上越国境周辺 正面山(953.2m) 2014年5月11日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 4:59 ルーデンススキー場−−5:17 スキー場最上部−−5:19 廃道入口−−5:32 廃道終点?−−5:37 東尾根−−5:58 正面山 6:04−−6:18 尾根上道通行止め個所−−6:22 廃道−−6:28 スキー場最上部−−6:37 車道

場所新潟県南魚沼郡湯沢町
年月日2014年5月11日
天候快晴
山行種類一応一般登山
交通手段マイカー
駐車場ルーデンススキー場ゲレンデ内車道に駐車
登山道の有無ありだが下部は廃道状態
籔の有無廃道区間は木の枝がはみ出す。廃道から尾根道間は薄い籔
危険個所の有無山頂直下の岩場が急で落ちればあの世行き。フィックスロープや岩角で3点確保を確実に
山頂の展望360度の大展望
GPSトラックログ
(GPX形式)
ここをクリックしてダウンロード
コメント西側の神立スキー場から登ろうと思ったら国道からの入口が塞がれていたため東側のルーデンススキー場に急遽変更。麓の案内看板にはスキー場ゲレンデからハイキング道があるように書かれていたので安心したが、実際には途中まで廃道状態。たぶん正しい道を通ったと思うが・・・・。ゲレンデ中段の車道まで車で入りゲレンデを登って最上部へ。そこから廃道化したハイキング(廃キング)道を辿るが途中であやふやになり、トラロープに導かれてまっすぐ上へ登ると完全に道を失い、軽い籔斜面を登って東尾根に出ると明瞭な道に出た。帰りはこれを辿ったが途中でロープが張られて通行止めになっていた。下部に崩壊個所でもある? 山頂直下はフィックスロープが垂れた急な岩場になっていて下りは慎重に。山頂は低灌木だけで大展望が楽しめる。祠が倒れていたので積み直しておいた。山頂標識も倒れていた




ゲレンデ中腹の車道から見上げる。山頂はまだ見えない
尾根上にあるリフト終点。登山口はなかった ゲレンデ最高点
ゲレンデ最高点の小屋? 最高点から南へ道らしきものが
雪崩防止? 赤い鉄管から右に分岐あり
ここは状態良好区間だが他は廃道 古い目印
本当にハイキング道だったようだ やっぱり廃道
開けた場所 左の場所で斜面直登
トラロープが終わったら廃道が消える 適当に上がって東尾根に出たら登山道登場
タムシバ 石楠花
ロープ登場だが必要無し 850m付近
またロープ登場 ここもロープ
いよいよ山頂直下の岩場 ロープありだが緊張する場面
正面山山頂のバラけた祠 北側に三角点と倒れた標識
正面山から見たパノラマ展望(クリックで拡大)
正面山から見た苗場山(クリックで拡大)
正面山から見た神立高原スキー場へ続く尾根
神立高原スキー場へ下る尾根。目印あり 山頂北側から山頂を見る
祠を修復。たぶんこれが正規の姿 往路と同じ東尾根を下る
山頂直下の岩場。慎重に下る 尾根上の登山道は750m付近で通行止めらしい
通行止め個所の標識。読めない 道が判別できず北斜面を適当に下る
往路の廃道に出た ゲレンデ到着
車に到着 松川集落から見た正面山


 正面山とはなかなか面白い名前の山。どこを指して正面とするのか謎だが、人の多さから考えて湯沢市街地辺りが妥当だろう。実際、東側から見上げるとピーキーな形状で上部の岩場も見え、小さいながら迫力がある姿だ。

 ネットで検索すると西側の神立高原スキー場からのルートと東側のルーデンススキー場からの2コースがあることが分かった。地形図を見ると東側は等高線がかなり混雑してきつい登りが予想され、ネットの登山記録でも岩場を登る場面があるとのことで、安全そうな西側から登るのがいいだろう。ただし、ゲレンデのどこから登山道につながるのかの具体的情報が無く、現場で探す羽目になりそうだ。

 国道から神立高原スキー場へと続く道に入るとすぐにバリケードで塞がれていた。この時期はスキー場の営業が終了し、山菜取りを規制するために入れなくしているようだ。ここから歩いてもいいが余計に30分くらいかかりそうなのでルーデンススキー場側へ移動。スキー場近くに正面山の案内看板があり絵によるとゲレンデ内を登るとハイキングコースがあるようだ。これで一安心したのだが・・・。

 ここも営業は終わっているが一般道路に面した場所にゲレンデがあるのでアプローチに問題なし。私が持っている地形図には出ていないがゲレンデ中腹まで車道が上がっていて車で入ることができた。ここで一夜を明かす。

 翌朝、日の出直後に動き出す。まだ太陽は東の山に隠れているが周囲は十分に明るい。ゲレンデのどこからハイキング道が始まるのか分からないので、まずは尾根直上に位置する南端のリフト(今はそこしかリフトが無い)終点駅へと向かう。しかしそこより先の尾根は根曲がり潅木藪で道は無かった。

 次はゲレンデ最高地点へ向かう。以前はリフトがあったようだが今はただの草原斜面になっていた。最高部には何やら建物があるがその付近に道らしきものは見当たらない。上方向ではなく左(南)へ半分廃道だが林道のような広い道らしき平坦部があるので進んでみると、雪崩よけらしい赤い太い鉄管が何本も並んだ場所で道が分岐、このまままっすぐが太い道で右上に上がるのが細く怪しげな道。やはり上がる方が正解だろうとそちらに入るが完全に廃道状態で潅木藪がはみ出している。しかし地面の道型はしっかりしていて、その昔に造成した形跡が見て取れる。

 廃道はジグザグに上がっていく。予想通りこの標高では雪はほとんど無し。部分的に道の状態が良くなる区間もあるが、ほとんどが廃道状態でやたらと古ぼけた目印がたま〜に出現する程度。とてもハイキング道とは呼べない代物だ。しかし、しばらく歩くと地面にハイキングコース終点の標識が落ちていて「ここから山頂まで約1時間、経験者と同伴のこと」と書かれている。え〜! 本当にこれがハイキング道だったのか! 今では「廃キング道」だなぁ。一般登山者なら絶対に登山口は判別不可能だし、少し登ったとしても道が無かったと引き返すだろう。

 その先も道の状態は変わらずで廃道が続くが、状態は現状維持で悪化はしなかった。やがて尾根を外れて北側斜面に移ってトラバース、頭上の樹林が開けて残雪がある場所に到着。ここで左の斜面を指して古ぼけた看板あり。はっきりとは読めないが「正面山登山道」と書いてあるようだ。そして急斜面にはトラロープ。おお、今回目撃した人工物の中で一番新しそうな物体だった。真新しいとは言えないが設置して数年以内だろう。十分に強度が信用できる程度のものだった。

 トラロープで急斜面を登ってロープがなくなるとその後のルートがわからなくなった。周囲は薄い笹と潅木の藪で、藪の濃さはそれほどでもないので歩くのに大きな支障はないが、藪に慣れた私の目でさえ踏跡が全くわからない。こうなれば東尾根に出るしかないとそのまま適当に上を目指した。

 尾根直前が根曲がり潅木でイヤらしかったが、それを抜けると尾根上には明瞭な道があるではないか! あれ? どこでルートを外したのか全く分からなかったが、尾根の東西両側に道が伸びているので、正規の道より西側を登ってきたことになる。帰りに確認してみよう。

 尾根道は今までの廃道が嘘のように明瞭で、全く別の道としか思えなかった。別の場所から登ってきているのだろうか? この道は間違いなく今も使われている雰囲気だ。あちこちに白いタムシバが咲いているのが印象的。今日は朝から晴天で日が当たるようになると暑いくらいになってきた。

 登山道はずっと尾根上に付いているので分かりやすいし、尾根は細いので間違いようがない。細いといっても両側は立った潅木藪なので転落する危険性は感じない。小ピークを越えて小さな鞍部を通過、いよいよ急な登りの区間らしい。前方には岩肌を見せた山頂直下の登り。フィックスロープが垂れているのが見えるが、その両側は矮小な潅木類。もし落ちても体重を支えられそうにない。

 いよいよ山頂直下の岩場に到着。雪が付いたら壁になりそうな場所だが、これだけ傾斜がきついと早い時期に雪は落ちてしまうに違いない。周囲は完全に無雪。ロープが垂れた岩場は凸凹が多く、足を置く場所さえちゃんと考えれば登りはそれほど難しくはない。ただし高度感はかなりなものなので下は見ない方がいい。慣れない人だと恐怖心で固まってしまうかもしれない。ロープの信頼性がどれほどなのか不明なので、ロープは使わずに岩角と潅木に掴まりながら登りきった。

 山頂は立木皆無の大展望。文句なしの360度パノラマ展望だ。南西側にはまだ白いタカマタギ。万太郎山から連なる谷川連峰は北側から見るとあまり雪は多く残っていないように見える。東斜面が見えている苗場山はまだ真っ白だった。東の一番奥の山並みは巻機山。ここは白いので分かる。正面山は標高が1000m弱で周囲の山より低いので、あまり遠くの山が見えないのがちょっと残念。

 山頂には四角い石と妙な形の石が落ちていたが、どうも小型の祠だったようだ。「本体」と「屋根」の2つの石から構成されているのが分かったので組み立てておいたが、冬になって大量の雪が積もるとまたバラけてしまうかも。その北側には三角点と根元が腐って倒れた山頂標識。少し北から西に派生する尾根入口には目印があり、神立高原スキー場からの道だろう。こちらの尾根は穏やかそうに見える。

 気温が上がって雲霞のごとく虫が群がってきた。刺す虫ではないのでまだいいがもうそんな季節になったのか。これからは日焼け止め+虫除けが必要だな。

 眺めを堪能して下山開始。直下の岩場はバックで慎重に下る。こういう場所は足の置き場が肝心。難所は5mくらいなので岩に慣れない人が混じっている場合は短めの補助ロープで確保するのがいいかもしれない。僅かな時間だが緊張する。

 岩場が終われば安全地帯。他にもフィックスロープが垂れた個所があるが危険度はそれほどない。東尾根を下っていき、この道が最後はどこに出るのか確認しよう。ところが往路で藪から東尾根に出た場所より僅かに下った場所で登山道を塞ぐようにトラロープが張られ、地面に落ちた文字がほとんど読めない標識があって、どうもここから左の斜面を下るらしい。しかし往路でトラロープをよじ登った後のように踏跡は不明瞭、というか道が無いと表現した方が正確だろう。往路同様、藪はそれほど濃くないのでどこでも歩けるが、それがルート判別を困難にしている。

 たぶんここを下ると往路の斜面トラロープに出るのだろうがルートがわからないので、少し東寄りに適当に下った。というのもトラロープの下はトラバースするように東に廃道が伸びていたからで、西側に寄るとその道にぶち当たらずにさらに下ってしまう危険性があるが、東に寄ればどこかで廃道に交差するはず。どこも藪の状態は同様で藪漕ぎとは程遠いので楽だ。足元にはイワウチワ。

 やがて左手に小規模な法面が見えその下には残雪。これは往路でトラロープに乗り換えた場所だ。ただ、計画どおりトラロープより少し東にずれた位置で法面が高くて下れず、さらに東にずれて廃道が屈曲する場所で合流。結局、廃道と東尾根の間の正しいルートはわからなかった。藪屋は素直に藪を通って尾根に出ればいいが一般登山者は困るな。

 ジグザグに廃道を下ってゲレンデへ。まだ朝の時間帯だが日差しが暑かった。

 

都道府県別2000m未満山行記録リストに戻る

 

2000m未満山行記録リストに戻る

 

ホームページトップに戻る