山まで足を延ばす人も多いようだ。まだ休みを必要とするほど疲労を感じないので山荘はパスして庚申山を目指す。この標高だと雲の中に入って周囲は霧だ。雨が落ちてこなければいいが。

 少し東に登ると小さな沢があり、ここが庚申山荘の水源だった。飲み物1リットルを担いできたのは完全に失敗だった。帰りに通った六林班峠から山荘間の登山道もいくつか沢を横断していたので水の補給が可能で、今回のルートだったら庚申山荘まで水筒を空っぽにしていても問題無かったな。

 水源地からは左にずれて斜めに登っていく。やがて巨大な幕状岩の基部を登るようになる。岩がせり出して岩屋のようになった個所も多い。見上げると絶壁。妙義や戸隠の雰囲気がある。幕状岩の上部に出られそうな安全な個所まで延々と左に巻いていき、小さな谷から梯子を登って岩の上部に出る。お山巡りの分岐があってさらに巨岩帯を巻いた後は巨岩が消えてコメツガ樹林帯に変わり、笹原の中の登山道を登る。ここまで来れば庚申山山頂は近い。

 山頂付近はなだらかで明瞭なピークがあるのか心配だったが、山頂はポコっと盛り上がった狭いピークだった。メジャーな山なので山頂標識があるが、行政が建てたものではなくいくつかの手製のものだった。コメツガ樹林で展望皆無。先客の若い男性2名が休憩中。話の内容からして皇海山を目指すようだ。天候は曇り。いつの間にかガスの層は抜けたようで明るい曇りだった。私が休憩している間にもポツポツと登山者が登ってきたが、全て皇海山目当てのようで庚申山は休まず通過か、ちょっとだけ休んですぐに出発していった。私の方は鋸山から六林班峠に下るので、それほど時間的にきつくはないのでのんびり休憩。出発時には山頂は無人だった。

 山頂から僅かに西に下ると肩のような場所に出て樹林が開けたスペースが出現、西から北側の展望が良好であり、休憩するなら庚申山山頂よりもここの方がずっと良かった。再び樹林に入って鞍部に下り、最初の肩のような場所に「御岳山」の標識がかかっていた。鋸11峰と言われるが、全てがピークらしいピークではないようだ。

 1750m最低鞍部付近は背の高い笹藪の中に道が通っていて笹が濡れているとイヤなところだ。笹が濡れていたらゴア必携だが、先行者が露払いしてくれているので私は僅かに濡れる程度で済んだ。目の前には先行者もいる。次の小ピークが駒掛山でここも明瞭なピークではなく山頂標識が無ければそのまま通過するような場所だった。標識のある場所より少し西側に見慣れた赤リボンを発見、接近すると布kumomだった。kumo氏はここを駒掛山山頂としたようだが、東西に長い山頂部なのでどこが最高点なのか不明確、この付近ならどこでも問題無かろう。

 1770m鞍部付近も笹が深く、腰から胸ほどの高さの笹の中の踏跡と呼びたいレベルの登山道を行く。次の笹に覆われた1800m小ピークが渓雲山。山頂標識が無ければただの通過点だ。次の1810m峰が地蔵岳らしいが標識には気づかなかった。一気に高度を上げた1910m峰が山名事典では白山となっているが、現地では薬師岳らしい(標識には気づかなかった)。ここで庚申山山頂での先客の2人の男性が休憩中。そしてその先の、地形図で1920m肩が現地では白山とされていて、小広くなった地面に標識が落ちていた。

 次の1940m峰には標識は無いが、どうやら蔵王岳らしい。山頂標識は無い。樹林が開けた場所で展望良好。この先は稜線上は切れ落ち、登山道は南に迂回して鎖で鞍部に下るようになっていた。男女のペアが鎖場を下降中で、もし私が落石を落としても安全な場所に出るまではこちらも安全な場所で待機。登りならば鎖に頼らなくても行けそうだが下りは鎖が無いと苦しい。

 鞍部の向こう側、熊野岳側も稜線上は崖で登山道は南側を巻いている。崖下をトラバースし、梯子を登って岩場の西側に沿って樹林帯を登り、短い岩場はフィックスロープでクリアする。登り切った肩がたぶん熊野岳。ここも展望がいい場所で、これから蔵王岳直下の鎖場を下る登山者の姿が良く見えた。

 短い梯子で小ピークに登り、長い梯子で下ってから再び鎖場が登場し、鎖に掴まりながら下る。ここが最後の危険個所で、あとは樹林の尾根を登っていく。尾根直上ではなく南側を巻き気味で、次の小ピークも南側に巻いてしまう。とりあえず全てのピークを踏むつもりだったので気付いてからUターン、ピークに立つと「剣ノ山」の標識が地面に落ちていた。ここも展望が開けたピークだ。

 あとは鋸山まで樹林の中を進み、樹林が開けた場所に飛び出せば鋸山山頂だ。ここは今までと違って立派な山頂標識が立っている。北側には低い樹林があってすっきり見えないが、少し北に下ると樹林が切れて皇海山がでかでかと見えている。不動沢のコルには不動沢から登ってきた登山者の姿が複数見えている。今はあちらがメインルートだからなぁ。私はこれから六林班峠に下って銀山平に戻るだけだが、追い越してきた登山者は全員が皇海山を目指しているようだからもうひと頑張りが必要だ。御苦労さま。

 鋸山でのんびり休憩している間に、追いついてきた登山者全てが皇海山向けて出発していった。今の時刻だと山頂到着は12時を回るかな。午後まで天候が持てばいいのだが。県境を境に栃木側は曇り、群馬側はガスが湧きあがって真っ白だった。

 静かになった鋸山を後にして六林班峠を目指す。鋸山直下の分岐付近は今までと同じくらい明瞭だったが、横移動が終わって高度が落ち始めると笹の高さが高くなり登山道の両側から被るようになった。その下には明瞭な道があるので足で探れば足への抵抗が少ない方向でルートは分かるし、ルート上は微妙に笹が凹んでいることからも判別可能だが、初心者だとルートを見極めるのは難しいかもしれない。時々現れる目印が役立つだろう。笹が濡れていて今のままの格好ではズボンがびしょ濡れになってしまうのでゴアを着用。日差しが無くて気温が低めなのでまだマシだ。

 笹が被ったルートを泳ぐように進むが、笹の中にコメツガの倒木が隠れているのがイヤらしい。また、滝壺のような段差もあって足を下ろしたら予想より低い位置に地面があってバランスを崩したりとか。なぜか鋸山〜六林班峠間は鹿によって笹が食われていなかったが、そのうちに鹿が刈り払ってくれるだろうか。

 女山の位置が分かるかちょっと心配だったが、鋸山から先は基本的に下りで、水平移動時に僅かな登りがあったが、女山の登りはちょっとだけまとまっているので判別可能だった。笹の中を登りきって平坦な山頂部に到着、三角点があるはずなので周囲をキョロキョロ見回しながら進んでいくと、赤布がぶら下がった地点より僅かに先に発見。地形図に記載されていない山頂なので標識は無し。ただし、先ほどの赤布は布kumoだったことが判明、kumo氏は駒掛山と一緒に登ったのだろう。

 六林班峠まではもう少し。相変わらず両側から笹が被って隠れた倒木に気を付けながら下っていく。登山道は尾根上ではなく東斜面をトラバースするようになり、峠より東側で別の道に合流、ここが「新」六林班峠と言ったところか。本物の六林班峠に向かうべく空身で道を登っていくが稜線が近づくと徐々に道が薄くなって最後は笹藪に消えてしまった。本当の六林班峠(1800m鞍部)には文字がかなり薄くなった標識が2つ。ここから南にも北にも踏跡は見られない。奥日光の県境稜線と比較しても笹が濃いと思うが、激籔というほどではない。

 デポしたザックを背負って下山開始。この先は道がいいと思えたのは「新六林班峠」付近だけで、進んでいくとまたもや笹が被ってくる。ただし今度は斜面なので山側(左側)からのみ被っているが、これはこれで歩きにくい。六林班峠への道はもっと濃いかと思っていたが予想外だ。これも皇海山のメインルートが不動沢に移った影響だろうか。でもまだ廃道状態ではなく安心して歩けるレベルではある。でも笹が濡れていたらヤダな。

 ルートは最初こそ緩やかに下るがその後は水平にトラバース。いくつも大きな谷を越えるので、そこで水の補給が可能であった。庚申山荘でも水の補給が可能なので、手持ちの水筒は500ccくらいあれば大丈夫ではなかろうか。水はちょろちょろ程度なので渡るというほどではない。ただ、沢の近くで道が崩れたところが何箇所かあった。まあ、ほとんど危険が無いので問題なしだが。標高が落ちてくると徐々に笹も薄くなってくると同時に、大半の笹の葉が鹿に喰われて緑の笹原ではなく茶色の笹原と化していた。コメツガの倒木は木の皮がきれいさっぱり喰われていた。鹿の多さがうかがえる。

 大きな谷に食い込む回数で現在位置の把握が可能で、1611m峰の西側を通過するところでは右手が斜面ではなく明瞭な尾根とピークがあるので場所の特定が容易だ。しかし標高1580m付近の緩斜面トラバースを標高1530m付近の尾根を乗り越える場所と勘違い。なかなか庚申山荘が出現しないし、緩く下るはずの道が登りがあったりしておかしいと気付いた。

 結構ヘロヘロになって庚申山荘に到着。いつのまにか天候は回復し日差しが見られるようになった。ここは日向でちょっと暑いので旧猿田彦神社跡まで下って休憩することに。休んでいると続々とパーティーが登ってくる。お昼を過ぎた時刻なので日帰りではなく山荘宿泊だろう。何だかんだで2,30人はやってきたと思う。予想以上に人気の場所らしい。お山巡りから下山してくる登山者もそれなりにいる。周囲の樹林からはヒメハルゼミの大合唱。登山者風ではなく散策しに登ってきたような姿のご夫婦としばしお話。北海道の山の話題で盛り上がった。その間に大ザックの男性が下っていったが、銀山平から往復だろうか、それとも奥日光や袈裟丸山方面からの縦走か。  話し込んだおかげでいい休憩になり元気に下山開始。まだまだ登ってくるパーティーがいるが、林道に出る頃にはすれ違う人はいなくなった。ゲートまでもう少しと言うところで若者に追い越された。元気だなぁ。駐車場は朝とは違って結構車が止まっていた。

 

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